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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論312」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「インストラクターの時代」3~※名称等は当時、一部文章省略

2.インストラクターの時代

商品の本質的な機能が着目され、その巧みな提案と提供が「個客」の満足度を次第に大きくしていくという顧客価値創造時代には誰が脚光を浴びるのだろうか。

恐らく顧客接点にいるインストラクターやトレーナー(以下、総称してインストラクターという)ではなかろうか。

あるいはインストラクターを経験し、インストラクターのことが良く分かる本部スタッフではないだろうか。

そうした「インストラクター」こそが直接的に顧客のニーズを知り、ソリューションを提供できる。

顧客はインストラクターに導かれる。

これからはインストラクターが本来の力を発揮して、クラブ経営を支える時代になるだろう。

この10年間を振り返ると経営資源としてのインストラクター、特にジムトレーナーは、あまり着目されてこなかった。

最初の5年間は立地や施設、料金・利用システムが重視され、次の5年間はプロモーションや営業、グループエクササイズプログラムが重視されてきた。

これら基本的な要素の重要性を身をもって知り、そこを適正化したことで、次に特徴的優位性を作れる要素を探すとすれば、顧客の欲求に踏み込んでソリューションを提案・提供できるインストラクターだろう。

彼ら彼女らが着目されるのは自然な流れなのかもしれない。

過日、FIAにより実施された全国のクラブ支配人への調査にも、このことは表れていた。

「店舗経営における重要な要素は?」の問いに対して、立地、施設、料金など8要素を重要な順に並べて貰う設問に、支配人らは立地(40.3%)の次に、インストラクター(27.3%)を挙げていた。

どうやら「インストラクターの時代」は真実味を帯びてきているようである。

次代のマーケティングを解く鍵もインストラクター、またはインストラクションにあるのではないだろうか。

~ここまで~

記事には、店舗経営における重要な要素の2番目に「インストラクター」が挙がったとのアンケート結果が紹介されているものの、実際にこの20年間で「インストラクター(トレーナー)」が主役になるような時代は訪れませんでした。

もちろん、短期ダイエットに特化したパーソナルジムの増加等によって物理的に主役になることはあっても、経営意識として本当に顧客価値創造の主役と捉え、クラブ設計している企業は少ないと言えるでしょう。

当社代表の伊藤さんは、そのような変わらぬ流れへのアンチテーゼもあり、トレーナーが真に主役となれるクラブとして小型クラブ「ALIVE」を、パンデミックが起こる5年以上前から構想しておりましたので、経営者が本気でその通りだと思うことがニューノーマル時代に対応する出発点であると考えます。

これまでの期間にヴァーチャルスタジオを導入しているような経営感覚では、「これからはジムのスクール化が大事」といった発言も恐らく一過性のものだと思われます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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