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【#7】どこにでもいる社会学部の部活大好き大学生が、大学卒業から4年後にNSCA-CSCSを取得した話

この記事を書こうとした経緯

CSCSは、S&Cコーチになろうと志した際、最初に取得を目指した資格です。
体育学部卒業でも、現場経験もなかった私は、

この資格を取得できる=S&Cとして勉強した一つの証

になると考え、受験を決意しました。

大学4年時、当時のS&Cコーチの影響もあり、卒業後はS&Cコーチとしてチームに帯同することを一つの目標としておりました。
そこで、目標達成のための第1歩としてCSCSの受験を決めます。

結果的に、決意してから受験までに5年を要することになるのですが、その間何をすべきかもわからず、勉強は手につかず、本当に合格できるのか不安でたまらない日々を過ごしておりました。

ただ、現在の現場初年度に出会った大学の先生からアドバイスを聞ける機会があり、徐々に不安は取り除かれていき、よりテストに向けて集中することができました。

そんな経緯があり、その恩返しとしてこの内容を書くことが誰かの助けになればと思い、僭越ながら記事にしたいと思います。

この記事では、私の経験をもとに、

◎私のようなただのトレーニング好きでもCSCSを取得することができること
◎実際に何をしたか、受験の際に気をつけるべきこと
◎資格を取得したあとの考え

の3点をお伝えできればと思っています。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。


CSCSってどんな資格?

この記事をご覧いただいている方々は、きっと存在は知っているのでしょうが、改めてこんな資格です。
大学時代のS&Cコーチの方も取得されていたので、私はその当時から資格の存在は知っていました。

傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材を認定する資格です。
指導対象は主にアスリート、スポーツチームです。筋力トレーニングや他の体力要素の指導だけでなく、施設を運営、管理することも重要な職務となります。また、栄養、ドーピング、生活習慣に関する指導など、教育者的側面も併せ持っています。

ストレングスコーチ、アスレティックトレーナー、パーソナルトレーナー、医師、フィットネスインストラクター、研究者などがCSCSの資格を取得しています。

https://www.nsca-japan.or.jp/exam/certification/
NSCAジャパン試験要項より引用

CSCSを勉強しつつ、実際に現場を経験して早4年。
この資格取得のために勉強を続けてみて思いますが、
S&Cコーチとして現場に出る上で、必要な基本的知識は得ることはできると思います。

ただし、『じゃあCSCS取れたらもう終わりか』というと、そうではないということだけは、ここで強調しておきます。

受験までの経歴

さて、本題に入る前に私がどんな経歴を経て合格に至ったのかがあった方が親近感も湧きやすいと思うので、簡単に経歴を紹介します。

学生時代

ざっくりいうと、
ただ大学まで部活を続けた、ちょっとトレーニングが好きなどこにでもいる学生でした。

・タイトルのとおり、私立大学の社会学部卒
・高校〜大学で競技の補助として、ウエイトトレーニングの経験あり
・大学4年時には学生トレーナー(主にS&Cコーチのお手伝い)、パーソナルトレーニングジムでのインターンなどを経験

ウエイトトレーニングなどの実技経験はあるものの、解剖学や生理学などの専門的な知識などは皆無に等しい学生時代。

大学4年時、訳あって選手を引退し、S&Cコーチのお手伝いをしていたものの、選手と一緒にトレーニングをして、その際にちょっと鼓舞する程度。1年生のプログラムを考えたりしてたけど、見様見真似状態。

社会人

その後、
・大手パーソナルトレーニングジムに勤務(1年間)
・退職し、現在に至る

パーソナルトレーナー時代もコツコツ勉強はしていたものの、知識は全て独学、それもあってるのかあってないのかわからん状態。

そんな状態で、S&Cコーチとして現場に。正直今考えるとよく選手の前に立てていたなと震え上がります。

もちろん資格がなきゃダメって話ではないですけどね。。

どんなことをして試験に臨んだのか

手続き関係

具体的な内容に入る前に、、、
受験前に諸々の手続きがありますが、早くやりましょう一択。
私は何かと後回し後回しにするタイプですので、これも時間がかかった要因です、、、

大学の卒業証明とか、有効なCPR/AEDの認定も、なる早で取得ましょう。あと、テキスト類の購入。個人的にこれは必須です。

試験要項なども細かく確認しましょう。
これは実際に自分で確認したほうがいいと思います。(絶対)


勉強方法

最初に断っておきますが、おそらく非効率です。ですが、これをやれば誰でも受かると思います。完全独学の私でもできたので。

時間を掛けることができれば、誰でもできる簡単な内容です。

前述した大学の先生に
「今までテキストを4周読んで落ちた教え子はいなかった。3周は落ちた子もいた。だから4周すれば大丈夫だよ。」

とのアドバイスをもらい、、、

テキストを5周読みました。

主にそれだけ。
幸いある程度の学生時代からのトレーニング経験とパーソナルトレーナー時代に解剖・生理学を少しだけ勉強していたので、なんとなくなら読み進めることはできました。

しかし、読むことはできても”頭には入ってこない”、もちろん理解するなんてもってのほか。

ただ、初めて知る内容も多く、それにモチベーションを(無理矢理)感じて、なんとか1周読み切ることができたって感じです。

2周目〜3周目は、読みながら書くことをしました。
読んだ内容をまとめることもそうですが、純粋に文章を紙に書き写したり、読んだこと自分の言葉にしてテキストに書き込んだり、とにかく内容を頭に入れることを目的にしました。

↓こんな感じ。

テキストの文章を全部書き写すのではなく、要約しつつ。
テキストに書き込むと次読む時に、前に気になってたこととかもわかって良かった。

また、1周目で初めて知ったことや、自分の中で曖昧な内容についてはこのタイミングで調べてました。

3周が終わったころには大体何がどこに書かれるのか把握してました。

4〜5周目では、実際に選手に処方するプログラム作成時や栄養指導の準備の際に、該当箇所を読み返し、そこに書かれていた内容に沿う形で指導内容を考えていました。

これが自分の中では1番大きかったです。

いきなり、『指導に活かそう!』ではなく、
頭に入れるための3周の読みこみがあったことにより、内容も理解し始めていたことで、実際に指導内容を考える際に(テキストを確認しながらではあるものの)応用して答えを出すことができ、さらに自分の頭に定着させられたのだと思います。

私は幸いにも選手への指導の機会があったので、
『指導で使うためにテキストを読む』ことができました。

現場で指導する機会がない方も、”誰かを指導するために読む”ということをすると良いのではないかと思います。

最後の仕上げとしてテスト受験の1ヶ月前に、NSCAが出している問題集を5周しました。
間違った問題は、巻末の答えに書いてあるページ数を参考に、テキストに戻って内容の見直しを行いました。

なぜ5周もしたのかというと、先生からのアドバイスで、テスト当日までに問題集全問で正答率90%到達を一つの目標にしており、そこまでいくのに5周かかったというわけです。初めから5周しようとは思ってませんでした。(なんなら、1周目でクリアして終わろうと思ってました。)

ちなみに1周めは85%くらいでした。

そこから4周かかるって要領わるっ。

テスト

テスト前にも先生からお言葉をいただき、絶対に守るべき2つの内容を教わりました。

それが、

・問題を絶対に飛ばさないこと
→回答がずれたりすることを防ぐため。パソコン上での試験なので、実際にはどこを回答していないか、気になる問題などにはマークをすることはできます。しかし、1通り問題を見る上では、一旦最後まで解き切るのが良いと思います。

・絶対の自信がない限りは、初めに浮かんだ答えから変えないこと
→3択全てに自信がない場合、最初に浮かんだ回答が答えである可能性が高いとのこと(ちゃんと勉強していれば)。先生曰く、教え子が自信のない問題の回答を変えたがために1〜2点足りず不合格となったケースも多いんだとか。

この二つだけ忠実に守りました。何点得したのか(はたまた損したか)は神のみぞ知ることですね。

動画系の問題は、日頃現場で指導している人間からすると「あきらか不自然やろ」という内容が多いのでそこまで苦戦しませんでしたが、現場を見る経験があまりない方は、問題集の動画問題もチェックしてから臨んだ方が良いかもしれません。

それでも不安な場合は、テキスト内、15章のエクササイズテクニックの部分を参考に実際に体を動かして覚えることをお勧めします。
自分でトレーニングしているとフォームに自己流の癖や感覚がつきやすく、その状態でテキスト内のエクササイズの説明文を見るとたまに違和感を感じることもあります。

文章を忠実に守りながらトレーニングすると、頭に入りやすいですし、NSCAが求める注意点も理解しやすいのではないかと思います。

ここらへんのやつ。そういう表現するんだと思うところも多々あった。

全問解き終えてみると、時間はめちゃくちゃ余りました。
見直し3周できるくらい余りました。飛ばさず答えをつけていくやり方だったからこそかもしれません。
前述の通り、気になる問題などにはマークができるので、もう一度考えたい問題にはマークをつけておき、そこに重点的に時間を使いました。

問題数自体は多いものの、反射的に回答できる問題も多い印象でしたが、テキスト以外からの問題も結構あったんではないかと。(内容が抜けていたのかもしれませんが、、)


*合格後、NSCAが出している『ストレングス&コンディショニング専門職の基準とガイドライン』を読んだ際に、わからなかった問題の答えが載ってました。

S&C指導者1人に対する大学生競技者の人数比率。たぶん一生忘れません。

まとめ

結果、基礎セクションでは67/80点、応用セクションでは97/110点で合格することができました。

基礎セクション
応用セクション


CSCSをとることで、S&Cコーチとして必要な知識を理解した上で指導に当たることができており、指導の際に、自分が立ち返る場所を確立できたと思います。

そして、何より自信がついた気がします。

体育学部や専門学校で、身体について学んだ訳ではない私にとって、有資格者となることは、独学が間違っていなかったことの証明になるものであり、それを成し遂げられたことで、ここまでの学ぶに間違いがなかったことを実感できました。

ただ、一つ強調したいこと。

有資格者≠S&Cコーチとして有能であること です。
※もちろんだけど有資格者が無能ってことではないですよ…念の為…

保有している資格で求められる能力を発揮し、実際に現場で活用でき、結果を残すことで初めてS&Cとしての責務を全うできていると考えています。

資格をとったから終わりじゃないんです。
むしろ、資格をとってからがスタートだと思ってます。

人の身体は解明されていないことも多く、新たな研究により今までの常識が覆ることも少なくありません。
常にアプデートされるんです。自分がすでに学んだ知識だけでトレーニング指導者は務まりません。
新たな知識を得ていかなければ、どんどん置いていかれます。

そして、それによって困るのは私ではなく、私に指導を受ける選手たちです。
これだけはあってはならない事態です。

師匠の言葉
『勉強を止めるときはトレーナーを辞めるときである。』

CSCSを取得して、改めてこの言葉肝に命じて引き続き自己研磨に勤しんでいきたいと思いました。

S&Cコーチとしてのキャリアはまだまだ始まったばかりです。これからもCSCS受験を経て、学んだ知識や経験を元に、選手の成長に寄り添える、S&Cコーチを目指して奮闘していたいと思います。


あとがき

まさかここまで長くなるとは、、書いていて自分でも驚きました。(大学時のレポートぶりの5000字超え)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

読んでくださったCSCS取得を目指す皆さんが、ぜひCSCSを取得され、その後S&Cコーチとしてご活躍されることを心からお祈り致します。


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