人として正しい姿って何? ―朝井リョウ「正欲」感想
長いこと読むか迷っていた、朝井リョウの「正欲」を読んだ。傷を抉られそうな気がして、怖くてなかなか手が出せなかったのだ。
友人が読んだと教えてくれたのがきっかけで、精神状態が健康なタイミングで、思い切って読むことにした。
すごく重たいものを心の中に残された気がする、と思ったが、この重たい感情はもともと私の心の中にあったのだろう。朝井リョウの著書は「何者」だけ読んだことがあるが、できれば目を背けていたいような人間の汚さを、まざまざと突き付けてくる。
そして、突き付けられたからには