![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83782766/rectangle_large_type_2_47567051886147a6cd0b1fd6ef3bc3fb.jpeg?width=800)
Spiral Tribeの遺産
先月、PRSPCTから69dbとCrystal DistortionによるユニットR-Zacの初期トラックを纏めた『Trailer Trax』というLPが発売された。
R-Zacの69dbとCrystal Distortionは、フリー・テクノ/パーティー・シーンの最重要レーベル/コレクティブSpiral Tribeの一員として知られ、フリー・テクノ(Tekno)の発展に大きく関与した重要人物。R-Zacとしては1994年から1996年まで存在していたというSpiral TribeのレーベルNetwork23を拠点に、アメリカのDrop Bass Network、ドイツのAcid Orangeから12"レコードをリリース。フリー・テクノ~ハードコア・テクノ~アシッドのコアな要素を凝縮し、機能性を重視した即効性の強い彼等の12"レコードは20年以上の時が経過しても未だに人々を躍らせ続けている。
昔からPRSPCTはフリー・パーティーとも繋がっており、Stefan ZMKとDJ Y?(Coco Bryce)がメンバーであったフリー・パーティー・クルーZMK Soundsystemとの親交があったのもあり、PRSPCTからR-Zacの音源がリリースされるのは正当性を感じる。R-Zacは今年4月に開催されたPRSPCT XL30にも出演しており、PRSPCT radioにてライブ・パフォーマンスとインタビューを行っている。
2000年代中頃からトライブ/ハード・テックが日本でもアンダーグラウンドな場所で人気を得ていき、その過程でSpiral Tribeへの関心も高まっていた。
1990年にイギリスで結成されたSpiral Tribeは、自身のサウンドシステムを用いてフリー・パーティー、RAVE、フェスティバルをオーガナイズし、数々の伝説を残す。Spiral Tribeの創設メンバーはTeknivalという言葉を作り出したDebbie Griffith(Feenix13)、アートワーク・デザイナーも担当していたMark Harisson(The Invisible SP)、そしてCrystal DistortionことSimon Carterの3人とされている。
活動期間は短かったが、Spiral Tribeが開拓したフリー・テクノのスタイルは様々なジャンルに影響を与え、UK RAVEシーンを語る上で外せない存在だ。
最近になってSpiral Tribe関連のレアな音源が相次いで再発されている。
Ixindamixは自身のWebサイトにてSpiral Tribe時代の音源をリマスターして販売中。1996年にNetwork23からリリースされたSomatic ResponsesとCaustic Visionsのスプリット12"レコードがXPDIGIFLEX.RECからデジタル再発された。
以前、ジャングルとテクノの融合化が活発になっているのを記事にした際にSpiral Tribeの音源にも触れたが、ここ数年のUK RAVEのムードもあってか、Spiral Tribe関連に違った角度から興味を抱く人々が増えてきているのが面白い。
過去の再発だけではなく、Toolbox RecordsのWebサイトを見ていると定期的にSpiral Tribeのメンバー達による12"レコードがアンダーグラウンドのレーベルからリリースされ、今もシーンを先導しているのが分る。
Spiral TribeのWebサイトにはTシャツなどのグッズが販売中。気になった方は色々と調べて沼にハマってみて欲しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1659297071252-wm9vFRcq9M.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1659297110083-44gzEyzy4u.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1659297129735-EtEHuBr5dO.jpg)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?