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デザイン思考で考える2025年の近未来生活

いまは世の中はべき論で溢れています。
「やりたい事を仕事にしろ」「ブランド人になれ」「いつまで消耗しているの?」と、その道で成功した人たちによるアドバイスに煽られ、逆に疲弊してしまっている人もいるのではないでしょうか。
一方で、2025年には、日本人の1/4が高齢者となり、国力の低下も懸念されてる昨今、私たちの世代がどう考え、行動するかが、日本の未来を大きく左右すると考えます。 

2025年の未来生活図鑑

そのような状況から、私たち未来生活デザイン研究会は、自らの未来について、私たち一人ひとりが思い描き、行動する為の考え方をデザイン思考を用いて体系化できないかと考え発足しました。
生活者と社会環境の関係性をデザイン的観点からフレームワーク化し、2025年と言う近未来において、様々な生活者のインサイトに着目した「未来生活図鑑」という形で紹介します。

未来は、もっと自由に選択できる様になる。

これが私たちが本シリーズで言いたい事の1つです。重要な事は、自分の想いや欲求を明確にし、それに基づいて生きる事だと考えます。べき論に振り回されて本質を見失わず、一人ひとりにとって、自由に選択する生き方とは何かを今一度、描きたいと思います。

「社会環境」と「生活者目線」

一般的には、マクロ環境等から課題を洗い出し、戦略が導かれます。それに対してソリューションが考えられ、個々の生活者の基に届けられますが、あまり機能しない場合が多く見受けられます。それは生活者の欲求や価値観を無視して考えられた結果、目的と手段が乖離してしまい、現実には利用されない解決策になっている事が理由として考えられます。
私たちは、社会環境や戦略・政策を把握した上で、生活者のインサイトに基づいて、具体的な生活がどのように変わるのかを考えます。

具体的には、デザイン思考を始め、人類学や行動経済学等に関する分析や、実際の生活者へのインタビューやリサーチを通じて、インサイトを導き出します。そのインサイトを基に、社会環境の変化を踏まえた未来生活を描写します。

「自由に選択できる社会」の中で

オムロン創業者の立石一真氏が提唱した未来予測理論「MINIC理論(1970)」によると、2025年における社会環境は「最適化社会」が成熟し、「自律社会」へと移行する変革期だと言われています。
一方、政府は 「Society 5.0」つまり先端技術により生産性を向上させ、高齢化社会・人口減少を原因とする日本の経済停滞を解決しようと動き出しています。

人は常に何かしらの欲求に基づいて行動していますが、これまでは狭いコミュニティの中からはみ出ない様に、周りと合わせる事が重要だと思い行動していました。それが現代になって、TwitterやInstagram等のSNSを通じて、自分の想いを躊躇いもせず発言する人たちを目の当たりにし、様々な生き方があると言う事を知るようになりました。
現在すでにYoutuberや副業解禁等が話題になりつつありますが、「最適化社会」で広がった多様化が更に進み、「自律社会」では一人ひとりの生活がより個別化され、自由に生き方を選択できる社会になると考えます。

今のSNSは、自分の価値観と合わない事も目にするため、クソリプが生まれたり、ビーガン信者が肉屋を襲撃したりする事件も起きていますが、この社会環境の変化の真っただ中であるが故の反応だと言えます。
ひとは新しい事へ自然と拒否反応を示してしまうものです。ただそれも時間の問題。自ら発言できる世の中は益々加速していき、私たちは自らの好き嫌いと言う感情に基づいて、生活の仕方を自由に選べる時代が来きます。AIが進歩すれば、自分の嫌な情報は入ってこなくなり、嫌な仕事もしなくても良いかもしれません。

2025年の生活者を描く

やや堅苦しい文章が続いてしまいましたが、ここからは、具体的な一人ひとりの未来生活図鑑をご紹介します。
未来生活図鑑では、人々の生活を7つのカテゴリーに分け、各編集者の調査から得られたインサイトに基づいた生活者が登場します。 現代では違和感を感じられるテーマを敢えて題材にし、「自由に選択できる」と言うメッセージを伝える事を目的としています。

一人ひとりの未来生活図鑑は、ノートのトップページかマガジンからご覧頂けます。

Note top : https://note.mu/fl_design

「未来生活デザイン研究会」は、法政大学デザイン工学部大島デザイン研究室の卒業生有志で構成されています。色や形の狭義のデザインではなく、人間・社会環境デザインをコンセプトとして、人間と社会環境の関係性を紐解き、本当に必要とされるデザインを社会システムに実装する事を目的に、産学官連携で数々のプロジェクトを推進してきました。

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