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マイナーチェンジを継続する老舗

進化こそ、現代を生き抜く者の使命だ。

宮崎に寄った際には必ず買う和菓子店がある。ここの大福は、飽きない美味しさだ。

今の梅雨時期だと湿気がある為、砂糖の量を微妙に調整しながら、いつ食べても同じ味になる様にしているのだと思う。

料理は科学である事に異論はない。しかしテクノロジー進化しても、未だに人間の感覚は必要だと考えている。

この和菓子店を調べると、ユニークな歴史を持つ。

1963(昭和38)年、初代社長の桐木仁一郎さんと2代目社長の勇さんが、つばき油などの日用雑貨を扱う「桐木商店」から土産物のせんべいを販売する「桐木かぐら堂」へ転業した。宮崎の新婚旅行ブームの波に乗り順調な営業を続けたが、ブームの終焉とともに家業に陰りがさした。3代目社長の孝一郎さんの妻・桐木純子さんは「手に職をつけさせ、せんべい店の隣で新しい店を開業させたいという先代の思いで、主人を和菓子職人の道に進ませたと聞いている」と話す。

東京で修業した孝一郎さんは帰郷後、「桐木かぐら堂」の隣に和菓子店「桐木神楽堂」をオープン。東京で人気だった大福の販売を始めた。現在も販売する「恵比寿大福」(160円)は、修業先から譲り受けた恵比寿神の焼き印にちなんで名付けた。ほかにも「100円で買える和菓子を作ってほしい」という高校生からのリクエストで誕生したヒヨコ型のスイートポテト「日向(ひな)ポテト」(8個入り=1,290円)なども販売する。価格は全て税別。

この事から分かる様に、時代の波にもまれて商うものを変えている。次世代も自由な発想で時代に合ったものを作っていってほしいものだ。今後も代々伝統を受け継ぎながら100年続く名店を目指してほしいと、思った朝だった。

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