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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論731」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第29号(2007.3.25発行)「高価値スパ付帯型フィットネスクラブ」1~※名称等は当時、一部文章省略

施設の多様化が進む中、大型スパ施設や温泉施設を付帯・併設して集客を伸ばすフィットネスクラブが増えている。
温浴施設を充実させることによって、どのようなメリットがあり、会員の流れはどのように変わるのだろうか。
本稿では、大型スパや価値付加型の温浴施設を併設するフィットネスクラブの現状をまとめることにした。

進む温浴施設の増加

健康への関心の高まりとともに温浴施設の数は増えている。
厚生労働省大臣官房統計情報部が毎年発表している「衛生行政報告例」によると、温浴施設数は年々増加傾向を続けている。
過去10年間で「普通公衆浴場」、つまり銭湯は2,611軒減少したが、一方で「その他公衆浴場」、いわゆるスーパー銭湯や健康ランドなどの温浴施設は3,912軒増えている。

この10年間で最も軒数を伸ばしたスーパー銭湯は平成に入って登場したもので、日本に古くからあった銭湯と、より大型の施設を備えた健康ランドのちょうど中間のサービスと価格帯で人気となった。
充実した施設を500~800円という比較的安い料金で利用できることで、町の銭湯では物足りず健康ランドでは価格が高すぎるという消費者のニーズに応えた。
さらにこれまで銭湯には興味の無かった層も惹き付け、「気軽に行けるレジャー施設」としての地位を確立した。
その規模は時代の変遷とともに変化しており、初期は比較的小規模で回転率を重視していたが、近年では大規模・長時間滞在型店舗の出店が多い傾向にある。
スーパー銭湯の新規出店ペースは、現在はやや鈍化しているものの、施設の規模はさらに大型化している。
食事処やボディケアの充実、岩盤浴のマストアイテム化などが進み、競争は激化している。

利用者の滞在時間も初期の頃は1時間程度であったものが、現在では3時間近くにまで伸びており、飲食など周辺事業の拡大により客単価も上昇している。
また、最近では天然温泉を導入する施設も徐々に増えている。
レジャー施設としての機能がより充実した店舗の出店も相次ぎ、東京の「大江戸温泉物語」や「スパラクーア」などのエンターテイメント型の大規模な施設が人気を集め、いま温浴施設は多くの生活者にとっての関心事となっている。

フィットネスクラブの温浴施設

日本のフィットネスクラブは欧米の施設をモデルとして造られたため、もともと温浴施設は無く、プールサイドのスペースに水着で入るジャグジーやマッサージプールを備えるケースが多かった。
しかし、近年のフィットネスクラブでは、一部のジム・スタジオ型クラブや小規模フィットネスを除いて温浴施設の付帯は標準的なアイテムとなっている。
近年では単に入浴するだけの施設に留まらず、そこに新しい価値を付加するクラブが増えている。
フィットネスクラブが温浴施設に高い価値を付加することには、どのようなメリットがあるのだろうか。

~ここまで~

スーパー銭湯が、平成に入って登場したものということは知りませんでした。
つまり、フィットネスクラブの方が歴史としては長いということになりますが、現在はスーパー銭湯の方が多くの生活者にとって身近な存在になっていると思います。

アバター近藤は、スーパー銭湯が好きで、首都圏の有名施設を訪れたり、近場の施設に良く行ったりしますが、やはりフィットネスクラブのユーザーと比較して、老若男女じつに様々なタイプの方々が利用されていることが分かります。

総合型クラブなどに通い、ほぼ毎日スタジオプログラムを嬉々として参加している会員様は、むしろ特殊な方々のようにも思え、その顧客対象の狭さが参加率の長期停滞に繋がっているようにも感じます。
その意味で、フィットネスクラブに温浴施設を付帯するという考え方自体は、それなりに当時として理にかなった戦略であったと振り返ることが出来ます。

お読みいただきありがとうございました。

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