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3月6日(水):「老化時計」の個人差を分かつ生活環境因子

このところは厚生労働省が飲酒に伴うリスクへの理解普及のために明示した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」から端を発してウェルビーイングな食事といったことに触れています。

そのなかで昨日、一昨日は書籍「ウェルビーイングで変わる!食と健康のマーケティング」(編著者:藤田康人)のことを取り上げました。

本日はそこから派生する形で、そこで掲載されている最新研究や取り組み事例などの状況を少しばかり。

同書で紹介されていた研究のひとつに「ダニーデン研究」があります。

こちらはニュージーランド南島のダニーデン市で1972年から73年に生まれた約1,000人を26歳から45歳までの20年間追跡した研究になります。

同じ街で同じ年に生まれた45歳でも、最も老化が進んでいる人は、平均より脳年齢で3.79歳、見た目が4.32歳も老けていたとのことです。

前述した差は最も老化が進んでいる人と平均値とのギャップなので、もっとも若い人とのギャップはその2倍にあたります。

つまり20年の間に脳年齢なら最大で約7.5歳、見た目なら約8.5歳分の開きが生じていることになります。

この研究ではHbA1c値、心肺機能、ウエスト/ヒップ比など研究参加者の生体データ19種類から老化ペースを算出しており、暦年齢が1年進む間に2.4年以上老化が進んでいた人から、0.4年しか進んでいなかった人までいたといいます。

20代半ばという、まだ十分に若い時期からでも確実に老化は進んでいて、そのペースは人によって大きく異なっていることがわかります。

こうしたダニーデン研究から現在は老化ペースを予測する老化時計を作り、他の指標とあわせて老化ペースの検査への応用が進められているそうです。

また日本抗加齢医学会理事長による「これまでの研究から、寿命には7割程度、生活環境因子が影響すると考えられる。そこで老化時計で自分の老化ペースを知り、食事、運動、メンタルなどの生活環境因子を変えることで老化を抑制しようとする研究が日進月歩している」とのコメントが出ていました。

前述した研究のように20代から40代の間でも老化ペースにおける顕著な個人差が見られますが、より老化のステージに向かう40代から60代、さらには60代から80代に入っていけば、生活環境因子による老化ペースの違いがいっそう際立っていくであろうことは容易に想像がつきますね。

私たちはスクール制小型フィットネスクラブを運営する民間企業なので、運動習慣をはじめとして健康に留意しているお客様を日頃から目にしていますが、やはり暦年齢以上に若々しかったり、行動的であったりするので、この点は肌感覚としても合点がいきます。

老化ペースについて、個々の遺伝的要素はいかんともしがたいものがありますが、7割程度が自分でコントロール可能な生活環境因子ということであれば、ここは見直していく意義も、余地も大きいはずです。

私たちのクラブでは日常の「習慣」にフォーカスをしているので、改めてその大切さをふまえて運動指導や栄養面でのアドバイスができれば良いと思っています。

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