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【2020/2021年冬】今年の鍋料理トレンド考察。【ソーシャルディスタンス・お取り寄せ】

今日はレシピではなく、鍋トレンドに関する個人的な考察を共有。

元々飲食現場に長らくいて、離れた今でも外食は好きですし、なんとなくフードトレンドを読み解くのも好き。

食べ物は、デザインやファッション同様に、その時代を色濃く写すもの。

今日は、元料理人としての読み解きを勝手に共有していきます。

2019年の鍋トレンドを振り返る。

まず、去年のトレンドから振り返り、今年はどういう変化をしてくるのかを読み込んでいきたいと思います。

大手グルメ媒体の「ぐるなび」が昨年に発表した鍋トレンド情報です。

この中で、大きく取り上げられている「発酵鍋」が、飲食業界でも注目を集め、「2019年 鍋 トレンド」と検索すると、大手飲食企業の鍋総合サイトでも大々的に打ち出されています。

発酵鍋が注目される背景。

これは間違いなく、健康ブームが後押ししているから。

SNSを中心に発信者となるのは、女性であり、その女性が注目するものをテーマにすることで、フードトレンドというのは近年ある意味方向性は決まってしまっています。※ファッションもそうですが。

その中で健康ブームは食に限らず、フィットネス業界でも盛り上がりを見せ、裏付けとなる一つになっています。

発酵食品は古くから日本でも、「味噌、醤油」などをはじめ、納豆やヨーグルト、チーズ類など、なじみのあるものも多く、マンネリ化している「鍋」のアクセント、バリエーションへの反映しやすいことから、メニューを考える側からも受け入れやすいことが大きなポイントになったととらえています。

また、食べる側としても、「発酵鍋」という新しいワードでありながら、親しみやすい(想像しやすい)食材、味付けであることもあって、大きな人気になったといえます。

ちなみに上記の飲食企業が鍋選挙も行っていたようで、こちらがその結果。

結果、こちらでも「発酵鍋」が第一位となっています。

2020年の変化。

そんな昨年のトレンドを経て、今年はどうなのかというところですが、間違いなく、大きなキーワードとなるのが「コロナ」です。

飲食店の休業要請を経て、「不要不急」というところにカテゴリーされ、2020年9月この時点でも出来る限り外食を避けられているような状況。

その中で「鍋をつつく」という言葉の通り、みんなで一つの鍋を囲んで食事をする鍋料理は、飲食業界にとってはハリケーンのような向かい風です。

今年の鍋の大きな方向性。

一方で、小売り・量販店は反するものがあり、外食需要がなくなれば、おうちで鍋を楽しむ機会も増え、マンネリ化する「鍋の素」を一新し、それが受け入れられやすい状況になっています。

そういった意味では、コロナの影響により、立ち位置によってはネガティブではありますが、「食べる側」としては、引き続き楽しみを感じることのできるコンテンツです。

ここからは、「外食」と「おうち」の2つの軸で具体的にどんなものが人気になっていくのかを考えていきます。

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【2020年冬】今年の鍋トレンド【飲食店】

一つキーワードに絶対になるであろうものが、

「ソーシャルディスタンス鍋」

ではないでしょうか。

某都知事が口酸っぱく発していたこのキーワードは、食トレンドを作るうえで重要なキーワード。

ソーシャルディスタンス鍋とするからには、その名に恥じぬ仕組みが大切。

ソーディス鍋【お一人様鍋】

ここ近年、「一人焼き肉」なんかも増えてきましたが、みんなでつつくというよりも一人一つの鍋で楽しむというのは、間違いなく飲食店でも増えてくるものの一つで、正にソーシャルディスタンス鍋。

ソーディス鍋②【仕切り鍋】

流石に一人一つ鍋出していたら、食べる側はいいですが、飲食店側の手間を想像すると、なかなか現実的ではないお店もありそう。

このような火鍋で使われる「仕切り鍋」であれば、同じコンロで分けることが出来るので少し手間は少ない。

調べてみたら仕切りが4つのものもあったりするので、こういったやり方でソーシャルディスタンス鍋を作る飲食店も増えるはず。

ソーディス鍋③【串鍋】

なんぞやという感じではありますが、近年流行っていた「フォトジェニック鍋」の中にも既に存在していて、具材がそれぞれ串に刺さっているので、つつくという雰囲気もあり、ソーシャルディスタンス感ありませんか?

数年前からワードとしては、存在しているので、ここで注目されることは間違いなし。

静岡おでんも、串鍋といえますよね。

和風なおでんと、キムチ鍋やトマト鍋、チーズ鍋、「発酵鍋」と掛け合わせてもいいですよね。

そういった発想では、「定番鍋×串」という切り口で、展開の幅を広げられるというのも、大きな可能性を秘めていることの一つです。

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【2020年冬】今年の鍋トレンド【家で楽しむなら】

ここからは、おうちで楽しむ鍋トレンドについて。

まず、飲食店で注目している「ソーシャルディスタンス鍋」は家庭でも楽しめるものです。

そのうえで、個人的に注目しているのは、

「有名店お取り寄せ鍋」

です。

やはり外食は避けたいな、という方は多い。ただ、スーパーで買う鍋のスープも飽きたな、そもそも作るのも面倒だし。。。

そんな時に重宝する、「お取り寄せ」は間違いなく来るんじゃないでしょうか。

【お取り寄せ鍋】買い方、注目のお店。

お取り寄せといったら、楽天市場。

現時点(2020年9月3日)では、上位を占めるのは、「もつ鍋」です。

これは、そもそもスーパーなどでいいものがないため、品質のいい専門店のもつ鍋が手軽におうちで楽しめるというニーズからなるもの。

こちらは、しゃぶしゃぶ・すき焼きで有名な「木曽路」のお持ち帰りキット。

コロナの影響から発売され、一式セットになっていて、作り方も丁寧に入っているので、簡単におうちで楽しめる鍋キットです。

こちらはウーバーイーツで鍋が楽しめるお店。

個人的に一番注目しているのが、この買い方じゃないでしょうか。

どうしても通販サイトなどになると、お店側の準備も大変ですが、デリバリーとしての鍋キットというのはハードルも低く、参入してくる飲食店も多いはず。

わざわざお店に行かなくてもおうちで飲食店の鍋が楽しめる。

これはお店にとっても、食べる側の私たちからしても嬉しいもの。

多くの飲食店が、各お店のオリジナリティーを組み込んだこだわりの鍋が、気軽におうちで楽しめる冬になる気がしています。

鍋は冬の風物詩、今年は今年の楽しみ方を。

数多くの飲食店が、このような状況でありながらも美味しい鍋を提供し、はたまたスーパーではいろんなメーカーが鍋の素・スープを発売するはず。

飲食店は上記のようなデリバリーや通販を使った、お取り寄せ対応もするはず。

これは、こういう状況だからこそ、楽しみ方の幅も増え、当然苦しい状況ではありますが、この状況は大きく変わらず、元には戻らないのだとしたら、時代に合わせるしかありません。

周りの情報や考え方に流されず、自分の楽しみ方を。

飲食店の多くは、しっかりと感染対策をして、安全に食事ができる環境を整えて、私たちが安心して食べられる状態を作ってくれているはず。

外食がダメなわけではありません。

飲食店で楽しむのも、おうちで楽しむのも両方あり。

日頃に気配りは忘れず、外でもおうちでも食を楽しみ続けたいですね。


今日はこんな内容にしてみました。

ちょっと固いですかね。

何かの参考になれば幸いです。


ちなみに、レシピは寒くなりかけたころにいくつかアップ予定しております。

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