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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論424」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」18~※名称等は当時、一部文章省略
Ⅲ業態の分析
(3)トレーニング(ソリューション)系のフィットネスクラブ~ハンズオンでソリューションを提供できるクラブ
運営上の留意点
運営上の留意点としては一般的なクラブと同じことをしようとしたくなる誘惑にはまらないことである。
例えば、広告宣伝に大きな費用を投じてトレーニングに充分なコミットメントを持っていない一般生活者まで集客してしまうというような愚を犯すべきではないだろう。
それは「ムダ」を生むばかりか、クラブの雰囲気を壊し、この業態を持つ好循環を断ち切るような逆効果をもたらしてしまうだろう。
課題と将来動向
ゴールドジムのT社長は次の2つを課題として挙げていた。
1つは利用者数を伸ばすことである。
この業態は利用率の上昇が売上高の上昇とリンクする。
従って「(売上高を高めるのに)一般的なクラブと違い、新規入会者を増やそうとするのではなく、利用者数を上げようとすることが肝心。ゴールドジムの場合、利用者数が増えるとカフェの売上高や有料レッスンの参加本数などがぐんと上がる」(T社長)という。
いたずらに新規入会を増やそうとするのではなく、既存会員を大切にすることになるため、この課題の取り組み策は会員定着や会員紹介などLTV(生涯顧客価値)を高めることにも繋がる。
もう1つはジムスタッフのレベルアップを図ることである。
今、ゴールドジムでは厳格な基準を決め、実技と筆記による試験を行ってジムスタッフを7段階にランク分けし、どのスタッフがどのレベルにあるかを、メンバーがきちんと分かるようにしている。
スタッフも勉強せずにはいられなくなる。
ゴールドジムではこの勉強をサポートするように来年にもウェイトトレーニングに特化したアカデミーを開設する予定である。
現在も週2回の社内研修をずっと続けているが、アカデミー開設により、才能のあるトレーナーを集め、プロフェッショナルなスタッフをどんどん養成していきたいと考えているのである。
この2点は強みを盤石なものにするのに大変合理的なものといえよう。
この業態の将来性については「ゴールドジム横浜馬車道」を経営する株式会社スポーツプロジェクトのK氏が次のように語っている。
「今までジムは、スポーツクラブの中心アイテムでありながら、そのトレーニングの孤独さゆえ、他のグループレッスンより華やかさと話題性に欠けていました。しかしスポーツクラブの普及とともにウェイトトレーニングに対する正しい知識が広がり、多くのトレーニング上級者が生まれてきました。またパーソナルトレーナーの登場によりペアでトレーニングする姿を数多く見かけるようになり、その人たちのライフスタイルに魅力を感じた人々も多くなっていると思います。今、時代の流れは明らかにジムの方に向かっています。多くの人々がジムでのトレーニングをカッコいいものと思い始めたのです。そうした流れの最先端を走っているのがゴールドジムなのです。」
~ここまで~
最近の筋トレブームは上記記事のコメントのように「カッコいいもの」としての地位を不動のものにしています。
ただ、その分、このポジションの独自性は既に失われつつあり、どのように違いを出していくかが今後、益々問われてくるでしょう。
パンデミック以降の一つの気付きとして、相変わらず増殖を続ける24Hジムにおいても、また今回の記事で言う一般的なクラブでもウェイトマシンのラインナップを充実させたり、フリーウェイトエリアを拡張する動きが出ていると思われます。
個人的な分析としては、集客・定着難易度が益々上がった初心者や低体力者をターゲットにすることを諦めて、ジムの充実さを選好要件としてセルフモチベートできるシリアスユーザーを奪い合う構図になっているということです。
つまり参加率3%のユーザーの中のさらにミクロの対象者を手っ取り早く取り込みたいという考えが透けて見えるようです。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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