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花鳥風月-古伊万里の文様-を見てきました(戸栗美術館/渋谷)

東京・渋谷の戸栗美術館で開催されている、「花鳥風月-古伊万里の文様-」の展示を見に行ってきました。
※美術に詳しい人間ではなく、ただ陶磁器や絵画を見るのが好きなだけの一般人の感想です。

お目当ては展示解説。1月と2月に1回ずつ無料の展示解説があるということで、絶対その日に行くぞ!と決めておりました。
3月には有料・要予約のギャラリートークが予定されていますが、すでに残席0で、結構人気な様子。
渋谷駅から歩いて行きましたが、Bunkamuraを過ぎたら急に閑静なお屋敷街に。道があっているか不安になりながら歩いていると、少し厳めしい門の建物がありました。

当日は解説が始まる少し前に到着。まず学芸員さんの解説を聞いてから、ゆっくり展示を見ることにしました。当日は15名程度が会場に集まって、学芸員さんと一緒に展示室を回りながら話を聞く形式でした。

展示と解説の感想

当時は実際に使われていた食器だったので、その時の流行が反映されている(特に絵画の流行と近い)とのこと。
古伊万里というと、マイセンでおなじみ柿右衛門様式や金彩ピカピカの金襴手様式のイメージが強かったのですが、青一色で表現する染付もなかなか乙だなぁと思いました。時代を経るごとにモチーフが様式化されて洗練されていくのはあるあるなんですかね。

この食器を注文した人はどんな感じで注文したのかしら、なんて考えながら見るのもまた楽しいですね。
中国での意味合いと日本での意味合いが違いながらも、どちらでもおめでたい文様とされているのも面白かったです。

学芸員さんが、何が描かれているか特定するのに苦労した、詩や絵画の知識から紐解いてくと分かることがある、とお話されていて、「文化って、色んなことが繋がっているんだよな~~!!」とテンション上がりました。そういうの気付いた時ってすごく楽しいだろうな、と。

鑑賞陶磁の面白さ

戸栗美術館は小さめの美術館ですが、建物も重厚感があって風情のある佇まい。展示解説が始まるのを待っている方や、ロビーラウンジでお茶を飲みながら休憩している方が何名かいましたが、静謐な空気が漂っていました。最近は小さくて静かな美術館に行くのが好きです。

特に陶磁器を扱う美術館や、高価な陶磁器を販売している場所には、若干緊張を強いられる空気感があるように感じます。私はそのピンと張った空気を味わうのがたまらなく好きで、そういう場所に足を運んでいる気がします。

絵画を見るのも好きなのですが、絵画からは作者の感情が伝わってくる感じ。陶磁器は「使用するモノ」「下手に扱ったら割れてしまうモノ」である故に、器たち自身がプライドを持っているのを感じます。

器たちが私に語り掛けてくる――お前は私を使うのに値する人間なのか?――と。自分よりずっと長くこの世界に存在している器たちから、品定めされる雰囲気に背筋が伸びて、なんだか少し大人になった気がするのです。

戸栗美術館の展覧会ホームページはこちら。
美術館独特の雰囲気はありますが、一人でも入りやすい美術館だと思います!
他の展覧会のときにもまた行きたいな。


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