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「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…
子どもの日。 大人になると忘れてしまう 子どもとして 生きてきたあの時間。 “~らしく”っ…
白い靴を履いているぼくは 運動場を走り回るみんなの靴が 少しずつ汚れていくのを な…
梅の花のつぼみがふくらむ季節に 机をくっつけてぼくの教科書を いっしょに見ていた時…
青写真。 それは私にとって永遠の青春で 幻のサファイアのようなもの。 夢を見つけ…
本を書く。 読んでもらえるのかも分からない本を。 本を探す。 まだ誰も味わったことのない読…
珈琲とともに読書をしている私は 本当は珈琲があまり好きじゃなかった。 飲めないわけではないけれど 苦味や酸味になかなか馴染めなかった。 そんな私の傍らに置かれた珈琲。 どうかこの物語の中の 恋だけでも実りますように なんて らしくもないことを願いながら、 私は昔から少数派だった。 サクサクと音を立てて食べる かき揚げも好きだけれど 天つゆやうどんの出汁に じわりと油をにじませ 少しずつほどけていく具材を ひとつひとつ味わう方が好き。
りんご箱を 自転車の後ろのカゴにのせ 我が家への坂を立ち漕ぎで登る。 さてさて何を…
『秋桜』という曲があったことを ふと思い出したのは実家に呼び出され 長年 物置小屋化…
読む時間 それはきっと空気を読む時間。 そう思いながら 私はこの広くて狭い世界を生…
愛は犬が知っているんだと つくづく思う。 今だってほら。 息が上がってソファーに…
こちらのつづきとなっています。 書く時間 俺は緑色のアプリをタップする。 『先…
書く時間 俺は緑色のアプリをタップする。 足立くんって優しいよねと評される度に…
ガラスの手を今年も軒先に吊るす。 夏祭りに飲んだラムネ。 おまえは炭酸が苦手だったが せっかくだから、と口にふくむも あんまりにも情けねぇ顔するもんだから 思わず笑ったら、機嫌を損ねられて あんときは焦ったもんだよ。 倅たちが産まれてからは 瓶の中でカランコロンと 転がるビー玉をなんとかして取ろうと 躍起になったこともあったな。 そんなラムネの瓶を 細かく砕いて高温で溶かし 息を吹き丸くふくらませ おまえとラムネを飲んで以来 ずっと集め