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「箱」と外向き思考(その15) 外向き・内向き

よりよい人間関係を築くとともに、組織やチームの成果を高めることができる考え方である「『箱』と外向き思考」について書いています。

今回は、このシリーズのタイトルにも入っている「外向き」ということと、その反対の「内向き」ということについて解説します。

「外向き」というのは、マインドセットのあり方のことです。
一般的にマインドセットは「これまでの経験や教育を通じて築き上げた価値観・信念、心理状態などを包括したもの」を意味することが多いのですが、アービンジャーの定義する「マインドセット」とは、相手との繋がりや責任をどのように認識し感じるかという「在り方」、「心の持ち方」のことを表します。

「相手との繋がりや責任」というところがポイントです。

私たちは、生活の上でも仕事の上でも、常に周りの人と関係し影響しあっています。

「外向き思考」は以下のような特徴があります。
■ 周りの人のことを考えている
■ 周りの人の成果や組織全体の成果に目が向いている
■ 他者を「人」として見ている
■ うまく行かないことの原因を自分に求め、自分の行動や努力を修正しようとする

一方、「内向き思考」は以下のような特徴があります。
■ 自分のことだけに集中している
■ 目標や成果は自分中心
■ 他者を「物」として見ている
■ うまく行かないことは他人のせいにし、自分を正当化している

「箱」との関係性で言うと、
外向き=箱の外にいる状態
内向き=箱の中にいる状態
ということになります。

内向き思考でも目標を達成して成果を上げることはできるので、一見、問題がないように見えることもあります。しかし、自分の目標は達成できても、他の人の目標達成を阻害していたり、他の人を「物」として扱って悪い影響を与えているので、決してよい状態ではありません。
内向き思考の人が多くなると、組織内に誹謗中傷、人間関係のいざこざ、部門間の対立、協力関係の欠如などが生じて、組織全体の生産性が低くなり、お客さまへのサービス品質も低下してしまいます。

ちょっと想像してみてください。
たとえば飲食店で食事をするとき、外向き思考の店員さんばかりの店と、内向き思考の店員さんばかりの店とでは、どちらに行きたいと思いますか?
たとえば自分の息子や娘が就職するとき、外向き思考の社員が多い会社と、内向き思考の社員が多い会社とでは、どちらを薦めたいと思いますか?
たとえばこれから新たな取引を始めるとき、外向き思考の社員が多い会社と、内向き思考の社員が多い会社とでは、どちらと取引をしたいと思いますか?

では、みなさんが属している組織やチームのことについて考えてみてください。
内向きの人ばかりを0点、外向きの人ばかりを10点としたら、みなさんの組織・チームは何点でしょうか?

何点であったとしても、このスコアを少しでも高めることが必要です。なぜなら、そのことが業績の向上や働く人たちの働きがいの向上につながるからです。

アービンジャーでは、組織改革のはじめの段階でマインドセットの改革に取り組むことを推奨しています。

いかがでしたでしょうか?
次回は、「組織改革とマインドセット」について書いてみたいと思います。
どうぞお楽しみに!

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/


「『箱』と外向き思考」は、アメリカの Arbinger Institute という機関が生み出した考え方で、今では世界中の国で、自己啓発や組織開発に用いられています。日本では、福岡に本社を構えているアービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社が日本の総代理店としてセミナーやコンサルティングを提供しています。
弊社は、アービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社の代理店として、その普及に努めています。「箱」や「外向き思考」についてもっと深く知りたいという方は、無料説明会や有料セミナーに是非ご参加ください!
https://www.fl-a.co.jp/seminar/

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