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古家ペンなら読んでほしい『K-POPバックステージパス』

 ラジオやテレビ出演、そしてショーケースやファンミーティングのMCとして大活躍されている古家正亨さん。K-POPアイドルや韓国ドラマが好きな方なら一度はそのお名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 そんな古家さんが12月7日に初のエッセイ『K-POPバックステージパス』を発売されました。私は11月末に九段下で開催された「K-BOOKフェスティバル in Japan」にて先行販売されていた際に購入しました。ちょっとずつ進めようと思い読み始めたところ、すっかり止められなくなり、その日のうちに読了してしまいました。

 この本はエッセイであり、まるで古家さんの語りを耳で聞いているかの様な、非常に読みやすい喋り口調で綴られています。留学先でのK-POPとの出会いから始まり、北海道で夢だったラジオDJを目指して奮闘する姿、その後東京・大阪でのチャレンジなど、古家さん自身が日本での韓流ブームと共に駆け抜けた20年間が書かれています。

 古家さんの人生を辿る内容ではありながら、要所要所には並行して当時の日本・韓国の状況も描かれ、日本における韓流ブームを知るための歴史書の様な役割も担っています。読んでいけば「どうしてK-POPアイドルは日本語で楽曲をリリースするのだろう?」「なぜ韓流は(はんりゅう)と読むのだろう?」といったちょっとした疑問も解決するかもしれません。

 そして最後にはMCの仕事をするにあたっての心構えが書かれており、MCの仕事をしてみたい!と考えている方にはもちろん、MCを目指していない方にとっても日常生活において非常に参考になることばかり書かれています。韓国語を上手に話せる人や韓国に関する知識が豊富な人が日本中にたくさんいる中で、古家さんがスターやアイドルにも、そして彼らのファンにも愛されるMCとして様々な現場に引っ張りだこな理由がよく分かります。

 つまりこの本は「エッセイ」として古家さんのことをより知ることができるのと同時に、日本における韓流ブームを学ぶための「歴史書」、そしてMCとしての心構えを学ぶための「実用書」など、まるで古家さんの様に多くの側面を持つ1冊です。

 この本を読み終わって一番に感じたのは、K-POP・韓流に限らず、「好き」という気持ちがあれば人間はこれほどまでにアクティブに人生を歩むことができるのだなということです。時には失敗もしながら、K-POP・韓流の魅力を日本人に知ってもらう為に何ができるか真剣に考え、出会ったスターやアイドル・彼らのファン・スタッフとの縁を大切にしながら、行動に移し続ける古家さんの「チャレンジ精神」と好きなものへの「愛」がひしひしと文章から伝わってきました。読みながら何度も「私だったら古家さんと同じくらい好きなものの為に行動を起こせるだろうか?」と考えてしまいましたが、改めて一度きりの人生「好き」なものについてもっと追求していきたい!と気持ちを新たにするきっかけになりました。

 思い返せば今年は日本でも大人気だったBIGBANG少女時代KARAがカムバックし、MAMAに紫雨林が登場しましたね。そんな2022年に古家さんのエッセイが読めるということも非常に感慨深いことです。きっとこれからも色褪せることがなく、いつの時代に読んでも面白く学びの多い書籍だと思いますが、可能なら少しでも早いうちに読んでほしいなと思いました。

 古家ペン(古家さんのファン)はもちろんK-POPや韓流について興味のある方にもぜひチェックしていただきたい1冊です!最後まで読んでくださりありがとうございました!



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