浮かべ地球

乱雑じゃなくランダムに感覚を観察し難破するファン多数

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最近の記事

春色の汽車などない

コロナ禍がいったん終わったことになり、生活が少し前の形態に戻って久しい。 たまに、時間が戻ったかのような錯覚に陥ることがある。 肉体は確実に劣化し、年齢も増え、内面も内臓も渋みが出ているのに。 何もしていないのに若返ったかのような、社会がみんなで嘘をついているような錯覚。 全員で示し合わせた大きな芝居。 みんなで揃いのマスクを着けてウイルス対策をするロールプレイ。 劇に参加できない不良はマスクを外し、劇が終わってもまだお祭り気分の女子が教室に残ってマスクを着け続ける。 嘘が終

    • 漫才「ラブコメ」

      「ちょっと聞いてほしい話があるんだけど」 「どうした急にそんな改まって」 「これはまあ〜」 「なんだよ何でも聞くよ、教えてよ」 「いや、これは俺の友達の話なんだけど」 「友達の話ね」 「友達には好きな人がいるらしいんだよね」 「好きな人!ああ恋愛の話でしたか」 「その友達はその人のことを思うと胸が苦しくなったりさ」 「うんうん」 「遊びに誘いたい!って思っても断られるのが怖くてなかなか誘えないらしいんだよね」 「あーこれはありますよね、恋愛の一歩目はなかなか勇気がいります」

      • 新千歳空港

        新千歳空港の紙袋を持ってる女性が電車にいた ボロボロの紙袋だった 普段から使うことある? 形見か?

        • 宮沢賢治の夜

          「ではみなさんは、そういうふうに川だと言われたり、乳の流れたあとだと言われたりしていた、このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか」 俺「乳とか白いものとか言われたらまあ母乳かと思いますよね。さもなくば精液とかね。さもなくばね。そもそも質問がセクハラですよね、星座の話でしょこれ。銀河とか星座の話。訳してるんですかってぐらい不自然な導入ですよこれは。いきなり乳て。星座の話するのに乳とか言い出したら今ヤバいっすよ。令和よ令和。昭和でもドン引きよ。平安でもまあ紫式部あたり

        春色の汽車などない

          麻雀スープレックス

          敵は本能寺にパリ

          麻雀スープレックス

          次の春に

          「次の春に、うちから湘南台まで一本で行けるようになるんだよー!」 中学生と見えるその女の子が嬉しそうに語ったのは、またも混み始めた通勤の小田急線だった。 彼女とその友達は、学校の話やきょうだいの話、昨日見たアニメの話をしていた。どこにでもいるありふれた、普通の中学生然だった。 次の春、という言い方を自分はしていただろうか。 私の中学生時代といえば、ガキの使いでヘイポーがひどい手紙を西川先生に読んでるのをケラケラ笑ったり、電車の中では吊り革で懸垂をやって周りのおばさまから笑

          空振り

          職場研修なる、効果を誰ひとりとして期待していないイベントがあったせいで、退社が遅くなった。 いつも捕まる暇人どもが今日に限って捕まらない。なんとなく、本当になんとなくの気持ちで、地元から少し遠い駅まで電車を降りずに進んだ。いくつか潰しが効く飲食店があるからだ。 ここで恒例の、黒烏龍茶を買った。黒烏龍茶はいつも不安な背中を押してくれる。 よく行くラーメン屋は、いつも閑散としているのに、20人を超える行列ができていた。なぜか。職場研修のせいで1時間出るのが遅くなったからだ。遅い

          私とサガフロンティア2 番外編

          毎月連続更新の記録があるので、一応更新します 縁あって、昔の職場の上司の娘さんが同じ職場にいる。 飲みによく連れてってもらったこともあり、娘さんの話はよく耳にしていた。当時高校生だったその子がまさか同じ部署になり、ふたつ隣の席で仕事をするとは思いもよらなかった。 事あるごとにお父さんの話を出したり、また聞いたりと、なんとなく不思議な感覚がある。お父さんと同じように横並びで座るのだけでも面白いし、先日は助手席に乗せて車を運転した。親子2代にわたり車に載せる、なんだかそれだけで

          私とサガフロンティア2 番外編

          イカめら

          不摂生やら何やらで、明日、内視鏡検査を受けることになった。 「胃カメラをやったことがある」はイコール「バンジーを飛んだことがある」という認識だ。 高校生でナンパしたりとか、クラスの地味な女の子がバイト先な店長と付き合ってたりとか、ああいうのも同じフィールドにある。「自分とは関係のない」世界の出来事として見ていた。 職場の女の子が今日、「胃カメラやるって本当ですか…?」と聞いてきた。 私は、曇りなき瞳をまっすぐ向け、「ああ、やるよ」と、これから戦地へ赴く漢の顔をしながら答えた。

          ヒステリックグラマー

          釧路阿寒湖の関係者には確実にヒステリックブルーがいるな

          ヒステリックグラマー

          をわりに

          100日も記事を書いていると、本当にいろんなことがある。神が現れて突如おやすみになったり、そばではなくうどんが好きだということに気づいたり、最近では時空が歪んでしまったりした。 しかし終わってみると、あるひとつのことに気がついた。 世の中に不満がそんなにないことである。 書き始めたころは、毎日不満を書いてやろうと思っていた。世の中に対する苛立ちや、社会への主張を書いて、毒まみれの記事を量産する危険思想の持ち主みたいなのをイメージしていた。 しかしながら、いざ書いてみる

          選ばれし者

          突然だが、時空が歪んでしまい、なぜかnoteの更新ができない。 みなさんにはどう見えているかわからないが、この記事を書いている私は紛れもなく4/25の私であって、4/26の私ではない。誤解のないように言っておきたいのだが、決して更新をすっぽかしたわけでもなければ、仮眠をした結果日付をまたいでしまったとか、そういうわけではない。現に今、4/25の20:54を時計が指し示している。 どう考えても時空が歪んでいることが原因なのだが、私ではなく皆様の時空が歪んでいるという可能性もあ

          ウイユヴェール

          サウンドノベルをご存知だろうか。 かまいたちの夜などで知られる、画面上に文字が流れてきて、選択肢を選んでいくことでストーリーが進んでいく、言うなればゲームのジャンルだ。 選択肢を間違えると、ゲームオーバーになったり、バッドエンドを迎えたりする。プレイヤーは試行錯誤しながら、正規エンドを迎えるべくプレイしていくのだが… かまいたちの夜はわかりやすいホラーゲームだった。選択肢を間違えれば人が死ぬ。自分が死ぬこともある。少しずつストーリーが明かされていくのも楽しかった。 ウ

          ウイユヴェール

          至らない

          「至らぬ点もあるかと思いますが」←じゃあやめろよ 「行き違いでしたら申し訳ありません」←その可能性があるなら連絡してくるなよ 「失礼を承知で申し上げます」←失礼と思うならやめとけよ 「お互いに気をつけましょう」←お前のほうは気をつけようとする気持ちはないだろ 「最善の手は尽くしますが」←これを言ってる暇があったらそっちに今すぐ注力しろや 「早口での説明となり申し訳ありません」←ならゆっくり喋ってみろよ 「他の業務の都合で離席いたします」←今の仕事は優先度低いのかよ

          我が我が

          「恐竜が繁栄していたときは、彼らは地球を我が物顔で歩いていた」 っていうけど、そりゃあんだけデカくて強いんなら我が物顔で歩くよなー。 どうでもいいけど、我が物顔って恐竜にしか使わないよね。

          ロウソクに火を灯して

          親は歳を取らないと思っていた。 父は毎日浴びるように酒を飲み、母もそれに付き合って飲む。父ほどの量ではないが母も酒を毎日飲んでいた。 コロナ禍で実家に帰る機会こそ減ったものの、我が家はとにかく顔を合わせたら酒を飲む。それがマナーでありルールであり、そんな教えのもとで育ったわけだから、例外なく今もそれは続いている。 「今日は久しぶりに酒を飲む」 実家に帰るたびに、両親のどちらかがそう言うようになった。父も母も、体調と相談しながら酒を飲む、「嗜む程度の酒」スタイルに変わり

          ロウソクに火を灯して