生涯活躍のまちづくりに向けて~かこがわウェルピーポイントの取組み
夏の終わりを感じる今日このごろのFLN公共チーム小野です。
今回は私たちが自治体と一緒に取り組んでいる市民協働のまちづくりに関して紹介します。
私たちは自治体とさまざまな課題解決に取り組んでいますが、多くの自治体で耳にする課題があります。その一つとして、市民協働・生涯学習が挙げられます。特にシニア世代の方々が地域で過ごす時間が長くなる中で活躍していただけるような環境を求められてもいます。
こうした市内のシニア世代が生涯活躍できるまちを目指す取り組みとして、兵庫県加古川市で実施している「かこがわウェルピーポイント」についてご紹介します。
1 活動参加の「きっかけ」と続ける「楽しみ」を
「かこがわウェルピーポイント」は、加古川市を誰もが生き生きと生涯にわたって活躍できるまちにするため2016年12月に開始されました。住民の皆さんにとって社会・地域貢献活動への積極的な参加や、健康づくりに取り組むための「きっかけ」と活動を続ける「楽しみ」になることを目的に運営しています。
この制度では、市が対象とする社会活動や地域活動、健康づくり活動に参加することでポイントをもらうことができます。市の複数の事業がポイントをもらえる対象として登録されていますが、この中でも今回ご紹介したいのが学校園を中心としたボランティア活動です。
これらのボランティア活動に1回参加するごとに50ポイントを受け取ることができます。
こうしたポイントを活用することで、住民の皆さんに地域コミュニティの核でもある学校園を中心としたボランティア活動への興味関心を持っていただくことができます。また、ボランティア参加者もポイントというかたちで自身の活動量が見える化され、継続する楽しみにもつながっています。
2 ポイントの寄附で学校園を支援
この「かこがわウェルピーポイント」は、ボランティアで貯めたポイントを1ポイント=1円相当で市内の市立学校園に寄附することもできる仕組みになっています。寄附された学校園は、ポイントを積み立てることで学校備品を購入することが可能です。これまでには、ボールや跳び箱などの体育用具や花壇の花の購入、さらには学校の陸上トラックの工事整備など、多岐にわたる費用として活用いただいています。
ボランティアに参加する方は自身の活動に加えて物品を学校に寄附することができ、学校園としてもボランティア参加者の方が増えればそれだけ助けになる上にいただけるポイント寄附の増額も見込めます。「かこがわウェルピーポイント」の普及が双方にとって相乗効果を生み出しています。
もちろんボランティアでためたポイントはご自身でご利用いただいてもOK。市内のポイント加盟店でのお会計や加盟店の商品と交換することも可能です。
3 制度導入して感じたこと
ボランティア活動は奉仕の心で参加される方も多くいらっしゃることから、制度を導入するにあたってポイントがもらえるという利己的な動機づけに対する反発も想定されていました。ですが、そうした方々にとっても自身の活動が目に見える形で喜ばれることで、ボランティア活動の楽しみや喜びを改めて感じていただけています。
これまでに学校園からの寄附ポイントによる備品購入では、スポーツ用品や楽器など高額なものを多く要望いただきました。ボランティア参加者も備品が購入されることでより自身の活動の成果として感じていただけているのも本制度の効果だと考えています。
制度開始からボランティアに参加いただける方も順調に増えています(新型コロナウイルスの影響もあるため近年は横ばい)。令和3年度には3,000名近い方に参加いただきました。
また「かこがわウェルピーポイント」は「いきいき百歳体操」というフレイル予防の体操への参加もポイント対象事業となっており、こちらの参加者も多くなっています。
ポイントをきっかけとしてボランティアと体操参加者も相互の事業に興味をもっていただき、より多くのシニア世代の方が市内での活動に積極的に参加されることが期待されています。
いかがでしたでしょうか。
「かこがわウェルピーポイント」は加古川市民の健康と生涯活躍するまちづくりの潤滑油として活用いただいています。
私達も事務局として制度参加者の拡大とさらに市内の事業者なども巻き込んでポイントの地域循環をより発展させるべく、さまざまな取り組みを拡大させていきます!
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