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#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。
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#詩小説

駄洒落小説 『咳をしても金魚』 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…

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1年前
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子どもの日々が楽しめますように #シロクマ文芸部

子どもの日。 大人になると忘れてしまう 子どもとして 生きてきたあの時間。 “~らしく”っ…

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1か月前
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オマージュ詩小説 『白くない靴』 #シロクマ文芸部

 白い靴を履いているぼくは  運動場を走り回るみんなの靴が  少しずつ汚れていくのを  な…

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1か月前
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詩小説 『愛しき梅の花よ』 #シロクマ文芸部

 梅の花のつぼみがふくらむ季節に  机をくっつけてぼくの教科書を  いっしょに見ていた時…

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4か月前
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詩小説 『私の青写真』 #シロクマ文芸部

 青写真。  それは私にとって永遠の青春で  幻のサファイアのようなもの。  夢を見つけ…

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4か月前
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詩小説 『本を』 #シロクマ文芸部

本を書く。 読んでもらえるのかも分からない本を。 本を探す。 まだ誰も味わったことのない読…

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5か月前
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詩小説 『珈琲とあなた』 #シロクマ文芸部

 珈琲とともに読書をしている私は  本当は珈琲があまり好きじゃなかった。  飲めないわけではないけれど  苦味や酸味になかなか馴染めなかった。  そんな私の傍らに置かれた珈琲。    どうかこの物語の中の  恋だけでも実りますように なんて  らしくもないことを願いながら、  私は昔から少数派だった。  サクサクと音を立てて食べる  かき揚げも好きだけれど  天つゆやうどんの出汁に  じわりと油をにじませ  少しずつほどけていく具材を  ひとつひとつ味わう方が好き。

詩小説 『りんごコロコロどこへ行く?』 #シロクマ文芸部【A面】

 りんご箱を  自転車の後ろのカゴにのせ  我が家への坂を立ち漕ぎで登る。  さてさて何を…

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8か月前
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詩小説 『秋桜と父』 #シロクマ文芸部

 『秋桜』という曲があったことを  ふと思い出したのは実家に呼び出され  長年 物置小屋化…

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8か月前
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詩小説 『そのまんまでいいんだよ』 #シロクマ文芸部

 読む時間  それはきっと空気を読む時間。  そう思いながら  私はこの広くて狭い世界を生…

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9か月前
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詩小説 『愛を知る犬』 #シロクマ文芸部

 愛は犬が知っているんだと  つくづく思う。  今だってほら。  息が上がってソファーに…

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9か月前
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詩小説 『カメレオンが書く時間』 #シロクマ文芸部【線】

 こちらのつづきとなっています。  書く時間  俺は緑色のアプリをタップする。    『先…

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11か月前
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詩小説 『カメレオンが書く時間』 #シロクマ文芸部【点】

 書く時間  俺は緑色のアプリをタップする。      足立くんって優しいよねと評される度に…

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11か月前
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詩小説 『ガラスの手』 #シロクマ文芸部

 ガラスの手を今年も軒先に吊るす。  夏祭りに飲んだラムネ。  おまえは炭酸が苦手だったが  せっかくだから、と口にふくむも  あんまりにも情けねぇ顔するもんだから  思わず笑ったら、機嫌を損ねられて  あんときは焦ったもんだよ。  倅たちが産まれてからは  瓶の中でカランコロンと  転がるビー玉をなんとかして取ろうと  躍起になったこともあったな。  そんなラムネの瓶を  細かく砕いて高温で溶かし  息を吹き丸くふくらませ  おまえとラムネを飲んで以来  ずっと集め