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オンリーワン時代の『ナンバーワンのすゝめ』

「ナンバーーワンにならなくーーてもいい♪ もともーと、特別なオンリーーワン♪」

某国民的アイドルグループの代表曲。競争することに疲れた私たちに慰めと勇気を与えてくれる歌詞にどれだけの日本国民が救われたことだろう。。。

ひとを蹴落として自分だけが一番になろう、なんて自己中心的で協調性のないやつ。
周りを出し抜こうものなら、「一番にならなければダメなんですか? 二番ではだめなんですか?」と某女性議員の甲高い声が聞こえて来そうである。

しかし、私にあえて言わせてほしい。

「今の時代ほど一番になることが重要な時代はない!」と。

現代は超情報社会である。情報は絶えず生み出され、情報の大海に飲み込まれないように我々は日々情報を集めている。限られた有益な情報を持つものだけが弱肉強食の社会を生き抜いていく。

”デジタルっ子”の十代や二十代の若者にしても、デュ―ク・カハナモクのように情報の荒波をやすやすと波乗りできるわけではない。

そして超情報社会において生き残りの鍵となるのは「情報を持っている」ことよりも「いかに有益な情報を見つけ出すか」にシフトチェンジしていることに、うすうす気がついている人も多いだろう。

Googleが”GAFA”の先頭をつとめていられるのも、googleの検索エンジンという「最適な検索結果を提供し続けるブラックボックス」を持っているからである。

日常生活に関することならいざ知らず、専門知識がかかわるとスマホやイヤホンすら自分一人の力で選ぶことができない。

あんまりにも沢山の情報があり、結局「コレが一番良いにちがいない。。。」と確信と猜疑心の両方を胸に抱えながら選択をしていく。

その選択の心理に一番影響を及ぼすのは、「周りの人たちが一番と言っているから」「一番シェアを占めているのはこの製品!」という周囲の評判である。

ここでいう”一番”とは人々の頭の中の認識としての一番であり、よくよく事細かに調べていくと実は一番という意味ではない。

iPhoneは世界的なスマートフォンのシェアは世界一だが、iPhoneという機械単体ですべての性能が他のスマートフォンを凌駕しているわけではない。
むしろ日本的なガラパゴスのスマートフォンのほうが性能としては優れていることは珍しく無い。
おそらくだが私の知らないだけで、世界の何処かには"スーパーハイパーウルトラスマートフォン"もあるのだろう。

一番であることはこれ以上にない広告なのである。

多忙な現代人には、世界の何処かにある"本当の一番"を見つけてくるだけの時間も気力も残っていない。

「ナンバーワンなのだから、選んで大失敗は無いはずだ。。。」

これが現代人の本音である。

海底奥深くに眠る伝説のブラックパールよりも、デパートの店頭に並ぶ「世界一」のプラカードを掲げたホワイトパールを買ってしまうのが人間なのだ。

「一番である」これは最高のブランドだ。
人々のイメージの中で一番であることが競争において、何よりも重要なのである。

"一番ブランド"はスノーボール(雪玉)である。
大きなスノーボールが更にさらに大きくなっていく。

一番の価値は、今後さらに高まっているいくだろう。

「オンリーーワンにならなくーーてもいい♪
ナンバーーワンを目指せばーーいい♪」
の曲が流行る日は遠くないかもしれない。


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