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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論457」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「定着志向のクラブづくり」26~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅱ.質問への回答

セミナー参加者の方々から寄せられた質問にポール・ブラウン氏に回答いただいた。

Q「会員の定着にはスタッフの定着が欠かせないと思いますが、いかがですか?もしそうだとするとスタッフが定着化する良い方法を教えて下さい。」

A .スタッフの定着はビジネスを成功させる上で欠かせないものだと思います。私の経験から下記の3つのことが有効であると思います。1つ目は認証です。スタッフのいい仕事に対して、それを直接認めてあげること、そしてまたその功績を会議や会報などを通じて同僚やメンバーなどにも紹介することなどです。2つ目は個人的な能力開発ができるような機会を提供することです。人は成長するところに留まります。研修はスタッフに対するオリエンテーション(初期教育)から始まるシステム化されたプロセスを用意し、スタッフがそれを受けることによって、自分の職務に対して自信が持てたり、実際に成果が出せるようにすることです。そうした機会を提供し続けることも重要です。スタッフは会社が自分に投資してくれると感じると、自分が認めて貰えていると感じ、そこで長く働いていこうと思います。そして3つ目は報いることです。優れた功績や目標達成、勤務態度などに対して報いる機会を提供することです。いくつかの種類の報奨機会を持つと良いでしょう。スタッフにどんな報奨制度があったらいいと思うかについて訊き、それに向けて頑張れるような環境を作ることが大事と言えるでしょう。

Q「前の質問と関係しますが、今クラブは人件費効率の関係でパートタイムスタッフを多く雇用する傾向にあります。しかし、彼ら彼女らはすぐに辞めてしまうため、顧客へのサービス品質の劣化から退会に結び付きやすくなります。やはり人件費効率は落ちても、長く働いてくれるフルタイムスタッフを雇用した方が良いのでしょうか?」

A .これに関しては、需要動向によると思います。需要が安定していれば、フルタイムのスタッフがある一定のシフトで働くことは有効です。優れたスタッフはビジネスにとって重要であり、そうしたスタッフへの投資は、その分、長期的なリターンを望めるでしょう。しかし、需要に変動がある場合には、人件費の効率を高めるためにパートタイムスタッフを積極的に登用することも悪いことではないと思います。パートタイムでもフルタイムスタッフ同様の責任を任されたり、前述のような自分が認められていると感じられる環境があれば、コミットメントを持って長く働いてくれるはずです。ですからフルタイム・パートタイムに関わらず、スタッフに投資し、育て、認めていくことが重要です。スタッフの入れ替わりが激しいことを会員が気付けば、会社が十分に報酬を払ってないのではないかと想像し、クラブに対して魅力を感じなくなってしまうのは当然のことです。

~ここまで~

パンデミック下で多くのクラブは、ここ20年進めてきた人件費効率化をさらに見直し、削減してきたと思われます。

このことが意味するところは、記事最後の一文に尽きると思います。

つまり、スタッフの入れ替わりの激しさ同様に、スタッフを削っているという雰囲気をお客様が感じとった場合のネガティブな印象は、クラブへのロイヤルティに直接影響し、結果、定着率の悪化に繋がると考えられます。

自分の好きな食品が、容量が減った上で値上げまでされた時の複雑な感情を思い浮かべてみるとイメージしやすいのではないでしょうか。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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