シェア
蛙太郎
2022年7月24日 09:08
バス通りを走る風は下り坂。凪いだ日陰には、幼気なナイショ話がしんと佇む。取り出せるはずと信じたガラス玉。少ないほどにきらめくビー玉。透かして見たら歪む水平線。焼けたうなじに潮の移り香。黄昏は最もゆったり流れる時間。行き交う気怠い猫らは、ご自慢の尻尾で太陽をピカピカに磨いた帰り道。17時のチャイムが鳴ったら帰る。夕日に背中を押されて帰る。また明日ねって泥んこの手を振る。陽炎に紛れたか