マガジンのカバー画像

よいしょ(自選詩)

18
運営しているクリエイター

#コーヒー

詩| 氷点下の耳たぶ

詩| 氷点下の耳たぶ

冷めていく、なにもかも。
サイフォンで淹れたコーヒーも、スクリーンに吸わせた興奮も、湿った髪で汗ばんだ腕も。
猫舌だからと言い訳をして、冷ました愛を啜った者には、触れられなかった耳たぶ。気まぐれに焦がれようとも、冷めていく、ただ冷めていく。
死んだら冷たくなるという。どうせ燃やすのに冷めていく。保ち続けた体温を、最期くらいは昂らせたっていいだろう?
一つ命が果てた時、一世一代の大爆発を。骨まで木っ

もっとみる