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EURO決勝の裏で起こった悲劇と14,720円のリスクヘッジ

「ない」

会社携帯の不在に気づいたのは、EURO決勝イタリアvsイングランドの延長戦中のことだった。タブレットで見ながら移動していた。羽田空港まで向かう途中、品川駅までもう来ていた時のことだ。

取りに帰るとフライトに絶対に間に合わない。ただ、取りに帰らずにはいられなかった。会社携帯のテザリングなしでは、テレワークはできない。100歩譲ってWiFi環境があればできるが、電話がかかってきたときに、でないというのも数時間は誤魔化せてもそれ以上はさすがに誤魔化せない。

最近リュックの小さいポケットに会社携帯を入れていることが多かったのが原因だ。取り出しやすさから定位置はそこになっていた。今日はそのリュックではないカバンできてしまった。

慎重に入れ替えたつもりだったのに、小さいポケットの会社携帯を入れ損ねた。何を忘れても、現地で買えばいいが、会社携帯はそうはいかない。

今回特典航空券で取っていたので、あまり融通はきかないだろう。ただ、修行の甲斐があってステータス会員ではある。

まずは、コールセンターへの電話だ。電話をかけると無情にも「新型コロナウイルス流行の影響のため、8時からの営業となります」というアナウンスが聞こえてきた。

時間は6時台。まだ1時間以上繋がらない。本来なら繋がっている時間だったのに。

乗らなかった(乗れなかった)場合の飛行機のルールを確認するとマイルは戻ってこない、変更は可能だから、Webから速やかに変更すべし、というのが出てきた。

実際にWebから操作してみると、確かに変更はできる。が、当日の便への変更はできない。

そこで私が考えたのは以下2つだ。

①そのまま空港に行って事情を話す。搭乗便を変えてもらって、携帯を取りに戻る。そして再び空港へ戻ってくる。

②緊急事態宣言下なので、キャンセル手数料なしで、キャンセルができる。週末の関西遠征の便を一旦キャンセルし、行きの飛行機の予約を移動。帰りの飛行機を1区間(片道)で取り直す。今日の大阪行きは新幹線で行く。6000マイルは戻ってくるが、新幹線代が新たにかかる。

自宅へ戻る方向の山手線が来るまで5分以上間隔があったので、必死に考えた。

①ができた場合は、マイルは使っているが、出費ゼロ。ただ、時間が読めなくなる。羽田ー伊丹便は本数が多いが、今日は午前中にやらなければならない仕事が結構山積みなので、プランが狂ってしまう可能性もある。そして、一番のネックは何の保証もないということだ。賭けに出なければならない。

リスクヘッジをとるという判断で、私は②を選択した。

14,720円。東京ー新大阪の指定席のチケット。決して安い値段ではないが、仕事をする時間の確保。そして、6000マイル消滅の危機回避。リスクヘッジのために使った。

今日が休みだったなら、この判断はしなかっただろう。

今日は月曜日。そして、午後休。午前は仕事が山積みの状況だったからこの判断をした。

賭けの結果は一応確認をしたいのが、私の悲しい好奇心。

今コールセンターに電話をしてみた。忙しいところ申し訳ないと断った上で、上記状況を説明する。

どうやら、①でも対応してもらえたっぽかった。私は賭けに負けたのだ。ただ、あくまでっぽいの領域はでない。今回の場合は、とスタッフの方はおっしゃっていた。いつでもそれが通用するとは思ってはいけない。

コロナの影響でコールセンターが

普段忘れ物はほとんどしない方だけど、昨夜観た舞台の余韻とEUROの決勝のことで頭がいっぱいだった。やらかしてしまった。

ただ、大阪に着くまで気づかなかったら本当の悲劇が起こっていた。気づいてよかった。まだツキがある。

14,720円は保険料とともに授業料にもなった。もしかしたらこの値段、そんなに高くはなかったのかもしれない。

自宅に戻る途中に、イタリア代表がPK戦を制し、EURO2020優勝していた。おめでとうイタリア代表。いろんな意味で忘れられない決勝になった。

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