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地方での「ライブ」・前編 (ブログ「FloaTone Express」より)

過去にブログにアップした記事です。
自分でもう一度読み返してみて、その時に言いたいことが今でも同じ気持ちだったので掲載してみます。

「暇だから当日券でライブ」東京の音楽好きの行動に衝撃 地方からは「東京は天国」「うらやましい」の声続々
この記事を読んで、おお!と思った。ちょっと俺の見てきた観点とは違うけれど概ねわかる!という感じ。

もう15年くらい前に東京から(先祖代々東京在住。江戸時代から)埼玉県某秩父市に引っ越してきたわけですが、最初は仕事が無くて困って。

まあその頃は、東京での仕事がある程度あったのでそっちを中心に動いていたのですが、子どもがまだ未就学だったしなるべく早く住んでいるところ周辺で仕事が出来ればと思っていた。

昔っから「音楽何でも屋」を自称し続けているんですが、その頃はライブのプロデュース(立案、企画、運営)、音響業務、ギター演奏指導、歌唱指導などが主でした。

そのうちボチボチ地元で音響仕事を任されるようになり、さて、自分が地方でいちばんやりたかったアマチュアのミュージシャン達のライブやコンサートの制作を!と意気込み始めてまず最初に当たった大きな壁は「観客動員」。

とにかく人が少ない!人口密度が低いから一箇所に人が集まりにくい。何かやる時のお知らせもかなり広範囲にしなけりゃならない。当時はまだまだSNSがあまり普及してなくて(いちばん効果があったのはmixiだったよ)ね。

色々画策してる時に地元のいわゆる事情通の方からこういったお話しがあった。

「オヲノ君、地元のアマチュアのライブなんかみんな行かねーぞ。イナカの人間がライブに行くというのは「ケとハレ」の「ハレ」なんだ。ライブ行きたいって人にとっては『東京の大きなカッコいいライブに行って、美味しい飯食って、酒飲んで帰ってくるまで』で一大イベントなんだよ。誰が地元の誰も知らないようなミュージシャンのライブなんか行くかよ。そういうのに行くのは知り合いか義理で行く人だけ!」。。。

うすうすそんな雰囲気は感じてたんだけれど、はっきり言われると(言って貰って有り難かった)凹んだな。

で、実際そうだったもんね。

俺の感覚では観客動員数は東京の三割という感じ。

これはしんどい。ミニライブで20人くらい来てくれれば有り難い、というくらいが頑張って7、8人。

もう一つ大きな問題があって。

こっちの人は、先の事情通の方が言った通り「知り合いか義理のある」方達が来てくれるは来てくれるんだ。それは有り難くはあるんだが、ご自分達の目当ての出演者以外はけっこう目もくれない感じなんだよな。これは今でもそう。

例えば知り合いが3番目に出るとしますね。そうすると2番目の終わりくらいに来て、お目当ての人が終わると次の演奏が始まっていてもサッサと帰ってしまう。ひどい時はその出演者も自分の出番が終わると帰っちゃう。これ初めて見た時は唖然としたね。礼儀知らずだな!とも正直思った。

でも完全にそれが定着しちゃってるんだ。それが普通、当たり前になっちゃってる。

こ・れ・は・し・ん・ど・い。


ーーーーーー後編に続きます。

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