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私が地域おこし協力隊になった理由


(9月末)「note初投稿!これから毎週更新だ!!うおおおおおお!!!」
(1ヶ月後)「もう11月?記事0…?あれ…?」
10月よ私のやる気を返して。

さて。
先日、市報うおぬまの「地域おこし協力隊通信」という欄の記事を執筆した際、移住した理由について触れさせていただきました。

↓ 市報うおぬま(9/10号)はこちら↓
https://www.city.uonuma.lg.jp/uploaded/attachment/13884.pdf

内容を要約すると「都会の会社で一社員として働きながら送る家畜みたいな生き方と、田舎で自分が生きるために働いたり食べ物を作ったりする人として自然な生き方、どちらを選ぶかといったら当然後者だよね」というものです。
ただ、この文章では文字数不足で、「田舎暮らしをしたかった理由」の説明にはなっても「新潟県魚沼市の福山新田という集落の地域おこし協力隊になった理由」までは説明できていなかったため、ここで補足を書こうと思います。

一応、ただの自分語りにならないように「これから地域おこし協力隊を目指す方」「地域おこし協力隊に誘われている方」などに届けばいいな、という気持ちで書いたつもりです。

1.移住の経緯

理由について語る前に、簡単に移住の経緯についてお話しします。

新潟県魚沼市を初めて訪れたのは今から4年ほど前、大学院生の頃でした。

詳しくは別の機会に触れますが、修論のため「ドローンで撮影したセンシングデータ(近赤外画像等)の、農業分野での活用」を研究テーマにしていた時期に、調査地を探すために「新・農業人フェア」という新規就農者向けのフェアを訪れたことがきっかけでした。
そこで当時協力隊だった方にお会いし、誘われるがままに当時開催していた体験ツアーに参加して、その場所で幸運にも研究に協力していただける方が数名見つかって…
そこから年に何度か福山新田に訪れるようになりました。

その後、院を卒業して一度は地元愛知県で自動車関係のSEとして就職し1年半弱で退社。フリーターでふらふらしていた時期に、福山新田の知人から協力隊の募集をするからと誘っていただき、それならと応募し採用していただいたという経緯です。

他の方と違うのは、協力隊になる4年前から足繫く福山新田に通っていたことでしょうか。
4年の間に地元の方、協力隊の方、移住者含めて色々な方と関わる機会があったことで、それほどギャップなく今を過ごせています。

福山新田へのアクセス。魚沼市の中心部からは車で30分ほど。

2.地域おこし協力隊という仕事

魚沼市福山新田に移住する上で一番悩んだのが、地域おこし協力隊として移住するかどうかです。フルリモート可能な職に就いた上で移住して、休日だけ農業をするとか、市内の企業に就職するとか、他の選択肢もありました。

ご存知の方が多いかもしれませんが、地域おこし協力隊は総務省の制度で、地方創生や地域活性化を目的としています。最長3年間、給与と活動資金が供与されますが、その分自身の考える「地域おこし」を実践することでその地域にプラスの影響を与える必要があります。
特に田舎の小さな集落は過疎・高齢化が進んでおり、地域の衰退の流れをどうにかして良い方向に変化させることが求められます。難題ではあるものの、福山新田(100人)くらいの規模であれば協力隊1人でも変えられる事は多いですし、夢物語ではない気がします。

それでも最初はあまり乗り気ではありませんでした。
協力隊をやらない理由が山ほど浮かんできたからです。

20代最後の3年間を費やして終わった時には30歳。都市部に戻って希望通りに企業に転職するのはもう難しい年齢です。時間や若さや、色々なものを犠牲にした結果、期待するほどの成果を出せなかった場合のことを考えるとリスキーだなぁと、思わずにはいられません。

それに地域おこし協力隊になってしまうと地域の方々とより深く関わる必要が出てくるため、人間関係を上手に構築しなくてはいけません。地域の行事や飲み会への参加や手伝いをすることはもちろん、会ったときにはなるべく話をして、存在を覚えてもらう必要が出てきます。人の好き嫌い、苦手意識、コミュニケーションの得意・不得意に関わらず、協力隊である以上避けては通れない。
基本的に人間が嫌いな自分にとっては苦痛になるだろうと思っていました。

他にも生活への不安、協力隊任期後の収入面でのリスク住民とのトラブル雪への不安等、挙げだしたらきりがないくらいリスクはありました。

では、それだけ不安でリスクのある仕事をなぜ受けたのか。
やはり理屈を上回る強い気持ちがあったからだと思います。

自分でお米や野菜等、好きなものを作って食べる。余った分を売って少しのお金で心豊かに暮らす。そんな人として自然な生き方をしている地域が、資本主義の波に呑まれて無くなっていいはずがない。後進的だとバカにされて良いはずがない。景観、良い人達がいる地域をこれからも残したい。自分の力でもっと面白い地域にしたい…
そうした色々な感情が理性を上回った結果、気が付いたらなっていた、という訳です。不思議ですね。

3.新潟県魚沼市である理由

ということで、私は魚沼市福山新田の地域おこし協力隊となりました。
魚沼市であった理由は経緯からも察せられるかと思いますが、本当にたまたまです。
誤解を恐れずに言えば、自分が必要な場所があったからそこに行っただけで、別にどこでも良かったのです。
強いて言えば、東京からのアクセスが悪くないので、プロジェクトやビジネスを考える上で対東京で考えられることに強みがある地域です。
また、アクセスの割に都市部と全く異なる異世界が広がっているので、永く愛される地域としてのポテンシャルは十分あるのかなと思います。

福山新田の夏の風景(ドローンで空撮)

4.地域おこし協力隊を考えている方へ

ここまでの話を総合すると、見知らぬ田舎に住み、さらに地域おこし協力隊になる、というのは理屈で考えるとかなり難しい選択だと思います。
なので協力隊に適しているのは「理屈を覆すほどの強い気持ちをもつ人」「頭のネジが飛んじゃった危篤な人」のどちらかということになりそうです。

今から頭のネジを飛ばすのは難しいと思うので、私の意見としては、
まず現地を何度か訪れて風景を見たり、地元の方や移住者と話してみて、その地域を心から存続させたい、面白い地域にしたいと思えるかどうか、自身の気持ちを確認してからはじめて、協力隊の制度について検討してみるのが自然ではないかと思います。
そうでないと自身も地域も、お互いにとって不幸になりかねないので気を付けていただければと。

最後は月並みな結論に落ち着いてしまいましたが、今日の話は以上です。

ちなみに、協力隊でなくただの地方移住という話であれば、地方都市レベルなら地域に対して強い気持ちがなくとも快適な生活が送れると思いますし、物凄い田舎でも、一部では移住者が快適に暮らせるような仕組みづくりが作られようとしている所ですので、自然な生き方を目指す方は是非、地方移住を検討されてください。

もし魚沼に限らず移住のことで話をしてみたい方がいらっしゃれば、以下のフォームまでお問い合わせください。記事を見た!と一言お伝え下さると飛んで喜びます。
https://fukuyamagurashi.com/inquiry/


それではまた!


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