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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論615」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第19号(2005.7.25発行)「ヨガ/ピラティス」3~※名称等は当時、一部文章省略

指導者の育成と採用が鍵
TIPNESS ONEにおいても既存店においても、ヨガ系プログラムはますます増加し、それに伴い集客率も伸びている。
日本におけるヨガブームの火付け役とも言える同社は、その行く末をどう見るのか。
「一過性のブームに止まらず、定番商品になるのではと考えます。そこで我々が留意しなければならないのは、そのプログラムの品質です。換言すればインストラクターの技術と教育。それがキーとなるでしょう」(F氏)

かつてエアロビクスが勢いよく伸びた時、インストラクターは各々の個性を存分に発揮すると同時にお互いが良い刺激を与え合い、切磋琢磨することでさらにエアロビクスの浸透に拍車をかけた。
その点、ヨガはどうだろうか。
「現在はみな一様に同じ形で指導をしていますが、自分なりのヨガを確立したインストラクターが活躍する土壌は大いにあると思います。しかし、今は需要と供給が合っていない。ヨガスタジオやプログラムは増加するのに、一方では指導する人材がそれに追いついていないのが現状です。今後、ヨガブームの勢いは一旦ストップし、淘汰が進むのではと思います。それに対し、フィットネスクラブやヨガスタジオがどう対応するのか。その時、生き残れる力を今、どうやって養っていくのか。それを決定するのは提供するヨガプログラムの開発力であり、また指導するインストラクターの技術であるのでは、と思います」(F氏)

TIPNESS ONEのスタジオプログラムは何もヨガに限っているわけではない。
ダンスもあればカーディオ系のものもある。
エアロビクス系クラスにも人気インストラクターを揃えている。
F氏は「会員のあらゆるニーズに応えるため、最適な商品アイテムと量を提供するのがフィットネスクラブの使命」であるとし、最もニーズが高く、望まれているプログラムを高品質で提供することを追求している。
今、望まれているプログラムがヨガであるとすれば、実力・人気とも最高水準にあるスタジオから指導者を招聘する。
その他のプログラムについても、外部との協力体制を築きながら、絶えず視野を広く保っている。
TIPNESS ONEの「最高のプログラム」を「最高の品質」で提供する挑戦は、まだ始まったばかりだ。

~ここまで~

TIPNESS ONEが数年で撤退し、記事にある淘汰が現実のものとなったことは歴史の皮肉としか言いようがありません。

ただ、一過性のブームに止まらず、定番商品になるという予測も当たり、その後のホットヨガブームに続く最初のきっかけを創ったという意味で、同社の取り組みや仕掛けは歴史的に評価されるべきだとも思います。

エアロビクスしかり、ヨガしかり、現在のパーソナルトレーニングしかり、最終的に生き残るのはインストラクター・トレーナー個々の実力である点は疑いようのない事実であり、もっともっとその部分にフォーカスする必要が経営上もあると考えます。

お読みいただきありがとうございました。

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