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「成功の秘訣」は知らないけど、「失敗しない方法」は少し知った30年の経験 その②

東海道五拾三次は約15日ぐらいで歩いたそうです。

宿場町が53個あるとすると3〜4個飛ばしで歩いたってことか?
日が出てから暮れるまで歩くと考えて、7時から18時?
11〜12時間、昼飯や茶屋時間もあるので、10時間前後歩く計算かな〜?

宿場町と宿場町の感覚は平均3〜4時間?
宿場町には飲食店や物販店が沢山集まってたと想像します。

ここにお店や宿屋や食堂を出すのは家賃が高かかったことでしょう!
でもお客様は沢山いたと思います。

宿場町から真っ暗闇の中、行燈の灯だけを頼りに東海道から外れて左に曲がり2時間歩くと、とんでもなく素敵な宿があるという噂があったらあなたは行きますか?…笑

多分その頃の東海道から反れた山道は暗くなって歩くと山賊に襲われたり、暗闇で迷子になったり崖から落ちてしまったりとリスクがあったとしたら?

命の危険を冒してまで向かわせる価値がある事とは…?
「リスク」と「楽しみ」を天秤にかけてまで「行ってみよう」と思わせる価値のある「魅惑の宿」とはどんな宿でしょう?

私がその宿を評価する考え方は…
分母が大きいので「基礎価値」は低いが、それをカバーする大きな「感情価値」がある…
みたいな言い方してきました。

分子と分母の話はこの前の投稿で書いてますのでお時間ある方は是非…ここをクリック

ここからはいつも説明している通り、私の30年飲食関係でやってきた、判断の基礎になってる考え方なので皆様に当てはまるかは分かりませんので、そこを踏まえて読んでください…

簡単な説明すると…

表1

価値は「払うも(分母)」の分の「得るもの(分子)」なので¥1,000の物を¥1,000で買うと得も損もない、価値1(p)
払うものが¥800だったら?
価値は1.25(p)なので「価値が高い」と見ます。
0以下は「価値が低い」と判断します。

前稿でも申しましたが…
「価値が低い」=「悪い」ではない…
「価値が低いことを知らない」=「悪い」となります。

飲食店の場合
得るものをさらに分解すると表1のように
「商品」「サービス」「ハード(雰囲気)」を買いに来てます。

お客様が払うものをさらに分解すると…
「金銭的」「体力的」「精神的」を支払ってあなたのお店に来てます。

普通を10pと考えて、全て10とすると…
30/30で答えは1pとなり、得も損もない事になりますね!

しかし、30/30のお店はほとんどないと考えます。
各価値の評価の普通=10pに自己評価で下記の表ポイントを足してみると、お店の本当の「.基礎価値」が見えてきます。

表2
表3

表1の赤丸のところに10p+表1・表2のポイントを足してみると、評価した店の基礎価値がわかります。

目安として1以上が高いで1以下が低いと判断します。
何度も申しますが…
「価値が低い」=「悪い」ではない…
「価値が低いことを知らない」=「悪い」
ということ…

まずは「基礎価値」を知ることが重要!

お店の価値を上げる方法は?

分母を下げて、分子を上げる事により価値が上がるというのが必要!

分母を下げるとは…
①金銭的価値を下げる
値引きや割引チケット、サービス券、など期間限定で値段を安くする。
②体力的価値を下げる。
駅から遠いのでタクシー来店分割引するなど…
送迎付き。
③精神的価値を下げる。
開業前ならフランチャイズなどチェーン店の名前を買うなどや、有名店で働きその経験を使う。
開業後はここを下げるのはかなり難しい…

上記であげた分母を下げる方法はどれをみても、お金がかかります。
一時的には売上げは上がりますが、来店動機が払う物のハードルを下げただけなので、そこで終わってしまう可能性が高いですね〜

また、誰でも考えつく内容なので、過当競争に巻き込まれ、抜けられなくなるスパイラルに陥ります。
チェーン店や企業店舗はそれを承知で開業資金を蓄えてスタートしますので、中小店舗は勝ち目がありません。
分母を下げる時は考えがあって下げないと負のループになるので注意

分子を上げる方法…

基礎価値を過大評価しすぎるとお店ファーストになり、お客様が見えてないことになる。
「美味しい料理作ってるのに…」
「いいサービスしてるのに」
「いい内装のお店なのに」
などなど、「頑張ってるのに…」
となりますが…
みんな頑張ってますw
ここのブラッシュアップだけに集中していると自己満足のお店になる事が多い…

なので表1の評価が最高に良くてもポイントが上がらないようになってます。

お客様に迎合する必要はないが、「美味しく作りいいサービスで雰囲気が良ければほぼ満点」
そもそもこれが無い人がお店を出そうなんて思わないと思います…

では、どうやって分子を上げるかは、表1の「感情価値」を足していくかを考えることだと思います。

ここはとても難しく、それぞれのお店やオーナーの思いがあるので一概に「こうすればいい」とはならない…
次回の投稿で事例的に説明できれば書きます。

考えたことがどこにポジションに位置してるのか?見極めることが大切になります。

**飲食店の例を上げると**
・中目黒駅から徒歩8分、メイン通りから一歩入ったビルの2階にある居酒屋。
・オープンして半年。
・客単価一人¥4,000〜¥5,000ぐらい、夫婦で切盛りしてる。
・オーナーは沖縄生まれで京都で割烹料理の修行を10年、沖縄の地元に漁師の友達がいて定期的に採れたての魚を送ってるれる。
 奥さんは元ファッションデザイナーでセンスが良くオシャレ!内装のデザインは奥さんのセンス
<この店の「基礎価値」は>
・分子の評価
「商品10p+2p」+「サービス10p+2p」+ハード「10p+2p」……合計=36p
・分母の評価
「金銭的10p-5p」+「体力的10p+10p」+精神的10p+20p」………合計=55p
・基礎価値の値  36/55=0.65p

<この店の「感情価値」>
①京都の割烹で10年修行……10p
②地元沖縄の友人から魚を送ってくる…10p
③元ファッションデザイナーの奥さんのセンス…10p
・感情価値=30p

<総合評価>
・オープン半年の評価
(36+30)/55=1.2p
・.オープン間もないので、期間限定でサービス券などを配る事で「金銭的-5p」になるので
(36+30)/(55-5)= 1.32p
・1年後には「精神的」が-10pとなるので、そこまで頑張ればいい…
(36+30)/(55-10)=1.46p

最初はたいへんだけど繁盛店になる可能性が高いポテンシャルがあると判断します。

感情価値は大雑把な考えは1アイデア5〜10p
(ここは難しいのでいくつもの事例を出して伝えていきます)

自分が持ってる「強み」「伝えたい思い」や沢山のアイデアを出して議論し、自己満足に陥らないようにロジカルに考える事が大切だと思います。
「それって分母じゃない?」とか…
「それは感情価値たわ!」とか…
「それって分子の商品のブラッシュアップしただけじゃない?」とか…
「それは半分は感情価値だけど半分は価値のサービスだね!」とか考える事が重要!

頭の中で明確なロジックで考えると「何をどうすればいいか」が見えてる。

「基礎価値」が0.8pだから、あと10pぐらいの「感情価値」を2個足して、分母の「金銭的」を期間限定で-5p分の割引券(〇〇見た…とか‥)持ってきてもらってして来店動機を上げる。(この割引券は金銭的なポイントを下げる効果と、精神的ハードルも下げるので両方に効果的!)
来店のお客様にしっかりと10pの「感情価値」2個がをしっかり伝わるように印象付け、食後に5p程の「感情価値」強めのデザートをサービスする。(これダメ推し)
更にお会計の時に次回サービスの割引券を渡すのは金銭的なポイント下げる事で、再来店効果を上げる……みたいな!
これをされたお客様は、友人やSNSで…
「素敵な美味しい店見つけた〜皆んなぜひ行ってくださ〜い!」
「美味しい店」は飲食店を評価する簡単な言葉なのでみんな使いますが、実はその「美味しい店」の中に「得るもの」と「払うもの」の潜在的な価値が沢山含まれてるんだと思います。
(注意: しっかり把握して伝えないと伝わらない)

話し長い…w
歳をとると話が長い…

飲食店の成功率が低いのは、手を出しやすい商売だかではないかと想像します。
「脱サラで歯医者やろうか〜」とか考えないですからね〜
医者や弁護士と同じくらい飲食店も難しいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました

次回は実際の店舗の評価事例を書いてみようかと思います。

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