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「定年本」で役に立つのは、内容ではなくその共通フレームワーク

なぜ同級生たちは引退してしまうのか?

ここ10年以上、ずっと考えていることがある。「なぜ同級生たちは、世の常識に従い唯々諾々と引退してしまうのだろう?」と。

前にも書いたが、私は現在72歳である。工学部の中で最も小さいとある学科の卒業生で、同期生は27名だった。少人数で仲が良いので毎年同期会を開いているのだが、現在でも現役で働いているのは、ほぼ私一人となっている。高齢化が進む現代でそれなりの教育を受けまだ元気な人たちが引っ込むのは、なんとも勿体無い社会の損失だと痛感している。

では、なぜ同級生たちは引退してしまうのだろうか?一番の障害は、本人が漫然とそれまでの仕事のスタイルを維持することを望むことにあるだろう。まず、定年後それまでの勤務先で働き続けるとしても、処遇が大幅に低下する。それまでの部下に仕えざるを得ないこともあるかもしれない。たとえ、他の会社に転職しても、似たような状況になる。そういうことに耐えられないないという人が多いようだ。

一方で、高齢者の社会的孤立が問題となっている。それまで会社人間で過ごしきたサラリーマンは、社会的資本に乏しい。引退すると社会との接点をなくし、「必要とされていない感」を抱えて長時間過ごすとストレスから心身の変調をきたすという問題である。これを避けるためにも、不器用なサラリーマンは、少しでも働き続けた方がよさそうである。

どうすれば仕事を続けられるか?

では、どうすればよかったのか?なぜ自分は働き続けていられるのだろう?どうもよくわからないので、以下に示すミドルシニア向けの定年への備え方や今後の生きのガイド本を何冊か読んでみたが、当たり前のことばかり書いてあって手がかりが得られない。

そこで気がついたのは、これらの本を逆向きに読めば良いということだった。

「定年後、どうすれば良い?」と読むのではなく、「なぜ、一見当たり前のこれができない?」と読むのだ。そう読めば、これらの本の構造(フレームワーク)は驚くほど共通しているのだ。

そこから得られた定年後も働き続けるコツは、以下の順で問題を解決していくことのようである。

  1. 定年引退という事象に危機感を感じていない

  2. 定年後に備え準備(変身資産を獲得すると決意する)をしない・できない

  3. 意識改革(会社ではなく適度な仕事にフォーカスする)をしていない

  4. (高望みせず経験を活かす)キャリアを設計しようとしない

  5. (組織ではなく市場から評価される)マネタイズの方法を知ろうとしない

今後これらについて、経験上思うところを書き連ねていくことにする

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