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2月17日(木):1日24時間の壁

明日にはサッカーのJリーグにおける2022年の新シーズンが開幕をしますが、Jリーグと関連したところで大きなトピックスになったのがDAZNにおける大幅な視聴料の値上げですね。

従来の月額1,925円から3,000円へと一気に1,000円以上の値上げ幅となり、ユーザーを少なからずザワつかせたところはあります。

そうしたなかKDDIではDAZNの視聴料とデータ容量の使い放題プランをセットにして、実質的にはDAZNが1,100円で視聴できるサービスをリリースしました。

このサービスにはDAZNに加えてネットフリックス、アップルミュージック、アマゾンプライム、ユーチューブプレミアムなど、計7つの有料動画、音楽配信サービスがパッケージ化されています。

各種の動画や音楽配信サービスはそれぞれにユーザーや時間を奪い合う競合にあたりますが、それでもこうして同じKDDIのプランのなかにあえて自らのサービスを組み込んでいくのはメリットがあるからです。

それはスマホの通信料という各種ユーザーにとっては切り離しがたい個人インフラと呼べる支払いとバンドル(統合)されることでの利点です。

スマホは頻繁に乗り換えたり、契約・解約を繰り返すものでなく、安定した利用が見込めるもので、そことセットの支払いになっていることで各種動画配信サービス単体の加入者よりも解約率が低く抑えられることになります。

動画配信のプラットフォーマーにとっては解約のチャーンレートをいかに低く抑えられるかどうかがLTV(ライフタイムバリュー)をはじめ、収益の最大化と密接に関係してきますからね。

それだけに各種プラットフォーマーがこうしてひとつのサービスのもとに軒を連ねる形で並ぶ格好になっているのだと思います。

もちろん、ユーザーにとってみれば個別にそれぞれに加入するよりは、パッケージ化して安くなることでのメリットもあるから、そこは利害が一致する面もあるでしょう。

ただ、ここでのネックは先般に「動画配信サービスの岐路」と題したブログにも記したように、もはや個人における時間の上限に達しているのではないか、という疑問です。

ネットフリックスにしても、ディズニープラスにしても、各種動画配信サービスの新規加入者数の伸びが鈍化しているのは、コンテンツの良し悪しといったプラットフォーム間での優劣の観点だけではなく、個人としてそこに使える時間が頭打ちになっていることのほうが大きいと捉えています。

仮に自分自身で考えても、先の7つのサービスがバンドルされたものへ加入したとしても、現実的にすべてのサービスを利用する時間はありませんから、ここまでいってしまうと無用の長物にも感じられます。

先日のブログでも記しましたが、動画配信のプラットフォームこそ違えど、視聴コンテンツや全体の視聴数に占める上位コンテンツの割合、視聴行動は酷似していて、パッケージ化されるプラットフォームが増えても、それがストレートにユーザーにとっての価値になるとは言い難い面もありますね。

各種コンテンツサービスとしては個々のユーザーにとっての「1日24時間」という最大の制約条件を前にどうしていくのか、そんな問いが立てられているように思います。


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