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ひとりマーケターの「次」は? キャリア迷子を脱する5つの質問

社会人になって12年。営業4年→新規事業2年→マーケ5年を経験。2度目の転職のタイミングを迎えています。これまでは「何をするか」を軸に、職種や商材を軸に仕事を選んできました。しかし2度目となる今回の転職は、今までとは違う、新しい判断軸が芽生えています。それは何を目指して、どんなチームで働くかです。

この変化は、吸収&成長が第一優先だった新人時代の卒業かもしれない。営業・マーケ・新規事業と一通り経験し、少し自信を持てるようになったからかもしれない。キャリアの転換点となる今回の転職活動。ある企業の役員面接で、キャリアを決める5つの問いを教わりました。今回は、その5つをもとに「自分らしいキャリアの築き方」をまとめました。今後の働き方・キャリアの方向性を決めかねている、キャリア迷子な方の参考になれば嬉しいです。

支援会社 or 事業会社? ーーどの領域の経験を深めるか

マーケターの場合は、広告代理店やマーケティング支援会社に入ってクライアントワークをするのか、事業会社のマーケターとして働くのか?の二択です。それぞれのキャリアにメリット・デメリットがあるので、それらを比較して決めます。

支援会社ではクライアントワークを通して、幅広い業界・事業規模の知見を得られる。いわば1,000本ノックです。しかしマーケティング支援といっても、SNSマーケ/コンテンツマーケなど特定領域に特化したサービスを展開している企業が多数。領域を超えた横断的な視点・経験を得ることは難しく、分野を絞ることも必要です。

事業会社の場合は、業界・ビジネスモデル・規模・経営方針によって、経験できることも様々です。中小企業では、ひとりマーケターや少数精鋭チームで、事業成長に有効な施策に取り組みます。そのためSNSだけ・広告運用だけといった一分野に特化したスキルだけでなく、施策そのものを考える経験・施策間/部署間の横断的な視点を得ることができます。ただあくまで事業次第、市場の変化に応じて施策やミッションが変わることもあり得ます。

私の場合、こっち!と明確な希望は出ませんでした。しかし、2つを比較することによって「幅広いビジネス経験を積みながらも、マーケティング・事業づくり・チームづくりの領域を深めたい」と理想が明確になりました。

スペシャリスト or ジェネラリスト?ーーどの方向に向かうのか

わかりやすい問いでいうと、CMOになりたいのか、COOになりたいのか?です。スペシャリストとして専門領域を持つのか、幅広く事業・企業をみた視点で働くのか。スペシャリストであれば、その道で腕を磨くことが必要です。ジェネラリストは幅広い経験がないとできないポジション。様々な職種を経験し包括することで、全体最適を導き出さねばなりません。

前項ともリンクしますが、専門性を極めたいのか、事業全体を俯瞰する視点を得たいのか。将来のキャリアイメージや適性によってベストな選択は変わると思います。私の場合、この点は本当に迷いました。が、数人の知人に聞くと全員から同じ答えが返ってきました。自分のことは、自分ではわからない。他人に決めてもらう訳ではないですが、第三者の意見によって、新しい一面に気づけるかもしれません。

マネージャー or 役員?ーーどのレイヤーを目指すのか

個として腕を磨くプレイヤーの道、現場を束ねるマネジメント、大局をみる役員クラス。責任の幅、働き方(仕事に注ぐ時間)はレイヤーに比例して大きくなります。もちろんマネジメントや役員は巡り合わせもあります。理想の働き方を考えるひとつの視点として、一度想像してみるのもいいかもしれません。

私は、面接で尋ねられたことがきっかけで「マネージャーはやってみたいけどプレイヤーとして腕が落ちる怖さもある。役員は・・・どんな経営者のもとで役員をするかによる(経営者の人柄や関係性によってはやりたい)」と感じました。むしろマネージャーよりも役員の方が私には魅力的でした。

実現可能性を一旦脇に置いて考えてみる。それだけでも、気づいていなかった考えが浮き彫りになるかもしれません。

選択に迷ったら・・・最後に考える2つの質問

1|これまでに、ワクワク!楽しい!と感じたシチュエーションを再現できるのは?

どんな判断軸で、どんな仕事を選んでも、全てがずっと順調ということはありません。長く働くために、仕事に対してワクワク・楽しいという感情を持てるのは重要なこと。下克上なシチュエーションにワクワクする!や、大きなプロジェクトを仕切るのが楽しい!など。仕事の中で自分の心が動いた瞬間に似た経験がより多くできる仕事・ポジションを選択すると、幸せに働ける確率が上がるのでは?という仮説だそうです。

2|今選ぶ仕事に10年続けるイメージを持てるか?

10年先も今と同じテンションで仕事に臨めそうか?飽きていなさそうか?と直感的に問う質問です。苦もなく続けられること=天職と捉えると理に適っています。また複数の選択肢で迷った場合も、より幸せな10年後をイメージできるのは?10年後の自分によりワクワクできる選択は?と問うことで、異なる視点から比較することもできそうです。

さいごに

ここまで「逆算思考のキャリアの考え方」について述べてきました。その前提として、キャリアは、自分でつくるもの。選択肢があっても、レールに乗っかっていれば良いわけではない。どんなキャリアを創りたいか?能動的に決めていこう!という思いがあります。

一方で、私を含めてどんな人も、常に「選べる」わけではありません。かといって100%流れに身を委ねる訳でもない。そんなキャリア上の偶然を重視する理論「 プランド・ハップンスタンスセオリー 」というものがあります。目指す姿は定めるものの「こうでなければいけない!」と縛るのではなく「こうありたいよね〜」とラフに描く。色付けをする前のデッサンのような状態で、目指す姿を決めるということです。

転職活動でこの考え方に出会えたのも、キャリア上の偶然。不採用なのにここまで向き合ってくれる企業・面接官に出会えたことに感謝し、自らの意思で決め能動的にキャリアをつくる。そんな働き方で、巡り巡って恩返しができたらいいなと感じています。

長い人生、結婚・子育て・親の介護などそれぞれのタイミングで優先順位が変わることもある。またこれだ!と思った道を極めるなかで、また違う道(選択肢)が魅力的に見えることもある。都度立ち止まり、軌道修正をしていきながらデッサン画を完成、もしくは書き直していく。そんな余白を持ってキャリアを作っていけたらな、と思います。