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ボカロPの始め方 (fizfelisの場合)

こんにちは、fizfelisと申します。
普段と口調が違いますが、仕様ですので悪しからず。
ボカロPとして活動し始めて約1年が経とうとしているため、私がどのようにしてボカロPを始めたのか、備忘録として残しておこうと筆を執りました。

まず最初に注意点として、私fizfelisはまだ無名のボカロPです。作曲歴も約1年ですごい知識や技術などもありません。音痴かつ楽器素人な一般人です。そんな私が、何を参考にしてどうやってボカロPになったのか、それを記したnoteです。

ちなみにボカロPの始め方については既にものすごく詳しく書かれた記事、アンメルツPさんの「39分でわかる!ボカロPとして活動を始める方法」

がございますので、参考にしてください。

ボカロPになったきっかけ

まず、作曲を始めたきっかけですが、私はよく夢の中で曲を聴くんです。音楽をたくさん聴いて眠った日なんかは特にそうですね。私の知らない曲に即興で歌詞がついて、歌ったり演奏したり、音楽プレーヤーから流れてくる夢です。その朝もそんな夢を見ながら起きました。そして起き抜けに、「今日は作曲しなくっちゃ」と思ったのです。そういう直感には素直に従うことにしている私は、急いで本屋に向かって本を2冊買いました。そしてそれを読みながら、その日の深夜、最初の曲を完成させたのです。

私としてはそれでもう満足だったのですが、家族に聴かせたところ「歌詞がないと何が言いたいのかわからない」という意見をいただきまして、「それなら初音ミクに歌ってもらおう」ということで初音ミクを買ってきて、曲に歌詞を付けて歌わせたのが、ボカロPとしての始まりです。

ボカロPの数だけきっかけがあると思います。これを読んでいるあなたにもきっと。そのきっかけをしっかりつかんで、ぜひボカロPになって欲しいです。

ボカロPの始め方、もしくは参考にしたもの

作曲を始めた日、買ってきた2冊の本とは
・monaca:factory(10日P)『3日で作曲入門』 YAMAHA
・仰木日向 『作曲少女』 YAMAHA
です。

特にその日は「3日で作曲入門」に沿って曲を作りました。処女作「お散歩」のベースがオクターブ奏法でピコピコしているのはそのせいですね。「作曲少女」は1曲目を作った後に参考にしました。といっても耳コピ等は私はあんまりやってないです。必要な部分だけ真似してる感じですね。「作曲少女」も今はシリーズ化していて、「作詞少女」なども出ているので、シリーズ全体を一読するのをお勧めします。

初日は「3日で作曲入門」に書かれている通り、「Domino」を使ってたのですが、すぐに「Cakewalk by BandLab」に移行しました。理由は簡単で、本格的なDAWが無料で使えるからです。特に標準音源が(わたしにとっては)使えるレベルだったのと、初音ミクに歌ってもらうための「piapro studio」というVSTプラグインが使えるのが大きかったです。実は今のところ作った曲はすべて、Cakewalkの標準音源と初音ミクだけを使用しています。

そんなDAW「Cakewalk by BandLab」を用いて作曲するのに参考にしたのが、
・きになるおもちゃさんの「SONAR初見勢による『Cakewalk by BandLab』での曲作り」

です。
Cakewalkの導入方法からミキシングの仕方まで載っている神記事です。正直に申し上げますと、私は作曲の際、未だにこちらの記事を参照しています。特にミキシングの仕方を丁寧に書いてくださっているのでとても参考になります。私は手コンプまではやらないことが多いですが。。

さて、曲も出来上がりまして、次は初音ミクを入れたくなりました。そんな私が購入したのが、
・クリプトン 初音ミクV4X バンドル
です。英語音声ライブラリーがないバージョンもあります(バンドルじゃない方)。この製品には「piapro studio」(とDAWの「Studio One Artist Piapro Edition」)が付いてくるので、この製品だけで初音ミクを使って作曲ができます。私は今のところORIGINALの初音ミクしか使ってないので、やや宝の持ち腐れ感はありますが、後々いろいろできる可能性を買うという点では良かったと思っています。

初音ミクは購入したものの調教の仕方が分かりませんよね。私が参考にしたのは、
・ANGLさんの「ボカロ インスタント調教術!」

・H_Itaruさんの「初音ミクの調教」シリーズ

です。

私の今のボカロの調教方法は、DAWでメロディを大方完成させる→piapro studioに打ち込み歌詞を流し込む→しゃくりやビブラートを入れる→各パラメータをほんの少しいじる(ただしBREは0)→ミキシングの時にコンプで潰す(「1176系コンプを使って、Ratioを20、アタック最大、リリース最小」上記きになるおもちゃさんの記事参照)です。これで大体私の曲の初音ミクと同じ声になると思います。もちろん、もっといろいろと調教できるのですが、私はベタ打ちの初音ミクの声が好きなので、あえて調教を最小限にして機械っぽさを残しています。

曲の投稿先

こうしてめでたく曲はできたもののどうやって公開するかですが、私はまず
・SoundCloud


・piapro


に投稿しました。理由は動画を付けなくてよいからです。でもやっぱり、あんまり再生数伸びないんですよね。この曲を届けたい誰かに聞いてもらうためにはちゃんと動画を作らないと、ということで現在動画制作をしているところです。すべての曲に動画を付けるのは難しそうですが、ある程度は動画化して、niconicoやYouTubeに投稿しようと思っています。

SNSの活用

Twitterで@fizfelisというアカウントでつぶやいています。
もともとはツイ廃になろうと思って作ったアカウントだったんですが、fizfelisとして活動していくうちに趣旨が少しずつ変わってきて、現在は他のボカロPさんと交流したり、ボカロPの日常をつぶやいたり、ちょっとした詞をつぶやいたりしています。

Twitter運用に関して非常に参考になったのが
・ちょまどさんの「私が『ちょまどさん』として気をつけている、SNS運用5つの秘訣」

です。
この記事を通して、fizfelisという人格を見つめなおし、fizfelisは私の中の創作を司る機能が、素の私とはちょっと違う思考回路や口調をしているという結論を得て、現在のfizfelisになっています。(文章を書くとTwitterと口調が変わるのはご愛嬌。そもそも歌詞の中の口調も違うしね)。

Twitterでのfizfelisの主軸は「等身大のボカロP」です。ボカロPの日常や頭の中、日々の創作物(曲の進捗や詞)をつぶやけたらな、と思っています。できるだけポジティブにと心がけてはいますが、私の現状がちょっと大変なこともあり、多少ネガティブが出るのは仕方がないかなという感じです。私の曲(「未明」とか)を聴けばネガティブなのはわかっちゃうことですしね。

使用機材

使っている機材紹介です。基本はPCと初音ミクがあれば問題ないです。

・PC
Windows10のノートPCを使用しています。ある程度のスペックと容量があれば大丈夫だと思います。

・DAW
Cakewalk by BandLabとpiapro studio

・VOCALOID
クリプトン 初音ミクV4X バンドル

・オーディオインターフェース
故障中のためヘッドフォンはPC直挿し(録音などはしない。)

・モニターヘッドフォン
SONY MDR-CD900STとaudio-technica ATH-M50x

・MIDIキーボード
KORG nanoKEY Studio(弾けません。音を確認するのに便利。)

以上です。
音源は持っていないため省かせていただきます。

私の現在の作曲方法

まず、曲のきっかけが必要ですよね。私の場合は、ふと浮かんだメロディや詞だったり、発散したい想いや感情だったりします。そして「これを曲にしたい」と思った瞬間、曲の世界観が決まります。言語化が難しいのですが、ある一つの世界がぱっと広がって聞こえない音楽が聴こえてくるのです。これ以降はこの世界の中に入って曲を作っていきます。

何を曲にするのかが決まることで世界観まではできましたが、これではまだふわふわとしていてつかみどころがありません。そこで、その世界観を踏まえて、曲として何を表したいのか、ということを言葉にします。このとき書き下した言葉が、これから作る曲のすべての始まりです。特にこの言葉から一番重要な歌詞が出てきたりします。大事にしましょう。

それから私の場合は、作曲の早い段階で曲のタイトルを決めてしまいます。タイトルを決めた瞬間に、今までふわふわしていた曲の世界観の境界がばしっと決まる感じがするからです。タイトルには、この曲で表現したいすべてが詰まっています。作曲する上で、これから何度も先ほど書いた言葉を振り返るのですが、私はその代わりとしてタイトルを使う訳です。表したいことが明確に書き下された言葉が良いのか、それともそれを含蓄する一言が良いのか。この辺は好みの問題ですね。

さて、これから実際に作曲していくわけですが、作曲方法は人により、また場合により千差万別です。ですので、ここでは私がよくやる方法を書いてみます。

まず、曲の世界観の中に入っていき、表現したかったことを反芻します。そして、それに対して詞を書きます。そうするとその詞を歌おうとしたときに勝手にメロディが付いてきます。私はそれを作曲と呼んでいるわけです。

無数にあったはずの曲の可能性が、私が一語確定するごとに一つの世界線へと収斂する様は何度やっても身震いがします。曲の世界の中に一から積み上げていくのではなく、何かを決めるごとにパズルのピースのように勝手に次が決まっていってしまうのです。私が作っているはずなのに、コントロールできないこの空恐ろしさが、私はある意味で創作の醍醐味なのではないかと思っています。

そうやって作詞・作曲をしていきますが、常に戻るべきは最初に書いた言葉(もしくはタイトル)です。私はこれに沿わない詞やメロディはたとえ秀逸であってもすべて棄却します。逆にそれを体現する詞やメロディであれば、どんなに稚拙であっても採用します(もちろんその稚拙さが意味を持つのでない限り、より良い表現を探しはします)。そうしてできたメロディ付きの歌詞をノートに書きこんでいって、ある程度構想が固まってきたら、DAWに打ち込んでいきます。そうして打ち込みながら足りない部分の歌詞やメロディを考えます。そうやって一旦曲の最後まで歌詞とメロディを作り上げてしまいます。

そうしたら今度は初音ミクに歌わせてみます。曲に魂がこもる瞬間ですね。何度も聞き返しつつ修正していって、最後にこれで良しとなったら、作詞・作曲はおしまいです。

次に編曲作業に移ります。正直私はこれ以降の工程はあんまり得意じゃないです。ここまでで表現したいことがある程度出切ってしまっているので、やり切った感が出ちゃうんですよね。ですが曲の完成度を決めるのはむしろここからなので頑張っていきましょう。

私はメロディの次はベースかドラムを付けることが多いです。どちらもメロディを流しつつ、世界観を表現できるように付けていきます。

その次はコードですね。ベースとメロディの構成音を参考にしつつ、いい感じに付けます。これはもう自分の好みだと思います。曲の世界観を感じながら、好きに進行させてください。

そのほかの楽器を付けますが、何をどうするかは曲に依ります。私から言えることはありません。自分の感性を信じて入れていきます。

ミキシングは先ほど挙げた、きになるおもちゃさんの記事を参考にしてやっていきます。

マスタリングも同様ですが、最近は「nanoKEY Studio」を買ったときに付いてきた「iZotope Ozone Elements」というプラグインを使っています。

追記(2020/12/08)
私の作詞方法についてもnoteを書いたので、ぜひ参考にしてください。

私がボカロPを続けている理由

聴いたことのある方はわかるかもしれませんが、私の曲は全体的にちょっと暗めです。それは私自身が今ちょっとリアルが大変だからです。2年前にメンタルを病みまして、それ以来まだ回復しきれていないまま、ストレスの大きな環境にいるという感じです。作曲は私にとって感情の発散の場です。また、本業が左脳ばかり使うので、自分が良しとすればそれで良い作曲でバランスをとっている面もあると思います。総じて言えば、私は生きるために作曲をしている、もしくは死なないために作曲をせざるを得ないのです。

ですので、私の作る曲にはその時の私の状態が如実に表れます。何を発散したかったかが、歌詞や曲調を決めるからです。特に曲のクオリティにはその時の大変さがよく表れています。それは私が、これ以上にはならないのでこれで完成、としたときの判断に私自身の余裕のなさが影響するためです。もっとも私は、これで完成としたその判断さえも、その曲の一部だと考えているため、低クオリティな曲もそのまま残しています。

そんな、自分のために作曲している私ですが、もし私の作った曲が他の方にも共感されるなら、私以外の誰かも救えるなら、といった思いから拙い曲ですが投稿させてもらっています。

いつかは、もう少し余裕ができたら、もっと積極的な理由で、誰かのために作曲したいな、と思ってはいますが、当分先になりそうです。

最後に一言

あなたの曲はあなたにしか書けません。
そしてその曲を一番待ち望んでいるのもきっとあなた自身です。
「私だけの曲を書く喜び、その曲を私だけの歌姫に歌ってもらう喜び。」
そんな小さな幸せがあなたの日常にも訪れることを願ってやみません。


長々とお付き合いいただきありがとうございます。
このnoteが、新しいボカロPさんの助けになれば幸いです。

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