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服を買うことと、理想の自分を買うこと。

いつか欲しいなと憧れていた服のブランドがあって、ついにそのブランドのワンピースを手に入れた。憧れていたものを手に入れるタイミングというのは、不思議なものでお金があるからとかそういう類のことではないらしい。

大学時代にお姉ちゃん的先輩に連れて行ってもらったのは、恵比寿のY.M.Waltsというお店。

置いてある服はもちろん、雑貨や空間、インテリア、ひいてはお店にいた店員さんの雰囲気まで、どれも洗練されていた。シンプルなのだけど個性があって、服やブランドに対して詳しくない私みたいな学生でもわかるくらい、ハッとするものだった。

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店員さんは「服が主役ではなく、着る人が主役。身に着けるとその人の魅力が1番引き出される服をつくりたいなと思ってるんですよね。」と話していて、うわあ服作りに対する姿勢もステキだなあと思ったのだった。

ただ学生が買うには少々値段が張ったので、いつかこのブランドを身に着けたい…と思って店を後にした記憶がある。

↓その時にせめて写真だけでも…と思って撮ったお店の外観。残念ながら今は無くなってしまったらしい。

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昨日、祐天寺にあるお気に入りのセレクトショップ(steefという素敵なお店)に入ったとき、一番に目を引いたのはそのY.M.Waltsのワンピースだった。シンプルなのだけど、なんだか可愛い。おそるおそる試着するとめちゃくちゃ着心地が良い。うーん、買ってしまおうか。

先輩が「働き始めたら、思い切って良い服を買ってみるのも楽しいよ。」と言っていたことを思い出す。

良いお金の使い方って何だろう、という問いに「心への投資だと思う。」と答えた友達を思い出す。間違いなくこれは心がピンときたものだ。

連れていってくれたお姉さんが当時26歳ぐらいだったのも大きい。私は今年26歳になるのだ。

そんな条件が重なって、ついにワンピースを買うことに決めた。

・・・

不思議なもので、良い物を買うと、それに見合う自分になろう、と背筋が伸びた。家に帰ってすぐ部屋を掃除して、花を飾った。

もしかしたら働き始めてすぐのタイミングでも、少し気合を入れて買うこともできたのだと思う。でも、なんとなくまだそのときではない気がして、先延ばしにしてきたのだった。

憧れの物を買うことは、ただその物を買うだけではない。思い切って決断をする、という自分も買った気がする。それから、この服を着て行きたい場所もこれまでの自分とは違うなと思った。

ワンピースを着るたびに、お姉さんの姿と、決断した自分と、過去の思い出と、これからの理想の自分と、いろんな気持ちを思い出すと思う。

沢山の感情が入り混じったこのワンピースは、絶対に宝物になると直感している。

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