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『DEVILMAN』10周年記念

Murder Channelから2013年3月10日に発売したDEVILMANの1stアルバム『DEVILMAN』が10周年を迎えた。これを記念して、MxCx online storeにて3月24日まで特別特化で『DEVILMAN』を販売している。

DEVILMANはGorgonn(Dokkebi Q/G36)、Shigeru Ishihara(DJ Scotch Egg)、Taigen Kawabe(Bo Ningen)によるユニット。ダブ/ステッパーとノイズ/ディストーションを中心として、グラインドコア~サイケデリック~インダストリアル~ダブステップの断片を巧みに取り入れた楽曲は世界中のコア層から高評価を得た。

GorgonnとShigeru Ishiharaによって2009年にイギリスで結成されたDEVILMAN。当初からジャンルレスな場所でライブ活動を精力的に行い、2010年頃にTaigen Kawabeがボーカルとして加入する。
2011年にCloaksのリミックス・アルバム『Versions Grain』とBo Ningenの『Henkan』にDEVILMANとしてリミックスを提供し、Murder ChannelのコンピレーションCD『Murder Channel Compilation Vol.2 - 7th Anniversary Limited 777 -』にも参加。Dour Festival(ベルギー)、Fusion Festival(ドイツ)、Super Sonic Festival(イギリス)といったフェスティバルにも出演している。

DEVILMANはダブとノイズが最重要なパートであるが、分厚く歪ませたベースと重量感のある硬質なビートからはドゥーム~スラッジ~サイケデリックからの影響も見受けられる。

GorgonnがKiki Hitomiと組んでいたユニットDokkebi Qのアルバム『Hardcore Cherry Bon Bon』収録の「Cuckoo Clock - Black Forest To Holy St.」にはAdam Richardson(Lord of Putrefaction/Ramesses)がギターで参加しており、Dokkebi QのDeath Dubスタイルにドゥームな音色を付け足している。
Shigeru IshiharaはDJ Scotch Eggの3rdアルバム『Drumized』でサイケデリック・ロックとストーナー・ロックをチップチューンで再現し、E-Da(Boredoms/AOA)、Tom Barnes(Sloath)とのバンドDrum Eyesでもそれらの要素を消化したトライバルなサイケデリック・サウンドを展開していた。

元々、Gorgonnはハードコア・バンドでギタリストとして活動していた過去があり、Shigeru Ishiharaも複数のバンドで活動していた経験があるからこそ、彼等の作る音楽には既存のエレクトロニック・ミュージックにはないフィジカルなグルーブが活かされているのだろう。

彼等が持ち得ていたドゥームやストーナー・ロックの要素に、CloaksやDead Faderを中心としてイギリスの極一部で盛り上がっていたディストーション・ムーブメントとの邂逅が合わさり、DEVILMANの異端で過剰なスタイルが誕生したのだと思う。
DEVILMANと彼等の周りが押し進めていたディストーション・ムーブメントについては、こちらの記事でまとめているので興味のある方はチェックして頂きたい。

2012年にShigeru Ishihara、Simon Fowler、DJ Die Soonによってレーベル/コレクティブSmall But Hard Recordsが設立され、2012年にDEVILMANのアルバム『DEVILMAN』が発表。その半年後に『DEVILMAN』に未発表曲やリミックスを追加した2枚組CD仕様をMurder Channelから発表する。

アルバムの発売後はヨーロッパ・ツアーを決行し、Roly PorterやThe Bugといったアーティスト達と共演。Small But Hard Recordsのレーベル・ナイトも行っていた。

DEVILMANの『DEVILMAN』は個人的にも本当に大好きなアルバムの一つであり、今もずっと聴き続けている。2010年にGorgonnから最初に送られてきたDEVILMANの「21 Seiki Dub」という曲を聴いてすぐ虜となり、新曲が出来る度にデモを聴かせてくれていたのだが、毎回とてつもなく衝撃を受けていた。
そこから紆余曲折あってMurder Channelから日本向けにアルバムを出させて貰うことになった。このアルバムを自分のレーベルから発売出来たことを誇りに思っている。

『DEVILMAN』は時代やトレンドにまったく関係なく永遠に輝き続ける名盤アルバムだ。まだ『DEVILMAN』を聴いたことがない方はこの機会に是非とも聴いて欲しい。







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