願いよかなへいつの日か そうなるように生きていけ ③
朝から降り続いていた雨はようやく上がっていた。
まだ道は湿っていて、通りを走る車の音にタイヤが水を弾くサーッとした音が混じっていた。
街全体が湿気に包まれたそんな夜だった。
「コーヒーを頂いてたよ。でもこのインスタントの銘柄は美味しくないね。君も飲むかい?ああ、さっき帰り道でコーヒー飲んだんだっけ」
<神様>と名乗ったその男は自分の部屋の様に俺をもてなし、どこに何があるか把握している動きでコーヒーを淹れていた。
神がいかに全能であろうと俺の家の台所に置いてある物の配置まで把