我が家の味-2

我が家の味は出前で取る

この記事は、2025年における具体的な生活像を描写した「未来生活図鑑」の記事です。本記事の概要については以下よりご覧ください。
デザイン思考で考える2025年の近未来生活
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働き盛りの20代・30代の社会人は、残業や出張で疲れ果てて家路につく日もあるだろう。特に子供がいない共働き世帯や単身世帯の場合、夕食はコンビニ弁当・外食・冷凍食品等で簡単に済ませる人もいるはずだ。
しかし、そんな生活が続くとある日ふと、実家のご飯を食べたいな…と思う瞬間はないだろうか。
そんな思いに対して、少し先の未来では、「美味しいものを注文し食べる」から「我が家の味を注文し食べる」という形で、実家に帰れなくても母親や祖母の作った味付けと同じ夕食が食べられるようになるかもしれない。
それを実現したのは、「物事をシェアする」「代行サービスを利用する」という流れに加え「個々人に合った多様なサービスを選択できる」という社会が主流になりつつあるからだ。
食事をする目的のひとつは栄養摂取だが、毎日の食事が楽しみになることにより、日常の小さな幸せが増えるかもしれない。

手間暇かけずに実家の夕食が食べたい
共働き世帯や単身世帯の増加に伴い、加工食品や外食の利用が増え、日本人の食生活を取り巻く環境は大きく変化している。
特に増えてきたのが、「中食」である。中食とは、コンビニ・スーパーなどで購入できる総菜や出来合いの弁当を総称する。一人暮らしの男性の利用率が最も高いと言われているが、労働時間が長い人ほど利用しているという傾向もある。人が作ったものを食卓に出す、という後ろめたさが以前に比べ無くなりつつあるのかもしれない。
「会社から帰ってきて、夕飯を準備するのは面倒、片付けるのはもっと面倒だ」という想いの他にも、「世帯人数が少ないと、野菜を買っても消費量より食材が多いため腐ってしまうからもったいない」と感じ、購入を控える又は、作るメニューが偏ってしまう人たちにとって、中食は非常に助かるツールとなっている。しかし、利用する近所のコンビニやスーパーはある程度限られるため、当初は新しいと感じていた味付けやメニューも回数を重ねるごとに、似たような内容に飽きてくる人もいるのではないだろうか。
またある調査では、食生活に満足している人は約8割に上り、なかでも野菜を含むバランスの良い食事を毎日とっている人や加工食品を食べない人、一人で食事をする“孤食”の頻度が低い人で満足度が高いと言われている。

近所の主婦が我が家の味を作ってくれる
いつも使うUberEatsで、今日は近所の主婦を選んで夕飯を頼み届けてもらう。仕事が忙しく疲れた日は、実家で食べた味を再現してもらうことにしている。子育てが終わった主婦が作り手となり、共働き世帯や単身世帯の食卓を支える。主婦にとっては、毎日の食事を作る傍ら思わぬお小遣いが入るようなものだ。家事代行ではなく、顔見知りの近所のお母さんに作ってもらうことによって食べる側の安心感にもつながる。
「手間や時間をかけずに、実家で出てくる慣れ親しんだ夕飯を食べたい。」こんなニーズにも応えられる時代がくるのではないだろうか。


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