事務をつかさどる

今回は、タイトル通り、「事務をつかさどる」ということについて書いていきたいと思います。愛知県の学校事務職員の実情を踏まえて、話を進めていきますので、他の県の状況と異なることも多いかと思います。そちらの方、ご承知おきくださいますよう、お願い致します。

話は遡ること2017年3月、学校教育法が改正され、学校事務職員の職務規定は「従事する」から「つかさどる」(学校教育法第37条)へとされました。改正に際し、文部科学省が発出した通知によると、「学校におけるマネジメント機能を十分に発揮できるようにするため、学校組織における唯一の総務・財務等に通じる専門職である事務職員の職務を見直すことにより、管理職やほか教員との適切な業務の連携・分担の下、その専門性を生かして学校の事務を一定の責任をもって自己の担任事項として処理することとし、より主体的・積極的に校務運営に参画することを目指すものである」と説明しています。

ということで、我ら学校事務職員は、学校におけるマネジメント機能を十分に発揮できるようにするために、何ができるかを考えてきました。ここ数年間で大きな変化といえば、共同実施組織もしくは共同学校事務室の存在だと思います。しかし、それ自体が「より主体的・積極的に校務運営に参画する」ことができたかというと、イマイチという感じです。

学校事務職員が組織を作ることによって、もたらされたものは「事務の正確性と情報共有」に集約されると考えています。つまり、今まで1人で事務を行なってきた学校事務職員が組織を作り、共同でその事務処理を支え合う(点検し合う)ことができるようになりました。1人では気付きにくかった小さなミスや視点も、2人3人と増えることで気付きやすくなり、他の事務職員がどんな事務処理をしているのかを知る機会も増えました。時には、業務を担当制にして、とある仕事を一括して行うようにもなり、処理を複数人で行い、負担を分散することもしてきました。

しかし、当の「校務運営に参画」しているかと言われれば、う〜んという状態です。組織でやってることは、言うなれば、僕らが元々行なっている業務を僕らが分担して行なっている‘だけ’に過ぎないのです。事務同士の分担であって、「管理職やほか教員との適切な業務の連携・分担」ではないのです。もっと、自分の学校の校務に携わるような業務に力を入れていきたいのに、それがまだまだの状態なのです。

だからと言って、「事務の正確性と情報共有」が悪かったとは思っていません。事務仕事にミスは許されません。100%の仕事をして当たり前なんです。そういう意味では、共同処理は1人1人の正確性を上げ、知識と経験を育んでくれているのです。しかしながら、今の状態では「より主体的・積極的な校務運営に参画する」ことはとても大変です。ただでさえ、学校に基本1人しかいない学校事務職員が、組織が作られたことによって、自分の学校の業務だけでなく、他の学校のことにも目を向けなくてはならず、業務量が増え続けているからです。

ビルド、ビルド、ビルドなんです。負担が増え続けている以上、新しいことをやろうとは思っても、なかなか受け止めることができません。なので、次のステージは、「効率性の向上」だと僕は考えます。いかに業務を減らし、僕ら学校事務職員1人1人の負担を減らしていくか。そこには、僕らの意識とICTの活用が不可欠だと思っています。

そのためにまず、「どうしたら負担が軽減できるか」ということをみんなで考えることが大切です。ゆくゆくは、学校における事務を全て学校事務職員に集約させ、その事務処理全て自動化されていく方向にいくことを願っています。願うだけではダメですね。しっかり考えています。

したがって、「事務をつかさどる」ために、共同実施もしくは共同学校事務室という組織をもって、学校事務職員の負担を減らしていきながら、少しずつ校務運営に参画していくのが、今できることだと考えます。

そして最後に、僕の考える「事務をつかさどる、学校事務職員」を定義したいと思います。今までの「事務に従事する」から「事務をつかさどる」になるということは、「事務処理を淡々と行う」から「子どもに寄り添った学校事務を創造する」にシフトすることだと僕は定義します。まずは、自分たちの業務から見直し、そして子どもに寄り添った学校事務を組織で生み出し、自校で実行に移せる事務職員の育成を目指し、一歩ずつ進んでいきます。

以上となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
僕の意見に賛同された方、違う考え方がある方、どしどしと意見をください。
よろしくお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?