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フランスで子育て:音楽は世界共通言語なのだ

小学校に音楽室がない!

芸術や文化に力を入れているお国柄、
小学校の授業もさぞかし音楽や芸術に力を入れている
プログラムなのだろうと思いきや(ってかなり個人的な思い込み)
学校に音楽室や図工室がない!
ってことに当初は驚きました。
音楽や美術の授業も先生によって
気持ちばかりちょっと触れるだけって感じです。
パリとか都会に行けば美術館見学とかあるのかも
しれませんが田舎は「えっ?」という内容。

私の遠い記憶では、日本の小学校では
水彩画の描き方や版画、楽焼きもやったし
音楽室にはいろいろな楽器があって、
ベートーベンやバッハの絵が貼ってあって
ちょっと怖かったけど偉大な音楽家の名前は知っていた。
それに小中高共に学校の講堂にはグランドピアノがあった。。。

楽器を習いたい子供は音楽学校に

日本って低学年からピアニカとかリコーダーとか
小学校で習いますよね。
フランスで音楽の授業なのだろう。。。と思わせるものは
クリスマスとかイベントがある数週間前に皆で習う合唱。
とはいえ、一緒に歌うだけ(それもバラバラ)。

音楽で心が通じあう、演奏することで皆が一体になる
あの感動はフランスの小学校では学ばないんだ
ということに少々がっくり。

音楽を学ばせたいのであれば習い事をするしかない
とわかった時点で、地域にある Ecole de musique(音楽学校)
に娘を行かせることに。

Ecole de musique(音楽学校)は、市が運営するものや
市が村が集まった地方自治体みたいな組織が運営するもの
そしてアソシエーションの形体のものなどがあり
あまり選択肢のない田舎で音楽を始める王道の機関って感じです。

学校や地域によりますが、その地域の住民だと年間5万円程度で
本格的な授業が受けられます。
音楽はフランスの地方では結構高い方の習い事ではありますが
それでも庶民でも払えるお値段。本当にありがたいなと思います。

「学校」なので、結構厳しく1,2年でやめていく子供が多いことに驚く


近所の音楽学校は、7,8歳くらいから楽器を選べてレッスンを受けれる
仕組み(その前は歌やダンスを通して音楽を学ぶクラス)で
ちょうど8歳だった娘は、クラシックギターを即始めることに。
ギターの授業は最初の2年はグループレッスンで一人の持ち時間15分で
4人いれば1時間の授業が受けれるといった仕組み。
その上、水曜日にソルフェージュの授業が2時間(!)あり
楽譜の読み方や音楽理論を歌やダンスを交えて学びます。

娘は元々、覚えは早い子(でもちょっとせっかち)なので
サクサク学んで、楽譜も読めるようになり
ギターの先生との相性も合って、そのうえ親が褒めまくって(笑)
どんどん弾けるようになったのですが

まずは楽譜の読み方や音楽理論を学ばないと
楽器もあまり弾かせてくれないという音楽学校の仕組みに
挫折してしまう子供、子供が演奏する姿をなかなか見れない親が
フラストレーションを感じてやめさせてしまうパターンが
非常に多くて残念なのです。楽しいって思う前に挫折しちゃうのは
本当に残念。

特にギターは、バイオリンとかに比べるとお手軽な楽器なので
「ちょっと弾き語りでもできたらいいよね」
って気持ちでクラシックギターを音楽学校で始める人も多く
「なんでコードを弾かせてくれないんだー、手が動かないー」
「楽譜なんか読めなくてもいいよー、TAB譜あるし」
というフラストレーションを抱くことになります。

大きな学校だと、「弾き語りクラス」、「エレキギタークラス」など
もありますが、3年目に2人くらいしか残らない田舎の学校は
クラシックギターの先生がすべてをカバーしなければならなく
先生も生徒も大変そうです。

コンサートとかワークショップとかうれしいイベントも

入学式や卒業式、運動会や学芸会など「子供の晴れ姿を見れる!」
イベントが皆無に近いフランスでコンサートやワークショップで
娘の晴れ姿を見れたのは、とても良い思い出。

幸いなことに娘がギターを始めた年は県内の音楽学校の生徒が
集結しフラメンコ・ギターのワークショップを行って
プロのギタリストに教えてもらうことができたんです。
いろいろなイベントに1年目に参加できたことも
コロナ禍以降のモチベーションの持続に繋がったんだと思います。

余談ですが、「娘の晴れ姿」に免疫がなかった私(苦笑)。
その姿に大いに感動してしまった上に
コンサートで娘のギターの先生がブラジル音楽専門ということがわかり
もう運命を感じて、自分も始めてしまうことに。
東京にいた頃ブラジル音楽(サンバとかボサノバとかショーロとか)
にハマっていてフランスに行くか、ブラジルに行くか迷ったんです(笑)。
今年で4年目ですが、ギターアンサンブルのグループにも
入会してしまいました。

音楽は世界共通言語、心を豊かにするもの

現在、思春期真っ最中の娘は、自主的に練習する気持ちが皆無(涙)。
でも親としてはもうちょっと続けて欲しいなあって思うんです。
中学校の勉強も大変そうなのはわかるんですが
楽器が弾けるのって人との出会いの可能性を無限大にするし
自分の心も人の心も豊かにしてくれるものだと思うんですよね。
フランス人宇宙飛行士のトマ・ペスケも
宇宙ステーションでサックス演奏してたし(関係ない?)。

私の前では音楽学校やめたいと言いますが
中学校のコーラスサークルに参加したり
学校行事で演奏するグループでギター弾いたり
音楽の授業で優越感を感じたり
(って、中学でやっとト音記号や音符を習うようです、ははは)
していることを楽しそうに話してくれるので、まんざらでもないのかな。

ギター弾ける女子中学生ってかっこいいと思うんですけど(親バカ)。
でももうちょっとしたら、クラシックはもうやだ
エレキ買って(ロック好き)と言われそうです。








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