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【前編】キッチンカーイベント出店で差をつける具体的戦略 京都から

記事を読みにきていただきありがとうございます。
株式会社FIVE DESIGNSです。京都の事務所から本日も発信していきます。

今回の記事では、キッチンカー事業にサービスデザインの視点を取り入れた具体的な戦略をお話ししていきます。

常に全体を俯瞰すること

キッチンカー事業に限らず、あらゆるサービスにも等しく大切なことが、「全体を俯瞰すること」です。

特に、キッチンカー事業では「顧客とは一期一会」「その場限り」と思っておられる方も多いと思います。

実は、そうではありません。
顧客行動はキッチンカーフェスやイベント参加の前から既に始まり、イベント終了後でも続いているのです。

こちらの記事をまだお読みになっていない方は先にお読みください。
購入に至るまでの顧客行動全体を細分化し解説しています。

顧客行動はサービスに関わる前後を含め、想像以上に多いです。
認知
情報収集
参加準備
参加
体験共有
継続・サイクル終了
がベースとなる行動と、前回の記事でお話ししていました。

今回は前回の情報を活かして具体的な戦略の立て方や戦略へと入っていきます。

3ステージそれぞれのやるべきことを整理する

顧客行動の全体像を大きく分けると3種あります。
イベント前、イベント中、イベント後の3ステージであり、それぞれアタックをかける必要があります。

まず、それぞれのステージでやるべきことを簡単にお話しし、その後に具体例を交えて解説していきます。

イベント前

イベント前にすべきことは「認知を起こすこと」「イベント後の顧客行動を滞りなく進める環境を整えること」です。

イベント前にはどのように認知を起こせるのか、知ってもらうにはどうしたらいいのかを考え、戦略を実行する必要があります。

あなたのキッチンカーがどこで、どんな人をターゲットに、いつ、何を提供しているのか。イベントの有無に関わらず、まず顧客があなたのキッチンカーそのものを認知することが大切です。

仮にあなたのキッチンカーに出会ったら100%購入してくれる顧客がいたとしても、あなた自身を知らなければ、購入できないのです。

もう一つ大切なのが、「イベント後の顧客行動を滞りなく進める環境を整えること」です。
イベント開始よりも前に、イベントで興味を持ってくれた人が検索した時に知りたい情報を既に知れる環境を作ることが大切なのです。

大切なのは、いかにスムーズに、滞りなく顧客が情報を得られるのかです。

この点に関しては後述しますが、絶対に押さえて欲しいのは、どこまでスムーズにできるのかが、再購入へのポイントになる、ということです。

イベント中

イベント中はやることが多いです。
・販売戦略の実行
・イベント後戦略の実行
・データ収集

この3つを行う必要があります。
データ収集に関してはできればあった方がいいのですが、難しい場合でも他の2つは必須です。

まず1つ目、イベント中の販売戦略の実行です。
どうしたら客単価を上げることができるのか、どうしたら集客できるのかを考えなければなりません。

イベントに出店して勝手に人が来て購入してくれる、ということはありません。どのように人を集めるのかを考え、戦略を練ることで初めて可能になるのです。

あらかじめ考えておいた戦略を実行に移すだけではなく、状況に合わせて戦略を練り直し、イベント中に自分のキッチンカーに人が来る状況を生み出す必要があります。

ここで同時にすべきなのが2つ目の「イベント後戦略の実行」です。

購入後に顧客が離脱してしまうのは非常にもったいないことです。
顧客に再購入を促し、継続して認知してもらうための戦略をここで実行する必要があります。

イベント中は販売に集中したい、と思われる方も多いかもしれませんが、販売中にイベント後戦略を実行することには大きな理由があります。

それは、顧客が今、「体験」している段階だからです。

顧客が体験する瞬間は、最も興味関心が高まり、物理的距離が縮まります。この瞬間に次の戦略に繋ぐことで、イベント後に繋がっていくのです。

このタイミングを逃してしまうと、顧客の興味関心は低下する一方になるので、圧倒的に不利になってしまうのです。

ここで3つ目の「データ収集」です。
戦略を考える上で大切なのは、情報を得ることです。

イベント中、販売をしながら周囲から得られる情報にアンテナを張っておくこと。これはイベントの後でさらに重要になります。

情報はお金では買えません。その場にいるからこそ得られる情報を常に探し、集めておくことが次の戦略を練るためには大切なのです。

イベント後

ここですべきなのは、「イベント中に収集したデータで戦略を練る」です。

イベント中に収集したデータを使い、何が良くて何が悪かったのかを分析し、次にどのような戦略を立てるのかに思考を転換させるのが大切です。

段階ごとの戦略

さて、イベントの前、中、後でやるべきことが違うことがわかっていただけたかと思います。
それぞれの段階ですべきことは全く違っており、ここをどうするのかによって今日の顧客が未来の顧客であり続けてくれるのかを左右します。

戦略の具体的な考え方

さて、イベントの前、中、後の3ステージですべきことが違い、戦略を練る必要があるとお話ししました。
ここでは具体的な例を用いてさらに深く掘り下げていきます。

イベント前

イベント前にすべきことの1つ目は、認知を起こすことです。

現在キッチンカー市場には低予算で参入できるからこそ新規参入が多く、激戦区となっています。
そのため、イベント出店しても人気のキッチンカーに人が流れる、商品単価が低いので儲けが出にくいなどの理由から、認知獲得前に大金を稼ぐことは非常に難しいです。

だからこそ、できる限り0円で始められることが重要になります。

0円で始められる認知獲得の例としては、
・SNSを使用する
・コンテンツ作成
が王道です。

SNSを使用することは今や必須です。
コンテンツ作成もまた、顧客とのコミュニケーションを行う、接点を作る上で大切です。

大切なのは、始めたSNSやコンテンツを使い、見に来てくれた人に対してどのように誘導していくのか、です。

SNSで毎日同じ内容を投稿するだけでは、何の意味もありません。自分の時間を削ってSNSを見に来てくれた人に対して、何のメリットを与えるのか、そのメリットによってどうして欲しいのかを考えることが重要です。

コンテンツを見に来てくれた人に対して、そのコンテンツで何を提供できるのか。一方で、顧客が何を求めていて、そのためにどんなコンテンツを作成できるのか、ということもあります。

ただSNSに投稿する、ただコンテンツを作成するだけになると、情報過多の現代社会ではすぐに流れてしまいます。より長く自身のSNSに滞在してもらう、別のコンテンツを次々に読んでもらう、など、顧客との接点を維持したり、接点の機会そのものを多くする必要があるのです。

例えば、唐揚げのキッチンカーをしていたとします。
SNSでは出店先周辺の地図やアクセス方法、提供しているものを紹介する他に、家庭でできる、唐揚げのたれレシピを紹介したコンテンツのリンクを載せておきます。

唐揚げの投稿を見るということは、食べ物に興味があり、その中で料理が好きな人がレシピ紹介のコンテンツへと移動します。

コンテンツの中には丁寧なレシピが紹介され、作ってみたら実際に美味しかったとなると、顧客の中で既に「この人は美味しいレシピを紹介している」と、覚えてもらうことにつながります。

それだけでなく、唐揚げ以外のレシピも掲載されているとなれば、晩御飯の献立に悩んだ時に再度コンテンツを見に来てくれる可能性が高まります。

そこで、コンテンツに自身のオンラインショップのリンクを載せておけば、SNSからコンテンツ、コンテンツからオンラインショップへと誘導していくことができるのです。

オンラインショップまでいくと、一度食べてみたい、と購入へと誘導できたり、近くにキッチンカーが出店するとなると、タイミングが合えば購入してもらえる可能性がぐんと高まります。

SNSをただ使う、コンテンツをただ作成するのではなく、その先にいる未来の顧客に対し、どのように興味を持ってもらい、接点を生み出していけるのか、最終的にどうして欲しいからこそ、どのように誘導するのか、あらかじめ考えることこそがポイントなのです。


また、もう一つすべきことが、「イベント後の顧客行動を滞りなく進める環境を整えること」です。
ここで大切なのが「滞りなく」進めること。

どういうことかというと、顧客がイベント後に検索した時に既に知りたい情報がアップされている、ということです。

例えば、イベント終了後、「あのクレープもう一度食べたいな。普段次はどこに出店するんだろう」と思って顧客は検索します。
「次は△月△日の〇〇イベントに出店します」
「普段は〇〇にいて、〇時~○時まで出店してます」
このような情報が既にあると、顧客はここで「認知」の段階に入ります。

顧客行動の最初に入り、次に情報収集します。

顧客が知りたいと思うタイミングは、非常に少ないです。そのタイミングを逃すことなく、興味を持ってくれた人が次にまたきてくれるように、スムーズに情報を収集してもらえる環境を整えておく、ことが大切です。

環境をしっかり整えられていないと、せっかく興味を持ってくれたにも関わらず、「どこでやってるかわからないな。まぁ、いいか」と、そのまま忘れられてしまうのです。

イベント前から、出会った人が欲しがる情報や行動を先回りして用意しておくことで、顧客は待つ必要がなくなり、次へと繋げていけるのです。

顧客は待ったり、探している情報が見当たらないと、すぐに離脱してしまうので、できる限り顧客が検索した時にスムーズに情報を得られるように環境を整えておくことは重要です。

次回の出店先を既にコンテンツ作成し、SNSで拡散したり、小さな努力を積み重ねることが重要です。

イベント中と、その後に関しては後編に続きます。