ごちうさ楽曲感想文の供養

2020/8、企画「夏休みの宿題<前半>」で行われた「楽曲感想文コンクール」。
オタクたちの怪文書が公式に送りつけられ、その中から熾烈な競争を勝ち抜き、最も評価を得た文章が最優秀賞を得るというものだ。
最大、一人あたり原稿用紙15枚分の文章を送ることができる。(最大400文字を15回だけ送信可能という制約がある)

ここに、私の書いた15枚分とそれぞれに付したメッセージを残しておくことにする。成果物は残しておきたく思うためである。

入賞などはあまり狙っていないため、素直に解釈や考察を熱っぽく書き、メッセージでは感謝マシマシにしただけなのでクオリティには自信なしだ。
(したがってまったく解釈違いなどは恐れていない。あらぬ方向に飛んでいっているかもしれないのはご愛嬌。)

※曲名の左の数字は執筆した順番である。
私はあの夏休み最終日の悲劇を起こさないために「毎日1本」の目標を打ち立て、実際にそれを達成できた。
なお、1本あたりの執筆にかかった時間は1~1.5時間ほどだ。

1.セカイがカフェになっちゃった!

タイトル:「外の世界に踏み出す一歩」

本文:この曲を初めてエンディングで聴いた際、私は打ち震えた。劇場ではなくパソコンの前だったが、それは私の視界を水びたしにするには十分過ぎたのだ。まだ、ごちうさと顔見知りになったばかりだというのに、これこそごちうさの「表現」だと信じて疑わなかった。「セカイ」が「カフェ」になってしまうというのは最高にごちうさらしい「冒険」「家族化」そして「成長」の表現方法だ。なぜならば、セカイをカフェで染め冒険するとき、カフェ内の彼女たちもまたセカイに染められ成長していくからである。こうして考えてみると、「なっちゃった」の微妙な言葉遣いがなんともニクイものだ。初めてカフェを提示した「Daydream café」と類似点が多いことからも、この曲はまさしくごちうさの「姿勢」を示していると言える。さらには、メロディー、ベース、装飾や曲の進行なども音楽的にとても素晴らしく思う。まさに「集大成」と呼ぶにふさわしい一曲だろう。

メッセージ:私はこれからもごちうさを追い続け、応援していくことでしょう。アニメ3期については原作のあの話がどうアニメ化されるのか、そしてあのOP、EDや劇伴はどうなるのか、どんなオリジナルシーンが入るか、など楽しみで仕方ありません。いつもサプライズをいただけて毎日が幸せです。あなた方にもらったこの気持ちに応えられるオタクになりたいです。ちなみにこれが一本目の楽曲感想文になります。まだまだ書かせてもらいますね。

2.らびっとビビっとShow Time*

タイトル:「お部屋の中でくるり踊れ」

本文:忘れもしないあの今年の四月二十日、Daydream☆SHOW復刻HPにて私は少し緊張しつつシンセメロを再生すると、魂を突き破られ踊りだしてしまった。なんだ、アイドルソングらしいシンプルなリズムだが尋常でない高ぶりを感じさせるあの音楽は。克明に言えば、ぽーんという音、卓越したメロディー、心地よいベース、ピアノなどの装飾音、語感の良さ、キックのタイミング、快いクリシェ、ドーンという効果音など「ここすき」の枚挙に暇がない。もちろん、歌詞も大変素晴らしい。「日常が魔法でステージになる」という最高にごちうさらしい「アイドル」の表現だ。「なりたい自分になれるよ」「ないなら作ればイイよ」という彼女たちなりの開拓精神が思う存分溢れ出た歌詞が大好きだ。そして、サビに向かって準備されていく何気ない「衣装作り」という衣食住の「衣」の表現もかわいい。やはり作詞の高瀬さんには信頼しかない。全力でらびビビを愛してる。

メッセージ:これが2枚目の提出になります。もともとは一日しか存在していなかったエイプリルフール特設サイトの曲だったと考えると、エイプリルフールアルバムにて、このようなとても素晴らしい楽曲に仕上げていただいたことはとても嬉しいサプライズでした。この曲にはいったい、何度心を動かされたか分かりません。音楽と歌詞、双方ともに抜群の完成度です。これからも全力でごちうさを応援していきます。3期も楽しみにして待っています!

3.しんがーそんぐぱやぽやメロディー

タイトル:「偶然の言葉」

本文:初めて聴いた時は正直、聴いたことがないはずなのに聴いたことがある気がしたうえに、一目惚れまでしてしまい、頭がおかしくなってしまった。これはひとえにこの曲がごちうさ楽曲の「集大成」であるからだろう。まるで今までの主要ソングをすべて混ぜ合わせて煮詰めたようだ。特に「Daydream café」や「セカイがカフェになっちゃった!」の要素が強く、やはり重要な曲なのかと再確認できた。音楽性については、具体的に挙げればサビ前のアルペジオや跳躍の多いメロディー、唸るベース、合いの手、Cメロのリズムなどがとても好きだ。また、歌詞には「歌うことの喜び」が存分に詰まっていて、まさにSFYのイメージソングにふさわしい。タイトルは畑さんらしくかなり個性的で、内容はいつも通り的確に核心を突いていた。特に、「いまの言葉で歌うよ」という歌詞から最高にごちうさらしい「日常」の概念を感じた。これからも、ぱやぽやを愛してる。

メッセージ:これで3枚目の提出になります。Sing For Youは私にとっては初めてリアルタイムで追ったアニメですので、特に思い入れが強いです。劇場での先行上映は深く思い出に刻まれています。シナリオやアニオリシーンなどはもちろんですが、楽曲へのこだわりも強く感じられました。こんなにも素晴らしい曲を送り出していただいて、非常に感謝しています。これからも私はごちうさを応援していきます。3期も楽しみにしています!

4.かさねおり

タイトル:「何気なくて特別な日常(ストーリー)」

本文:一度聴いてから好みにまっすぐ直撃し、瞬く間に私のお気に入りの楽曲となった。「しあわせな居場所(セカイ)を作り見守る」という衣食住の「住」と手作りのしあわせを表現した歌詞には、全員が幸せになるというごちうさイズムが詰まっていて、とても納得出来るものだった。また、並行世界のごとく縦に横に駆け巡る糸で紡がれた、かけがえのない「たからもの」である日常の堆積を表しているのだろうかとも思った。聴く度にかけがえのない優しさ、変わらないもの、変わりゆくものを感じて思わず感涙してしまう。音楽的にも、心地よいピアノ、弦楽器の壮大な盛り上がり、透き通った歌声、突然入るキック、元BGMからのいくつもの転調、力強い間奏部分などどれも素晴らしい。ストーリーミュージックとだけあってか、ごちうさの日常が織りなす物語そのものを直に感じられる。愛すべき「かさねおり」、そしてごちうさの物語をこれからもずっと覚えていたいと思う。

メッセージ:これで4枚目の提出となります。とても彼女たちらしい輝かしい日常を、物語のように語っているところにDivaのメンバーらしさが現れていて、今ではかつてエイプリルフール1日だけのアイドルだったとは到底思えません。アルバムにて、このような素晴らしい楽曲に仕上げていただき、感謝の念でいっぱいです。それと最後に、この曲は「銀の風〜」と始まることもあり、ぜひサキさんにもカバーしていただきたいなとも思っています。

5.MIRACLE CHRONICLE♪

タイトル:「それは冒険の始まり」

本文:私は初見でこの曲に魅せられた。壮大で力強いオーケストラ調により、RPGのような冒険感がよく出ていて、特にサビからはにぎやかなワクワク、軽快な高揚感を感じられるのだ。ギターソロも文句なしにかっこいいうえ、他にも私的に好きな音が多い。歌詞については、まさにチマメクロニクルの世界観といつものチマメ隊を端的に表したものだ。マイペースな歩み、2期のあの話を元にした宝箱の発見、いきあたりばったりの冒険、結局魔物を倒せずに連れて帰ってしまうこと、ラスボスも仲間にしようとすること、トキメキの最重視、どれをとっても一緒に冒険するチマメ隊そのままの姿で大きく頷くしかない。並行世界でも同じように冒険しているチマメ隊を見ることで、転じて木組みの街のチマメ隊の冒険にも感度高く気がつけるようになる気がした。また、全体的に歌詞の語感がとてもよく、大きなインパクトを受けた。「珍道中〜」と「前途〜」がよく印象に残っている。

メッセージ:これで5枚目の提出になります。チマメ隊ならではの冒険が、並行世界にてRPGで表現されるということ自体が目をみはるようなアイデアだと思うのですが、そのうえで楽曲でもこんなにも最適な表現をしてくださったので、頭が下がる思いです。質の高い特設サイトを毎年見せていただけるのは決して当たり前ではありません。最後に、世界観がとても素晴らしいので、いつかはチマメクロニクルのアニメ化、ゲーム化をお願いしたいです!

6.お祭り輪っしょい!!

タイトル:「ぱやぽや気分踊るよ」

本文:神田明神でのDJで使われたこともあり、本気で熱狂を作れる楽曲だと感じた。私は残念ながら踊りに行くことは出来なかったのだが、CD発売後に聴き、とても面食らった。ノれる音楽に天才的な描写力を持った歌詞が合わさることで、あまりにもパーフェクトな出来になっているではないか。「キズナのどでかい輪っか」というのは絆をみんなで回すことで、ごちうさのいたるところに現れる「循環」というテーマを象徴する表現で、またそれを「円(マル)」そして「縁」と呼ぶことは非常に興味深い。お祭りの輪投げとかけるのはまさに匠の魔法だ。マヤが投げる側であり、投げられる側でもあるというのが納得しかない。子供っぽくお祭りではしゃぐかわいいマヤだが、伴奏はとても夜の大人っぽいところがギャップを感じる。軽快な音の中で始まる耳に残るメロディーには感服だ。ラスサビ前のピアノとコンガのコンビには少し驚いたが、良いアクセントになっていると思う。

メッセージ:6枚目の提出になります。大好きな一曲で書かせていただきました。ごちうさにはDJプレイによく合う曲も多くあるので個人的に嬉しいです。時機が悪く、以前のオフラインDJ Nightには行けなかったので、今度こそという気持ちになっていましたところ、先日おうちツアーをオンラインで配信していただいて、とても助かりました。今までいつも予想を超え、たくさんの感動を与えてくれたごちうさ楽曲の今後に期待しています!

7.とびきりsummer time

タイトル:「とびきりの笑顔になる」

本文:ピアノのコード感にとても爽やかな夏の海を感じられ、ギターとシンセのリフも小気味良く素晴らしい楽曲だ。初めて聴いたときからだが、サウンドがとにかく好きで好きでたまらない。なお海はごちうさ本編で出てこないので、未知(セカイ)の象徴として描かれているのだと受け取った。また、「海も街もどこにいても」などの部分から、シャロはせわしなく頑張っている自身がみんなと一緒にいればどこでもカフェになることに気がつけている、ということをしっかり読み取れる歌詞であるのは驚嘆に値する。ただ頑なな彼女ではないのだと分からされる。作詞のあさのますみさんが他にも手掛けた2曲と同様に「理解」していると感じる。さらに、みんなでシャロのバイト先に突撃するということ自体がサプライズになっていて、そこにもごちうさのサプライズ精神がよく現れていると感じた。シャロがみんなの胸にDIVEするほど嬉しかったというのは、本当に感無量だった。

メッセージ:これで7本目の提出になります。いつの間にか毎日の習慣になっています(笑)。今の季節に合った、海辺でアルバイトするシャロちゃんの曲で書かせていただきました。とびきり輝いていて、こちらまでテンションがアガってしまいます。街ではなく海なので舞台は異なりますが、いつもと変わらずにエネルギッシュな彼女たちが想像できて、とっても楽しい楽曲です。これからも、いつも期待を超えてくれるごちうさ楽曲に期待しています!

8.きらきら印を見つけたら

タイトル:「みんなの未来を☆にしちゃおう」

本文:私はこの曲をかつて、ごちうさ曲を漁っている過程で発見し、購入してしばらく聴いていたのだが、ごちうさとココアの理解が進んでいくにつれ、だんだんと味わい深い曲に聞こえてくるようになった。曲調はとてもおしゃれで、華麗だ。また、聴いていて楽しくもあり、所々の様々な音使い、特にストリングスに大川さんのこだわりが大いに感じられる。歌詞についても、ココア自身が未来を創造し、願い、やりたいことの中にきらきら印を見つけられるというのはまさにココアの卓越した積極性や観測能力がよく現れていて、ココアソロにふさわしいと思う。未来は自分たちの意思と偶然や奇跡で決定されることをココアはよく分かっているから、夢と願いの両方を想うことができる。さらに曲調と絡めるならば、メロディーが一人ではなく二人で歌われる、ツインボーカルのような感触なので、ココアたちが街中をあっちこっち歩き回って、きらきらを見つけていくようにも見える。

メッセージ:これで8本目の提出です。私はごちうさが好きになってから、わりとすぐにキャラソンを揃え始めたのですが、当時は曲数が多くて混乱していたのをよく覚えています。この曲はかなり初めの方に買った曲でした。特にソロ曲を聴けば、キャラクターのことを深く理解できるので、ごちうさを楽しみやすくなりますし、早めに買っておいてよかったのかなと今では思います。そんな楽曲を聴けることが幸せです。いつもありがとうございます!

9.リトル*トレジャー*ハント

タイトル:「ずっと宝物」

本文:私がごちうさを意識しだして比較的早くに購入した曲なためか、とても深堀りが進んでいる曲だ。「ミライで見たイマは"たからもの"だよ」というのはごちうさ特有のものである、過去現在未来の視点関係の循環をよく表している詩で、さすが高瀬さんだと勝手に思った。また、この曲は日常の中にある冒険を表してもいて、一歩一歩を踏みしめスキをしまいながら、近くにあったはずなのに今まで気がつけなかった"たからもの"を見つけ出す姿はまさにマヤメグ、そしてチマメ隊そのものだ。チノが加わったことによって、2人のセカイはどう変化したかというのも、「仲間も増えて最強だ」とあることから分かる。原作でも回収されたほど、非常に示唆的なテーマをもつ曲だ。それと、幼少期の2人が今のイメージと逆と想定されているとしたらエモい。曲調についても、非常に軽快かつ輝いているのが彼女たちらしい。私は間奏やベース、コード感などがかなり気に入っている。

メッセージ:これで9枚目の提出になります。チマメ隊の関係性というのはときに特殊で、ときに彼女たち以外にも当てはまるもので、より理解すれば理解するほどセカイが違って見える、重要なことだと思っています。いつも素敵な一次創作、キャラソンを送り出していただけて、どんどんと目線が広がったり深まったりしていきます。チマメマーチの頃、私はごちうさを知りませんでしたが、こうして残された楽曲を楽しむ度、感謝の気持ちで一杯です。

10.一匙のお姫さま物語

タイトル:「愛をすくって」

本文:読み方が初見殺しでしかないので、しばらくの間は勘違いしたままだったことを覚えている。チノの目線からごちうさを表現した素晴らしい楽曲で、OP候補だったのもうなずける。一匙のエピソードによって物語が始まり、彼女たちが出会い、全員がプリンセス、つまり主人公としてセカイを変えてゆく。そんな彼女たちの日常のあり方が明示されている。また「現実と幻想の境目ですか」は先日公開された天空カフェテリアにもつながる、重要な歌詞だ。サキさんから受け継がれた銀のスプーンが、出会いを作り出す一匙をカフェに与え、偶然にも見える運命じみた当たり前で特別な日常が始まると考えると、この作品は様々な循環やオマージュを後付けによる再解釈で生み出してきたという歴史を存分に感じ取れる。「銀のスプーン」によって新たな意味を持つようになったのはとても意義深いと思った。曲調についても、EDM的な編曲やファンタジックさなどが気に入っている。

メッセージ:10枚目の提出になります。今回は買ったばかりの頃から大好きなこの曲で書かせていただきました。ごちうさは、過去に出したものを突然新しく解釈し直してぶつけてくるので、驚嘆します。「まさかこことここが繋がるのか!」という発見の時は何にも代えがたい貴重な瞬間です。この曲も非常に初期の曲ではありながら、今でも様々な曲のテーマに組み込まれていて、その一例でしょう。そんなサプライズをくれるごちうさが大好きです!

11.きらめきカフェタイム

タイトル:「特別だって言いたい」

本文:ラビットハウス3人組の曲といえばこの曲だろう。これも購入してすぐに好きになった曲だ。歌詞で歌われている、循環する季節をみんなで乗り超え、感謝を伝え合う輪を作り、当たり前だけれども特別にデコレーションされた日常を送るということは、まさにカフェの周りに広がる光景そのものだ。宝物のように大切な奇跡から始まり、特別を積み上げて日常とし、ここにしかない笑顔や思い出を残そうとして今を真剣に見る、刹那的で儚い姿を感じさせる。離れていても、また想いの交差点で会うことができるし、思い出だからこそ一歩を踏み出せる強さも持っているのが彼女たちなのだ。さらには、きらめきのある夢世界を見て願うこともできる。音楽的には始まりのピアノや、ゆったりとした声、間奏、きらきらした装飾音などからもラビットハウスの「今まで」を強く感じられる。このラビットハウスという原点から語られるごちうさをずっとこれからも忘れずにいたいと思う。

メッセージ:これで11枚目の提出になります。この曲の歌詞によって表現される、本当に最初のカフェだったラビットハウスから語られる彼女たちの成長に見惚れました。たくさんごちうさを浴び、多くを感じ、考えてきた今では、購入当時には見えていなかった景色が広がっていて、これもごちうさ楽曲の魅力の一つだと思っています。また、どんどんと供給をいただけるのでいつも十分すぎるほど元気をもらっています。本当にありがとう、ごちうさ。

12.チャイム♪タイムカプセル

タイトル:「足元の花と遠くの星」

本文:この曲は今の自分たちがいて、足元のきらめきを知っているがゆえに不確定な未来の輝きを見れるんだという歌であるから、ごちうさ特有の過去(思い出)、現在、未来の視点循環を最もよく体現した観測者であるメグが歌ってこそ説得力が増すのだろうと思っている。タイムカプセルというのは、現在を見つめると同時に現在の末に成り立つ未来も見ることができるものの象徴であるから、テーマとして非常に最適だ。今が大好きゆえにすべての不変を願うのではなく、変化もしていくであろう未来を信頼できるというのはとても彼女らしい。また、この曲は夢を見るというより確信度が強く「約束の表明」のようにも思えるのが良い。最後の「ずっとずっと」がチマメ隊に共通する想いであるのは歌詞中の登場回数からも分かりやすいだろう。曲調についてはやや落ち着いていて、心に染みてくるようないわゆる泣き曲という感じだ。そして大人に近づくメグを歌声からも感じ取れる。

メッセージ:これで12枚目の提出になります。人一倍「見つける」力が強いメグちゃんのバースデイソングシリーズ曲で書かせていただきました。タイムカプセルというドストレートなテーマで描かれるごちうさとメグちゃんに脱帽です。作曲家さんや作詞家さん、スタッフさんたちの愛と熱量がビシバシ伝わってくるようで、感嘆すると同時に私もしっかり応援を続け、これからもずっとずっと終わらない想いと愛を捧げられたらいいなと思う次第です。

13.銀のスプーン

タイトル:「一匙のエピソード」

本文:この曲を先行上映のEDで聞いた時は、涙を堪えきれずその場ではしっかりとは聞こえなかったことを覚えている。タイトルにもある「銀のスプーン」はヨーロッパでは、赤ちゃんに贈ると「愛」を表すものとされている。また、「一匙のお姫さま物語」でも登場した通り、彼女たちの集まるカフェに一匙を与え、その範囲を操る象徴物でもあると思われる。まるでこの2文脈を同時に回収するかのように、サキさんが愛をすくって与えるのに使ったと同時に、それをチノに受け継いでいくというのは、天才と言わずに何と言えば良いのか分からない。「優しさだけでは季節は巡らない」、この一言に障壁を乗り越えてきた証、そして強さをもって今を重ね、セカイに繰り出していった証が包み込まれている。いつも思うのだが、ごちうさは「季節」の象徴的な使い方が明らかに巧みすぎる。音楽的には、スウィング・ジャズ調のしっとりした曲で、サキさんらしいのではないかと感じた。

メッセージ:これで13枚目の提出になります。とにかくストレートにサキさんとチノちゃんの愛を歌った歌詞が心に突き刺さるようで、大好きな一曲です。SFYは3期0羽と原作歌姫回の補強を担いつつ、素晴らしい映像と楽曲を提供してくれました。本当にありがとうございます。特典も盛りだくさんで、制作秘話からもスタッフさんたちの愛が感じ取れました。私も熱心に応えなくてはと思わされるほどです。これからもごちうさを応援し続けます。

14.マワールエスポワール

タイトル:「ゆっくりとまわるセカイ」

本文:この曲は同時発売された「メランコリアフタヌーン」とセットであり、タイトルはもちろん歌詞の細部に至るまで対比がなされた新しい試みでとても感心した。作中で観測する彼女と作中で観測される彼女の両方を描き、それが我々のごちうさの観測方法にも適応できるというのは、旅人かつ語り手である彼女こそが持ちうる力の賜物なのかなと思ったりもする。観覧車は循環を象徴しているが、同じ場所の未来に帰ってきたようで、ひとまわり違った自分と景色が見えるというのが完全な解釈一致だと読み取り、独りガッツポーズしたことを覚えている。また、一言一句が小説家らしく含みのあるようにも感じられる素敵な表現であるからこそ、より彼女の見ている世界、つまりはいつもの街での彼女だけが知る景色の発見を存分に垣間見ることが出来るのだろう。シンプルで洗練された音色が組み合わさり、流れるような曲調で、音楽的にも青山さんの歌声にマッチしていると感じる。

メッセージ:これで14枚目の提出になりますが、そろそろ名残惜しくなってきてしまいました。今回は青山さんの素敵な観察眼が光る一曲で書かせていただきました。ごちうさのキャラソンは非常に凝ったものが多く、物語の重要なキーになることもありどれも侮れません。これも、一丸となってごちうさの一次創作を完成させようというKoi先生、アニメスタッフさん、作詞家作曲家さんなどの情熱のおかげです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

15.Spring Hello!!

タイトル:「めぐる季節を一緒に超えて」

本文:「季節のトビラを開ける」とあるように、循環の更新でありワクワクが止まらなくなる春を描いた一曲だ。循環していると、同じ場所に帰ってくるように見える一方でそれは歩き続けている証拠でもあり、つまり変化を伴うことであるというのが「繰り返す季節でも同じ春なんてない」「昨日までと何か違う」「それは思い出の数だね」などから分かる。このような、変化によるある種の相対的な不変というのがごちうさの核の一つかもしれないと考えている私にとって、この曲は一つの重要な鍵とも捉えられる。またココアの、積極的に出会いを求めてセカイに飛び込む冒険者的な姿勢は、「偶然だけじゃものたりない」という歌詞から存分に感じ取れるだろう。「春」がもつ様々な性質を目一杯ごちうさ、そしてココアに落とし込んだ、最高の歌詞ではないかと思った。音楽的にも、随所に仕込まれた効果音やラスサビのストリングス、賑やかなサウンドなど好きな箇所は非常に多い。

メッセージ:これで最後の1枚です。このような企画を開催いただき、ありがとうございました。私自身、様々な楽曲を改めて見つめ直す良い機会になりました。本当にいわゆる普通の日常ものとは言えないくらいに、ごちうさのもつパワーは凄まじく、楽曲もその例外ではないです。いつもサプライズに振り回されるただの1オタクですが、ごちうさがもっと花盛りになるように願い、応援していくつもりです。最後に、BLOOMを楽しみにしています!



以上で終了だ。思考をアウトプットする良い機会になったと思う。感謝。

(なぜか感想文以外の文体も常体なのは感想文につられてしまったため。直すのがめんどくさかった。赦して)

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