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2 総務は『職場のお世話係』?

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 フローレンスは、親子を取り巻く社会課題の改善を目指しているNPOで、現在、約数百名が所属しています。多様なメンバーの「働く」を支えるいるのが、法務・総務業務を主に担っている通称「オペレーションズ」です。
メンバーは、普段は現場で働く保育スタッフや、特別支援学校を卒業して入社したスタッフなど、色とりどり。

 バックオフィスの仕事現場やその思いを、個性的なメンバーがリレー形式で紡ぐ言葉から感じ取っていただければうれしいです。

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こんにちは。フローレンス総務 障害者雇用担当です。

 みなさんは総務と聞くと、どのようなイメージが湧きますか?
巷には・・『雑用係』『閑職』『お世話係的仕事』といった、業務としてはなんだかあまり楽しくなさそうなフレーズが並び、ネガティブなイメージをお持ちの方も多いと思います。私たちフローレンスの総務メンバーも同じように感じていた頃がありました。
でも、今のフローレンスの総務は一風違う。「ワクワクする創造的な総務」であると自負しています。

今回は、わたしたちがたどった『ワクワクする総務』への道のりをお伝えしたいと思います。


総務チームの始まり 


 実は、フローレンスには2016年まで総務という組織はありませんでした。社員がそれぞれに気を配り『働きやすい職場環境』を皆で整える、いわゆる『気づいた人がやる』というスタイル。私が入社した2011年当時のフローレンスはバックオフィスに多くの人件費をかけることは難しく、ミニマムバックオフィスを維持しているフェーズでした。
 そこから5年の間に、社会課題解決のために新しい事業がいくつも立ち上がります。それに伴ってスタッフの増加が進みオフィスの規模が拡大。いよいよ専任のスタッフを置く必要に迫られ、フローレンスの組織に『総務』が加わることになったのです。

 総務が設置されると、当然ながら社内環境を整えるのは『総務』となり、
◯◯がなくなりました!
△△が汚れています!
□□が壊れました!
といった『お困りごと相談』が日々持ち込まれることになります。当時の担当スタッフからは「私は職場のお世話係じゃない!」といったため息が漏れることもしばしば。「オフィス環境を整えることも大切な仕事であることはわかっている。でも、社内の困りごと解決だけでなく、社会課題の解決に、もっと直接的に関わりたい・・」「あれやって、これやって・・に応えるだけじゃない仕事をしたい。」という想いと戦っていたのだと思います。


総務に新しいバイタリティが加わった


 その頃、フローレンスは障害者雇用に本格的に取り組み始めました。中途スタッフで即戦力採用が中心だったフローレンスに、業務を遂行する上でのサポートは必要だけれど、どのような仕事にも真面目にコツコツと取り組むことができて、誰かの役に立つことが大好きなメンバーが、一人また一人と仲間に加わっていきました。


 彼女・彼らの仕事として、押印や封入といった、いわゆる単純作業を準備していましたが、一緒に仕事をしていく中で、一見複雑に見える作業であっても、手順を整えシンプルにして理解しやすいマニュアルを示せば、想像を遥かに超えて様々な業務をやり遂げることができるのだと気づきました。また、「シュレッダーのゴミを捨てておく」「傘立てを整理しておく」といった、いわば見えない家事的な作業も、ルーティンとして日々の業務に組み込んでおけば、常に社内環境を一定の状態に整えておけることにも気づいたのです。
 そこで、それまで声をかけられてから対応していた業務や、今の規模に合わなくなって使いにくくなってきた仕組みを洗い出し、シンプル化とマニュアル化を進めました。すると、彼らにお願いできる総務業務がどんどんと増えていったのです!これは、目からウロコの出来事でした。

ちなみに、フローレンスでは、業務をシンプルに整えてマニュアル化する、この『仕組み化』を、スタッフへの期待役割として明示しています。

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総務 ミッションを掲げる


 当初は障害者雇用メンバーのための『仕組み化』でしたが、「どんどん仕組み化をすすめている今の総務って面白いかも。」「社内のあの業務やこの業務も仕組み化したら効率化が図れるし、そのまま総務で巻き取れそう。」というワクワクした思いが湧いてきました。そこで、私たちは総務の仕事について今一度考えて「自分たちはどのようなビジョンを持ち、何をミッションとするのか?」を、言語化することにしたのです。

 ご存じの方も多いと思いますが、フローレンスは目の前の親子を救う「社会変革のイノベーター集団」です。スタッフの多くは新しい社会インフラを生み出し整えるために、たくさんの時間と労力をかけて、試行錯誤を繰り返しています。そして、イノベーターの多くは『コツコツ系作業』がちょっと苦手。新しいアイディアを生み出すための回路を動かすと、決まった作業をコツコツすすめるための回路は動きが鈍るらしい(笑)

 ならば、自分たちは「イノベーションを起こすための時間を確保する助け手となろう。」「コツコツ系のオペレーション業務は総務が請け負えばよい。」ということになりました。業務をオペレーション化するためには『仕組み』が大切。手順がシンプルであるほど少ない労力で作業を終えることができるし、楽しくすることで継続しやすい。今の総務はイケてるし、「ワクワクする創造的な総務」であることも表現したい!!

こうしてフローレンスの総務ミッションとして
「仕事を「楽しく」「美しく」「シンプルに」デザインし、社会を変えてゆくスタッフを笑顔にします」
を掲げることになったのです。


イノベーションを起こすための助け手として

 2020年度、総務では他チームの業務をいくつか受け取り、仕組み化をすすめてオペレーション業務へと変換させました。現在では、総務業務だけでなく、さまざまな事業部からの依頼作業を障害者雇用メンバーに数多く担ってもらっています。そして、次年度に向けても新たな業務を総務で受け取るために準備をすすめています。

 わたしたちのチームが前向きに「その業務、オペレーションズ(総務)で巻き取ります!」と言えるようになった背景には、コツコツ系業務を得意とする障害者雇用メンバーの存在がありました。また、彼らの『誰かの役に立ちたい』という強い思いに日々触れてきたことも、大きな影響となったということをお伝えしておきたいと思います。


 彼らと一緒に働くことで得られたたくさんの気づきについてのお話や、仕組み化の詳細については、また、次の機会に!


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