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チャットGPTからみる「非効率のススメ」



ニュースで「チャットGPTを使うかどうか」を学生にインタビューしていた。一人の学生は「考えることをしなくなるので使用しない」という意見だった。私も、同意見だ。

確かにチャットGPTには、できる作業が多岐にわたる。プログラミングや小説の続きや台本の作成といった文章生成。企画書作成・メール文作成。タイムパフォーマンス(タイパ)は抜群だと思う。

自治体では、試験的に業務に活用する試みもある。問題がなければ、そのまま使用を継続すると言っていた。人口当たりのチャットGTP利用者数は日本が世界一らしい。

以前読んだ新聞記事
「何かを作る/育てる」行為に光明がある。他者に邪魔されず没頭し、制作する意味を「物」を介して明確化させると、自分の内面が見えてくるーとあった。

例えば、美大生らは何を作りたいのか思い悩み、完成まで「余計な周り道」を重ねる。他者の評価を気にせず自分の思いを突き詰めて形にしていく行為で、空疎な情報とは異なる経験になる。
        

ネットでの作品視聴は「効率が良すぎる分、記憶に残りにくい。体験ではなく情報になると指摘。自身が本を買う際は書店で手触りやデザインを確かめ、悩む。部屋に置くと「物の存在感」があり、入手したのも忘れがちな電子書籍とは異なる。
 
どこかへ行き実物に触れて選ぶといった行為は、スマホで簡単に手に入る現代では「無駄なプロセス」としつつ「無駄があるこそ生まれる楽しさの復権を、潜在的に求めている」と推測する。
 本やレコードを探す過程は、自分の関心と向き合う時間になる。

スマホ時代の哲学 谷川嘉浩

効率の悪い時間をどれだけ楽しめるか」この行為を忘れがちだなと思った。AIに人間の主導権を握られる日がくるのではないかとも思ってしまう。人間の脳がAIに支配されるともいかないまでも、行き過ぎたタイパはどうなのだろうと思う。私は、人が考えて感じて書いた文章を読んで感動したいと思っている。


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