とうもろこし

「早起きすると良い事がある」って言葉を聞く。その通りだと頷くには根拠を知らないから何とも言えないけど、どこかの研究では脂肪の燃焼が多いとか結果が出たそうなので、一概に否定できる訳でもない。

持病の関係で服用している薬。その副作用が睡眠を強くさせてしまうそうで、最近はずっと変な時間の生活を送っている。朝早くに起きて夕方過ぎに眠って…の繰り返し。言い表すなら、お年寄りの生活。まだ20代前半なのに…という嘆きは誰かに届くことは無い。

暇な時間を持て余すだけなのも癪で、数日前から朝散策に出かける頻度が増えた。朝早く(3時から4時)に目覚めて、6時くらいから外出。近場を歩き回ったり、ちょっと遠くまで自転車を走らせたり。知らない道をわざと突っ切るものだから、たまにGoogle先生のお世話になる。自動販売機で飲み物を買おうとした時の新500円硬貨の無能さといったら。

ともかく、そういう散策を繰り返して気付いたことがある。朝の早い段階から出かけるのは悪くないにしろ、近場を散歩すると高確率でお年寄りとエンカウントすること。彼らはありえない場所(竹藪とか)から突然にポップする。どこからか声がすると思ったら用水路の中にいたり。散策コースがお年寄りのコースと被ることもある。寧ろ田舎で歩ける道なんて大体限られている。早朝から出歩いて鉢合わせないことの方がない。

お爺ちゃんお婆ちゃんの情報網は凄まじいので、私が出歩いていることもとっくに周知済み。「アンタまたお休みね〜!?」という声が畑から響く。「在宅での仕事なんで〜!」と返してもお年寄りには「在宅での仕事」が通じない。下手に難しい言葉を使うより、「家のお手伝いで〜す!!」と叫んだ方が多分早い。

大声でのやり取りをしていると、大抵知人のお年寄りからは「こっち来て!(畑に来て)」と言われるので、そのまま小道を歩く。近くのお年寄りの方は大体の人が野菜を育てているから、それの手伝いをすることが多い。もしくは、「野菜出来たから持ってけ!」と言われるか。前者の場合でも最後には「お賃金ね!」と野菜を手渡されるので、どっちのルートを進んでも結果は変わらない。

夏の野菜は種類が多い。トマトからオクラやら、ナスだとかとうもろこしとかキリがない。お爺ちゃんお婆ちゃんはなぜか携帯しているビニール袋に野菜を入れてくれる。なんならたまにカゴごともらう。昨日はそれでとうもろこしだらけになった。朝6本に昼8本。

かと言って貰いっぱなしはあまりにも申し訳ないから何かはお返しする決まり。母方の実家から貰っている良いとこの白玉とか、明太子とかホッケとか。昨日はあんなにたくさんの貰ってしまったので、いっそとうもろこしご飯でも作って持っていこうかなとか思案したり。塩茹でしたとうもろこしを食べながら日記を書いた。8時49分のこと。

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