【#13】ジムでいきなりアームカールから始めるのモッタイナイ。
ジムでは様々な方がトレーニングに励んでいます。
私は職業柄、人のトレーニングを観察してしまう癖あるのですが、いきなりアームカールやサイドレイズなどの種目を行う人がたまにいます。
これ、個人的にかなりモッタイナイ。
今回はトレーニングにおける種目選びの順番について私の考え方を紹介していきたいと思います。
トレーニングの順番、気にしてますか?
トレーニングをある程度行っている方ならわかると思いますが、エクササイズを行っていくにつれて、後半はどんどん疲れてきますよね。
例えば、アームカールを行った後に懸垂をやるとなった場合、アームカールで使われた部分の疲労を懸垂でも感じるみたいな。
どんな種目にせよ、これは起こり得ます。
アームカールと懸垂を例に、エクササイズの順番について考えてみましょう。そのためにまずはアームカールと懸垂について詳細をまとめてみます。
動作
アームカールは肘を曲げる(肘関節屈曲)動きが主になります。
対して、懸垂は脇を閉じる動き(肩関節内転)に、肘を曲げる(肘関節屈曲)動きが加わります。
上記を整理すると、
アームカール =肘関節屈曲
懸垂 =肩関節内転+肘関節屈曲
アームカールは1つの関節、懸垂は2つの関節の動きで成り立つのがわかりますね。
ちなみに、関わる関節が多いということは、それだけ多くの筋肉が重量を挙げるために関わるわけですのでより重たい重量を扱うことができます。
筋群
上記の通り、アームカールは肘関節屈曲動作で構成されるので主に上腕二頭筋が使われます。
対して、懸垂は肩関節内転の動きを広背筋が使われ、肘関節屈曲の動きを上腕二頭筋が使われます。
上記を整理すると、
アームカールの主導筋:上腕二頭筋
懸垂の主導筋:広背筋、上腕二頭筋
という具合で、懸垂を行う上では、単純に背中の筋肉だけでなく腕の筋肉も使われているということがわかると思います。
※使われる割合については必ずしも半々とは限りません。
順番を決めるポイント
さて
この上記2種目の例でいうと、どちらを先に行うのが得策でしょうか。
結論からいうと、
懸垂→アームカールで行うことをオススメします。
上述のとおり、
アームカールは、主に1つの関節を使う種目で(=単関節種目)
懸垂は2つ以上の関節を使う種目です(=多関節種目)
アームカールで肘関節屈曲(≒上腕二頭筋)に負担をかけた後で懸垂(肩関節内転+肘関節屈曲)を行うと、肘関節屈曲の疲労によって回数や可動域が落ちる可能性があるわけです。
これは非常にモッタイナイです。
基本的には単関節種目に比べて、多関節種目の方がより重い重量を扱うことができます。(一般的にはアームカールのダンベルの重量よりも懸垂で負荷となる体重の方が重いことが多いですよね。)
筋肥大を目的にトレーニングを行う場合でいうと、ボリューム(重量×レップ数×セット数)の確保が非常に重要です。種目の順番によって重量や回数などが低下してしまうのは避けたいところです。
目的によっても変わることはありますが、つまるところ、エクササイズは基本的に多関節種目→単関節種目に移行していくことでより効率のいいトレーニングになるのです!
他にも考慮できるといいこと
エクササイズ順番は、多関節種目→単関節種目の他にも
パワー系種目(ジャンプなど)→ストレングス系種目(スクワットなど)
スクワットをした後に、全力でジャンプをするのは難しいですよね?ジャンプの効果を高めたい場合は全力で高速度で行うことがかなり重要であるため、ジャンプなどの高速度のトレーニングから一般的な筋力トレーニングに移行していくことがオススメです。
※コンプレックストレーニングといって、スクワットなどの後にジャンプ系種目を行う場合もあります。詳細は割愛しますが目的に沿っていればそれでもOKです。
フリーウエイト種目→マシンウエイト種目
重りを体全体で支えなければならないフリーウエイト種目に対して、マシン種目は軌道が固定される分、対象の動作のみに集中できるというメリットがあります。逆にいうと、マシン種目で対象の筋肉に疲労が溜まった状態でのフリーウエイトを行うのはなかなかにしんどいです。
大筋群種目(足や背中など)→小筋群種目(下腿や腕)
これは、多関節→単関節の例とほぼ同意ですが、大筋群を鍛える種目はほとんどが小筋群が関与します。(懸垂の際の上腕二頭筋、ベンチプレスの際の上腕三頭筋など)小筋群の疲労で大筋群の種目のボリュームに影響を与えないことが重要です。
この辺りも考慮できるといいでしょう。
※あくまで目的に応じて変化するので、自分の目的に対して正しい順番がわからない場合は専門家の指導を受けることをオススメします^^
まとめ
今回はエクササイズの順番についてまとめてみました。
基本的な考え方として、
”順番によって疲労をコントロールし、全種目でより高い強度を得ること”
が重要となります。
せっかく何種目もエクササイズをするなら、その全てで高い効果を発揮したいですよね。
なんとなく気分で種目の順番を決めてしまっている方はぜひ参考人してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?