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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論598」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「米国クラブ業界のトレンド2005」1~※名称等は当時、一部文章省略

IHRSA設立に関わった一人で、この業界で30年を超える経歴を持ち、アメリカフィットネス業界の歴史と財務に知悉しているマネジメントビジョンCEOリック・カロー氏に「米国クラブ業界のトレンド」と題してセミナーを提供して頂いた。
現在カロー氏はクラブオーナーを退き、コンサルタントとして活躍。
この6年間で1300社以上のコンサルティングを手掛けている。

クラブ業界のビジネスとしての魅力
クラブ業界が魅力的である要因を確認しておきましょう。
まずこのビジネスは人口動態に沿うものである点が挙げられます。
今後、進む高齢化に合うビジネスです。
近年、人々の健康志向の高まりが見られ、毎日のように新聞などに健康に関する記事が掲載されています。
米国の医療費が高騰していることから、人々の生活習慣を改善することの重要性も高まっています。
業界自体としては、近年、フィットネスクラブの専門性と信頼性が高まっています。
これは数年前と違ってきている部分です。
また、この業界は不況に強い業界と見られています。

クラブ業界の成功要因
では次に、この業界の重要な成功要因について見ていきます。
まず重要なのは市場調査です。
需要が供給を上回っていることが重要です。
次にアクセスのしやすさがあります。
視認性が高いことも重要です。
提供する施設アイテムやプログラムも重要です。
また、どのビジネスでも同じですが、確かな経営手法を取っていることが重要です。
例えば市場規模に合った投資額や施設規模にすることが重要ですし、価格設定も重要です。
また、長期的視点に立てば、いかに競合クラブと差別化した独自のニッチ市場を作り上げていくかが非常に重要だと言えます。
クラブ業界の課題として、多くのクラブがきちんと自クラブをポジショニングできていないことがあります。

~ここまで~

最後にある「多くのクラブがきちんと自クラブをポジショニングできていないこと」については、現在、日本でもいまだ見られる光景だと言えます。

記事当時のように大型クラブが成功すれば他社も追随し、ジムスタクラブが成功すればそれ、ホットヨガスタジオ、24時間ジム、パーソナルトレーニングジムなどなど国内の歴史を振り返れば、新たな業態の開発と追随、競争激化のサイクルを延々と繰り返しているようです。

当社直営の小型クラブは、恐らくパンデミック下で会員数減の影響が最も少なかったクラブの一つと考えられ(10%前後)、それは同業他社とは全く違ったアプローチで以前から運営していた恩恵だと思っています。

クラブの看板が変わっても、顧客が違和感を感じないような経営・運営は極めて危険だと言わざるを得ません。

お読みいただきありがとうございました。


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