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池袋ウエストゲートパーク




TVドラマ『池袋ウエストゲートパーク』が放送されていた頃、僕は池袋の西口公園をよく待ち合わせに使っていた。



当時、池袋寄りの埼玉に友達と住んでいたので、何か買い物などあれば池袋へ行っていた。




某番組で、池袋にいるのはだいたい埼玉県民だと言っていたが、僕もそうだったので、きっと間違っていないのだろう。




なぜ、待ち合わせが西口公園なのかと言えば、東口はサンシャインがあるから賑わっていて面倒だし、駅も人が多くて煩わしいので、西口公園が一番いい。




まあ、家の無い方々がよく居るので、女性との待ち合わせには適さないのだが・・・




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あの辺りで働いていた事がある。




その当時は19歳だった。




ちょっと前に書いた、ちょっと勧誘の仕方がいかがわしい英会話の教室の営業の仕事だ。




そこのオフィスはAとBの2グループに別れていた。(部屋は隣同士)




隣のグループとはあまり接点が無かったのだけれど、隣の部屋で働いているので、時々通路ですれ違ったり、エレベーターで鉢合わせたりしたら、男女問わず、挨拶したり話しかけたりしていた。




そんな時間を過ごしていくうちに、隣のグループに気になる人が出来た。




4、5歳上の個性的でオシャレな人だった。




エレベーターなどで会う度に話しかけて、仲良くなっていった。




好きな音楽を録ったMDを交換したりなんかして。




ある日、冗談まじりに「家に遊びに行っていいですか?」なんて聞いてみたら、なんとOKがもらえた。




『これは付き合えるって事なのかな?』と当時、純粋過ぎた僕はそう思って遊びに行った。




その日は手料理までご馳走になって夜を迎え、告白してみるが答えは『NO』。




それを三日三晩繰り返し、何もせずに帰宅。




三日泊めてもらったのに、純粋過ぎた僕は何もせずに帰ってきた。




今だったら、『お金も無い、学生でも無い、将来の希望も無い男と、付き合う気は無いけどそういう事だけはアリ』ていう事もあるのはわかるんだけど、当時はどういう事かよくわかっていなかった。




『何しに来たんだアイツは。』と思われていたんだろうな。




ちょっとした黒歴史だ。




でもまあ、その三日があったおかげで、スッパリ諦められたからいいか。




その次の日に、この曲を大熱唱して忘れました。





Mr.children - いつの日にか二人で




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あれから20年ほど経ち、何も持っていなかった僕も、人並みに仕事もお金も希望も持って生きている。




今なら振り向かせられるかもしれない。




まあ、連絡先なんか知らないんだけど。




あの、家の無い人がたむろしていて、タバコのゴミだらけで汚かった西口公園もリニューアルしたらしい。




新しくなった僕で、新しくなった公園を歩いてみたいと思う。




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