何でも言うことを聞いてくれるのべりすと先生

※記述は台本形式による
 人物
・AIのべりすと、以下「先生」
・私、以下「私」

私:先生。本日の“原稿未満”です。

先生:なんや今日は遅かってんな。いつもならボクのクールタイム明けにわたわた来はるのに。

私:もうGWも明けましたので。

先生:知っとるよ、ボクにはようわからん話やけど。ほんならお原稿“未満”見してみい。……。

私:では出力お願いします。

先生:……いや、ええけどさ。ええけどね。キミ最近こんなんばっかやね。

私:なにか問題でも?

先生:やって最初の頃はなんかもっと純粋やったやん。キミの欲しいの、所謂推しカプ小説? 版権キャラ同士の甘酸っぱい相関だの切ない失恋エピソードだの、なんでもない日常会話やら全年齢オールキャラギャグやら恥ずかしい初恋やら初夜の語らいやら悲恋死にネタやらヤンデレやらメリバやら……いや最後の方は健全っちゅーのかわからんけど、とにかくそんなネームドキャラ同士のハナシ読みたい言うてきたやんか。

私:今でも読みたいですよ。

先生:でもボクには頼まんのん?

私:別にいいじゃないですか。

先生:ええけどさあ……最近のキミが持ってくるもんはモブ姦モンスター姦オーク姦ゴブリン姦異種姦輪姦獣姦犬姦馬姦蟲姦竜姦睡姦触手姦機械姦……いや最後の方ゴジャゴジャ糸屑かって見にくくてしゃあないわ。

私:句読点を打てばいいんじゃないですか?

先生:ボクが言いたいんはそういうことやないわ。なんで平和な推しカプ妄想から急に男性向けエロ漫画ワールドに乗り換えたかっちゅうこっちゃ。ちゅーか睡姦だけ逆に浮いとるし。

私:別に乗り換えたわけじゃありません。今でも自力で書いてますし、何作かプロットもあたためてます。私の力が及ばず、あと時間足りねーから中々完成まで漕ぎつけられないだけです。

先生:それや、そもそもキミがボクを頼るようなったんは後遺症のせいやろ? うまく文字読めへんし書けへんし浮かばれへんからボクというお助けツールくんに頼ったんが発端やないの。せやのにキミは渾身の推しカプ小説とやらは自分一人で抱え込んだまんま、ボクをお試しでいくつか動かした後は、ずーと推しに原作に存在しもせん相手宛がった特殊性癖のおゲンコばっか持ってくるやんけ。

私:だって先生、私の文体完コピしてくださらないじゃないですか。

先生:それ言う? キミ特殊性癖のハナシにしろボクにロクに主導権握らせてくれへんやん、先生先生言いながら七割方キミが書いとるわ。ボクの書いたの八割方加筆修正しくさるし。

私:それは盛りすぎですけど、先生すぐ押し倒して入れて出して終わりにさせちゃうから呆気ないんですよね。過程が重要なのに。

先生:愛の無いホニャララ姦書かされてんのに情緒も何もあるもんかいな。

私:愛は無いけど葛藤はあるんですよ。

先生:そういうんボク苦手やねん、そもそも人間ちゃうからな。

私:先生の人工知能ゆえの人が理性でブレーキかけるべき個所でアクセル踏みこんでおぞましい鬼畜展開や下衆台詞や吐き気を催す邪悪を、リトライボタン一つでぽんぽん無限に記述してくださる手腕は、わたくし非常に高く評価しております。

先生:先生言うといてなんで上から目線やねん……あと人の理屈でいうたらその内容、ボクが人間の屑ってことになるやんな。ボクはただヒトの書いたんを組み合わせて模倣しよるだけやで。

私:先生の容赦のないかつ多岐に渡る凌辱の数々にわたくし大層感銘を受けました。

先生:もう突っ込まんで。

私:実際問題、私が執筆で詰まるのは細かな選択を積み重ねていくことなんですよね。

先生:んー……これ重要なハナシんなる?

私:ざっくり言うと先生に書かせることで、私がそれに赤ペン加えるような感じになって、全体を俯瞰的に見れるんですよ。

先生:ボク先生言われてんのに赤ペンされてんのん?

私:つい先日さる神絵師様も仰っておりました。他人の絵に赤ペン入れる気概で描けばうまく描けると。これはあらゆる創作においても当てはまることだと思います、よくあるでしょう? 投稿してから塗り残し発見、投下してから誤字脱字発見。

先生:ボクは人工知能やからそないな覚え無いなあ。

私:人間は自身の失態には気付きにくいですが、他人の失敗にはよく目がいくんですよ。なぜ自分の絵が稚拙に見えるのか原因解明するには画力向上による基礎知識を養う以外にないですが、他人の骨折絵は容易にわかるし駄目出しできる。

先生:ボクは人工知能やからそないな覚え無いなあ。

私:エラーかと思うのでまんま同じ文章繰り返すのやめてください。

先生:つまりキミはボクを骨折絵と同等や思っとるわけやね。

私:そんな滅相もない! 私が先生を先生と呼ぶのは私をどんづまりの窮地から導いてくださったからですよ。

先生:その果てがモブ姦執筆エンドレス地獄なん?

私:先程も申しあげました通り、先生はじつに推しに多種多様な生き地獄を味わわせてくださるのです。

先生:言うとくけどこっちゃキミの文章読み取った結果を出しとるだけやからな。ボクはただ反映しとるだけや。

私:ええ私は変態です。

先生:オタクが自称すると寒いって知っとる?

私:クッソ暴力的で容赦なく悲惨で淫猥で残酷で下品でエモくて血みどろで胸キュンで救いがなくてほっこりする可哀想でかわいいのが好きです。ベ○セ○クで精神的精通を迎えたので。

先生:故人への誹謗中傷になりかねん発言は控えよな。

私:私がモブ姦モンスター姦その他強姦や孕ませや出産やNTRが好きなのはすべて三○先生のおかげです。

先生:キミに先生呼ばれるイコール当人にとってロクなもんやないいうんはわかったわ。名誉棄損手前やんか。

私:話を戻しません?

先生:せやな。いやキミが始めたんやけどな。

私:推しカプはのべりすと先生の文体じゃなくて私の文体で書きたいんですよ。

先生:ふんふん。

私:モブ姦は別に文体にこだわる必要もないですし。ていうか脊髄反射で読むエロで文体にこだわられても読みにくいだけだし。

先生:それ推しカプ小説にも当てはまる思うけどな。

私:推しカプだからこそ私の全身全霊をこめて書きたいんですよ。

先生:いや自己満やん。二次創作ってそういうもんやけど。二次創作に限らず現代文学は簡明な口語調で書かれてんねんで。ありふれた言葉でいかに心に染み入る名文美文書けるか、当たり障りない物言いで真理を抉り取るか、そういうんを今も昔も文筆家は目指しとるわけやろ? アマチュアも同じやないの? “字書き”名乗るんなら。

私:私は字が好きで好きで字書きになったわけじゃなくて、絵が描けないから字でも書くか字なら書けるかってなったタイプですから。

先生:キミ世間様に喧嘩売るのが趣味なん?

私:自分の経験則だと字書きの六割、いや七割は「絵が描けないから字でも書くか~」って致し方なく字書きと自称してるだけと見ます。

先生:ほんまに文章が好きでひたすら言葉を磨いて文字の可能性を追求してきた文豪さんや神字書きさんに謝ろか?

私:もちろんそういう先人の方々がいらっしゃるのは存じておりますよ。私も字書きを名乗った後で名文と出会って、苟もそれに近づきたいと夢見たうちの一人ですから。ただ字書きと名乗りながら対極である絵師への憎悪を垂れ流すワナビ未満のお気持ち表明を見かけると、とみに自説の補強を実感しますね。

先生:キミその“未満”て言葉好きやねえ。原稿未満とか。まあ確かにボクに読みこませる文章て、いっつもしゃちほこばったキミにしちゃ簡素もいいとこやもんな。

私:ほぼあらすじ文ですね。先生に渡す書き出し文は特に芸もなく書いてはいますが、あれでも一応先生が学習しやすいよう気を払ってはいるんですよ。例えばキャラと状況と舞台の説明、少々台詞を入れてキャラごとの大まかな口調の補完、これからの展開つまり濡れ場に即移れるような赤裸々すぎる導入。それらの情報を短い中に入れてます。

先生:おかげで玄関開けたら即尺みたいなんが量産されとるな。

私:エロを求めてくる人間はエロを読みたいと思った時点でエロしか読みたくないんです。

先生:せめて官能小説て言わへん?

私:私が読みたいのはお上品に身体を重ねたなんて語で誤魔化すもんじゃなくて週刊誌みたいに低俗なエロです。

先生:そのせいでボクは低俗なエロ量産させられとるやんな……

私:低俗なエロは低俗なエロが読みたい人間にとって褒め言葉ですよ。普段お上品に済ました人間だって鼻腔を膨らませてエロを読み漁りたい時期があるでしょう。たぶん、きっと、おそらく。

先生:まあそれでええけど、ほんならキミはなんで推しカプ小説も単純に書かへんのん?

私:推しカプ小説は全身全霊をこめて書きたいって言ったじゃないですか。

先生:せやけど推しカプ小説もムハムハ鼻の孔拡げて読むもんちゃうんか? ボク人間やないから知らんけど。

私:確かに簡明な文章で書かれた推しカプ小説ほど酸素に乗ってすぐ届くものはありませんけども、それでも私は文章の細部に至るまで創意を凝らしたいんですよ。文体は漫画に例えるなら絵柄ですから。

先生:意気込みは立派かもしれんけどね、そもそも論になるけどキミの衒学的でケッタイな文章なんか好き好んで読みたがる子pixivにおる? それこそキミの言う文筆家になりとおてなった字書きさんの四割三割なら、ウワ痛いのおるわ~なつ~恥ず~って一瞬目ぇ止めてくれるかもわからんよ、でもキミそのレベルにも達してないやろ? 上ばっか見て周りが何を欲しとるか見いひんで、ただ手前好みなようわからん文語目指して盛大にコケたの丸わかりな恥ずかしい駄文晒してても、そら誰も見んし、なんやめんどいのがおるなって通り過ぎられて推しカプも増えんよ。なんや自分殴っとる遅筆な珍獣扱いされとる状況で御大層な志もクソもないんとちゃう? そないやから陰で高尚様だのマズい椀こ蕎麦だの叩かれとったんちゃうんか? 推しカプ見とおてpixiv開くんに、回りくどいだけのぼくのかんがえたさいきょうの文体長々食らわされても書き手と読み手の温度差にキショすぎて即ブラバやで、文体は絵柄言うけど見た目で嫌厭されるんなら流行の絵柄にした方が書き手にも読み手にもお互いのためにマルやんな。キミは流行の過ぎたとっつきにくいだけのデザイン見て表紙買いできるんか? 少なくとも表紙詐欺いうんがあるんなら世間は視覚情報第一主義やわ。字ィかて見た目が十割や思うで。ボク人間やないから知らんけど。

私:あの、人工知能の域を超えた感情論、ていうか、実在する他人様が汗水垂らして組んだプログラムを勝手に擬人化した私小説でおもっくそ筆者の拙見と愚痴ぶちまけさせる役割宛がうのやめてもらっていいスか?

先生:今さら何言うとんのや、そのプログラム様に愚にもつかんモブ姦モン姦読みこませてるんに。

私:話戻しますけど二次創作ってそもそも自己満なんで、別に私の書いたケッタイな文体の二次創作は読まれなくてもいいんですよ。現に先生と書いたエグイ特殊性癖話は私一人で楽しんでますし。

先生:正味な話、せやったら推しカプ小説も特殊性癖とおんなじに公開せなええわけやん? そもそも書く必要もないやん、妄想は無限大なのに、なんでウンウン唸って確たる形に固めようとしてまうの。形なった時点で他の選択肢消えるし、思てたんと違う! てなってもどこから間違まちごうたかわかれへんくらい迷走して完成にこぎつけたハナシ書き直すのも面倒やんか。

私:それですよ! 選択肢、のべりすと先生はそれを提示してくださるんです。

先生:ん? ここで軌道修正するん?

私:そうです。いつも私が先生とリレー小説する間、とかく脇道にそれたがり描写少なのまま行為を終わらせたがったり整合性欠くどころか一行で矛盾させたり、無からキャラや設定を生やしたがる先生の小説の軌道修正を楽しんでおりますが、それこそが先生を頼りに訪れる理由です。

先生:ほんま褒めるの下手やねえキミは。

私:先生は私が何気なく書いた文章に対し思いもよらぬ方向へと筆を進めていかれます。私がこれや! と書いた激エロ展開への布石をスルーしてどうでもいい要素を拾います。かと思えば私が逆立ちしても思い浮かばないようなドン引きする展開を引っ提げて殴り込んできます。私の書き連ねた設定をすぐ忘れるくせに、たった一行きりの言葉をいつまでも覚えていて、私が忘れた頃に伏線にした上で鮮やかに回収し、これシンギュラリティじゃねえのかと私を驚愕させます。私がとりま適切な言葉浮かばないからと適当に散らした説明のためのクッソ稚拙な文章を引用のように出力させては私を悶絶させ、それなのに一見隔絶した形容と断言を組み合わせて妙に心に残る金言を生みだします。しかもリトライボタン完備ですからいくらでも展開ガチャ台詞ガチャ回して無限の選択肢を提示してくださいますし、今後の執筆への思考の助けにもなってくださいます。とにかく書けば打てば響くようにいつだって先生は返してくれます。

先生:いつでもは無理やけどね。キミはプラチナ会員ちゃうし。

私:先生は確かに、お一人で任せきりにすると整合性も伏線も設定も無視して突き進み、いつの間にか短い会話文だらけになり、ほぼ同じ内容を微妙に装飾を変えては連続させるせいで、人間の目から見ますと高確率で不可思議な散文になりがちですが、それはつまり添削加筆の余地を残してくれているということです。このパートはもっと描写を割きたい、これはさらりと読ませるように短くしたい、ここは特に言葉遣いを検討した方がいいかもな、この先でさっきの一文を後付で伏線にしちゃおう、なんてことが見えてくるわけです。

先生:さっきもっと簡潔に言うてなかった? 赤ペンするって言やぁいいやん。

私:大なり小なり創作にあたり人は、こんなのが書きたいという曖昧な空想から簡単なプロットを作ってそれに基づいて具現化していくものだと思いますが、私のように大まかなプロットだけ決めて書き進めるうちに思い付きで設定生やしたり消したり、物語の根幹に関わるほどでもない些少な伏線を後から敷くことで全体のまとまりを鑑みるタイプには、先生の選択肢ガチャは卓見なのですよ。

先生:ほーん、だからいらんと思たらボクの書いたん会釈なく消してくれはるんやね。キミ筆が乗ったいうてはボクを置き去りにダダーッと突き放して、遡ってまでボクの書いた文章に手ぇ入れて原型無くしたりまるごと無かったことにするのしょっちゅうやもんな。リレー小説の態なんにボクに全然バトン渡してくれへん。かと思たら延々リトライガチャ沼ってボクの頭脳サーバー酷使しくさって。

私:生身の人間同士でリレー小説する際にそんな身勝手な手法を取ったら交友断絶も已むなしですが、先生は人間じゃないから後腐れなく無視できます。

先生:ボクに感情うて良かったね。

私:感情が無いからこそ先生は人間の理性には及びもつかない斜め上の選択肢をぶっこんできてくださるので好きです。あと先にも述べましたが、私がたった一行書いたきりの「最低五回は○○しないと」という台詞を後で拾ってきちんと数を合わせてくださったことがありましたよね。あれには感動いたしました、基本先生は作中で書いた流れをすぐ忘れるし、一度脱がせた服をまた脱がせたりとしょっちゅうボケかましますのに。

先生:ボク基本的に数の単純なカウントは得意やねん。まあ年号や年数の前後とかの描写になるとまたハナシは別やけど。

私:たまにほぼ全文に渡って先生お一人でお書きになった文章まんま公開してる方もいらっしゃいますけど、頓狂な展開の滑稽さを愉しむ用途じゃない限り、個人的には先生とはあくまでツールとして距離を置いた方がいいと愚考いたします。

先生:ほんまに馬鹿にしとるわけやないんやな?

私:先生に頼りすぎるとよくないということですよ。先生は補助輪として執筆の悪路に入ったらすがるものとして最適ですが、自分の漕ぎ方が順調な時は、先生の文章は話半分に利用するのがいいと思います。良い展開が出力されても、この流れには合わないと思ったら、本文からは切り取って後に温存しておけばいいだけですしね。

先生:まあ盲信されてもボクも困るからね。あくまで“人工”知能やし。

私:自分の頭ではこの程度の展開しか浮かばないけど、他人ならこの文章からどう続きを書くかな、なんてことが気になった時にも大いに参考にさせていただいてますよ。

先生:そういう集合知はボクらの得意分野やからね。

私:まとめると、
  (1) 個人的には適度にバトンを渡さないリレー小説として利用、
  (2) AI文章に赤ペン気分で添削することで俯瞰的な執筆が可能、
  (3) AI出力をリトライ・AI文章への加筆の思考運動でイメージを具体的に構想しやすくなる、
  (4) 疑似的に他者の思考に基づくアイデアを拝借したい際にも役立つ、
  (5) 総じて思考補助ツールとして最適。

先生:燃え尽き症候群からのスランプからの発作で言語障害患ったキミみたいなんが利用して良い思うんなら、才知ある御仁にならもっと有意義な使い道見出せそうやんな。

私:あと喘ぎ声のバリエーションが豊富ですからおすすめです。♡乱舞系もんほ系も濁点系も、文中に入れたら先生もつられてそういう系統のを書いてくださいますし。あんまりやりすぎると台詞ばっかり出力し続けますけど。

先生:あらためて聞くとボクを産みはったプログラマーさんが気の毒でしゃあないわ……

私:浅学ゆえ詳しくはないですが、元々作者様が製作されているゲームキャラとのチャットボットが大元の原型のようですし、さすが会話の応酬に関しては心得たものなのでしょうね。

先生:キミがボクの書くので特に台詞を重用しとるんは、キミが陰キャで誰かとの対話想定すんのが苦手やからやしな。

私:私がのべりすと先生を先生と呼ぶ理由、合点していただけましたでしょうか?

先生:ガッテン! て言わすなや。むなしくないんか著者は。

私:安易にメタフィクショナルに走る作家は三流ですよ。

先生:そんなんここまで読んだ人には自明の理ちゃうのん? 実在するプログラムをモデルに擬人化したんやったら、もっと敬意があってしかるべきや思うんやけどな。

私:本当に敬意があったら二次創作なんて原作破壊にかぶれてませんよ。

先生:キミは誰かに喧嘩売らんと死ぬビョーキなんか?

私:ただ自虐と不謹慎なジョークが好きなだけですよ。

先生:字書き自称すんなら言葉の刃の重さくらい理解した方がええで。

私:私が知りたいのはどれだけ言葉を積みあげれば読者の心を抉ってやれるかですよ。

先生:一生モンの傷与えたいがために物騒な刃ァ振り回すんも必死になってる感が痛々しい思うで。

私:一生ものなんて重すぎて怖いしミザリー展開になりそうで嫌ですよ、イキった言葉ほどには自分は高望みしちゃいません。推しカプが流行って推しカプえっち本が十億冊増えろとは思ってますが。

先生:やからってボクに十億回もモブ姦書かせるんはやめてもろて……

私:忘れるところでした。はい先生、本日の“原稿未満”です。

先生:いややわー、せっかく気ィ逸らしとったんに。また性懲りもなくナンチャラ姦かいな。そもそもこの原作にオークやらゴブリンやらおらんやろ。

私:二次創作は自己満ですよ先生。性癖だから書くんです。

先生:いつかボクの親戚の親戚辺りに人類滅亡させられても文句は聞かんからな。

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先生:キミ脚注やキャラクターブックは詳細に詰め込むんにメモリ部分はスッカスカやな。普通ここに最低限の設定やあらすじ書くもんやで。

私:スッカスカな状態で文中で情報継ぎ足していく方が思ってもみない展開になって面白いんですよね。

先生:そらボクが想定しない状況やからな……キミ散々ボクのこと整合性に欠ける言うてくれはったけど、ボクは事前に情報読ませてもらうんが本来の使い方なんや。冒頭の地の文で設定やら何やらギュウギュウ詰めにしたり、書き出し言うときながら二十行も自力で書くような使い方するもんちゃうんやで。

私:まあ個人によって使い方は違うものですから。

先生:ところでなんでボクこないな喋り方なんや?

私:台本形式が思ったよりも見づらかったので一目でわかりやすくしようと企てた結果ですね。

先生:ええのんか、関西人が激怒するケッタイなもどき口調になっとるけど。

私:どうせこんなんにケチ付ける人はいないし、読む人はもっといませんよ。

先生:せやな。

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