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好きなもの②:ミュージカル

コロナ禍で奪われた楽しみのひとつがミュージカルです。

ひんやりした空気の劇場に入って、自分の席から舞台を見上げ、「目の前に座高高い人が来ませんように」と願いながら開演を待つあの感じ。

照明が消えて音楽が流れ始めたら、ライオンが駆け回るサバンナ、美しいギリシャの孤島、怪しげなパリのオペラ座、魔法が溢れるオズの国に一気に引き込まれます。

チケット高いし、見逃しても巻き戻せないし、海外の劇場は寒い上に椅子が硬かったり傾いてたりするけど、あそこでしか味わえない感動があるのです。

英語がゴリゴリに分かるわけでもないのに海外カンパニーの公演が好きで、基本的に行くのは来日公演&海外旅行です。日本語だと、「歌詞の文法が変だなー」とか「和訳した時にここがすっぽ抜けたんだなー」とか考えちゃって入り込みきれないのです。


ということで、おすすめミュージカルは沢山あるのですが、特に忘れられない作品をいくつか。


①シスター・アクト〜天使にラブソングを〜

森公美子さん主演で日本語版も上演された、同名映画が原作の作品です。

あらすじは、「主人公・デロリスは歌手を夢見るギャングの愛人。ある日、ギャングの犯罪現場を目撃してしまい追われる立場に。警察官の取り計らいでしばらく修道院に身を隠すことになるが、シスターたちとは考え方が違いすぎてなかなか馴染めない。ある日、ド下手な聖歌隊の指揮を任されることになり、次第にシスターたちと心を通わせていく」という感じ。

「異質なもの同士が出会って、最初は反発し合うけど最終的にはお互いに良い影響を与え合っていく」という構造の話が好きなんですが、これはそれの最たるもの。KinKy BootsやWickedなんかも好きです。

そして何より、音楽を手掛けたのが、伝説アラン・メンケン様。讃美歌とディスコ音楽が違和感なく掛け合わされてる上に、歌詞のダブルミーニングが面白い。場末の飲み屋でギャングの愛人のネーチャンが歌う「take me to heaven」と、敬虔なシスターたちが歌う「take me to heaven」は同じだけど違うのです。

2回目の来日公演の千秋楽に行ったのですが、開演前から熱量が高くて。役者の皆さんも気合がすごくて本当に楽しそうで、「出し切るぞ!」って感じの歌声、ビッグナンバーのたびに鳴りやまない拍手と歓声、泣く私、隣で号泣するお兄さん(赤の他人)、最後は観客総立ちで終わらないカーテンコール。

日本で見たミュージカルの中で1番昂りました。

最後は大団円のハッピーエンドで、誰でもニコニコで帰れること間違いなし。本当は去年来日予定だったんだけど、コロナで中止になっちゃって泣きました。コロナが明けたら再来日お待ちしてます。


②マンマ・ミーア!

まずあらすじを書いておくと、「ギリシャの孤島で、母親・ドナと暮らすソフィは、結婚を控えている。父親とバージンロードを歩く夢を叶えるため、ドナが自分を妊娠した年に書いた日記から父親候補の男性を3人見つけ、全員に結婚式に出席してほしいと手紙を出す。やってきた3人の父親候補!元カレ3人と鉢合わせするドナ!本当のパパは誰なのか?結婚式は無事に開催されるのか!?」という感じのハッピーコメディです。

マンマ・ミーア!はABBAの曲だけを詰め込んだ、いわゆるジュークボックス・ミュージカル。「Money, money, money」や「Dancing Queen」など誰でも聞いたことがある音楽が次々に出てきます。ストーリーがところどころトンデモ展開を見せますが、そんなの関係ねえ!という良いエネルギーに満ちた作品です(褒めてる)

私にとっては、初めて見た英語のミュージカルです。社会人2年目の秋、初めてニューヨークのブロードウェイに行った母親と私。TKTS(当日券が割引で買えるとこ)で、カタコトの英語でどうにかチケットを買って1列目で鑑賞。「これが!本場のエンターテイメントかッ!!」と感動したのを覚えています。

ですが、忘れられない経験になったのは3年前にロンドンで見たマンマ・ミーア!。平日の昼間の公演に行きました。何か特別なことがあったわけでもないのに、劇場のテンションがどんどん上がっていって、カーテンコールでは観客総立ちで「Waterloo」や「Dancing Queen」を歌って踊る。自然と笑顔になれて涙が出て、多幸感で満たされて帰路につきました。

すごくすごく愛されたミュージカルなんだなというのを感じたし、役者さんと観客が影響し合って、劇場の空気が変わっていく感じがすごかったです。なかなか日本ではないノリな気がします。


ミュージカルに限らず、演劇系は全部そうだと思うんですが、映画や配信でも良いし、なんならその方が良い視野や角度で見れたりもするんですけど、「たまたまそこに居合わせた人たちが、その場の空気を創り上げていく」というライブ感や唯一無二感、ググッと伝わる熱量、鳥肌が立って自然と涙が流れてくるよう感覚は、やっぱり劇場でしか味わえないなぁと思います。


好きなミュージカル、他にもあるけど2,000字を超えてきたので一旦筆を置きます。また書こう。笑


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