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人は恋をする、何があっても #24

メールを打った。

「高木さん、来週の火曜日、予定どうかな?メキシコ料理食べたいんだけどいいですか」

返事はすぐ来た。

「いいですよー。場所はお任せです。火曜日7時に。どこで待ち合せますか」

返事はすぐ出した。

「新橋SL前でよろしくです」

返事が来た。

「おぢさんなディープな世界、期待してます」

キレイな町ではないからね、新橋は。神谷町か六本木、あるいは銀座だろうねえ。しかし、行きつけのバーがあるから新橋にするしかない。

店は「ドンブランコ」である。雑居ビルの3階というディープ新橋だ。ここの料理はおいしい。タコスは普通なんだが、チポトレ煮込みとシーザーサラダがうまいのだ(シーザーサラダはメキシコ料理)

時間丁度にあの女性(ひと)はやってきた。

「今日も仕事はぶっちだったの?」

「今日は客先から直帰です。辛い物好きなので楽しみです」

「メキシコ料理は塩が強いよ。ハラペーニョとかもいいけどね」

ドンブラコではちょっと腰が引けていたが食べ物とビールが来ればそれはハッピー。楽しい時間と会話が待っていた。会社でのことや田舎の話が出た。だんだん、個人の背景もわかってきた。変わった人であるがヘンな人ではない。思い込んだら命がけでもないようだ。

さて、マスターのところへ河岸を変えるか。

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