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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論744」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第30号(2007.5.25発行)「米国クラブ業界の最新トレンド」2~※名称等は当時、一部文章省略

トレンド1「プログラム重視」

米国のクラブはもともとシンプルな造りをしているところが多く、施設で魅力付けをしようとするクラブは現在も少ない。
古いクラブにとっては、施設で競争力を保つことは至難の業となる。
自然、プログラム重視の施策やオペレーションを採ることになる。
新しいクラブでさえ、限られた資源で勝負するうえではプログラムで、競争力を備えることが欠かせない。
プログラムは以前にも増して、重要視される傾向があるのだ。

現在の米国のプログラムトレンドは、内容で言えばグループでは「ヨガ」、パーソナルでは「ファンクショナルトレーニング」に集約される。
「ピラティス」も伸びてきてはいるが、まだ主流とまでは言えないように感じる。
アクティブなプログラムとしては「スピニング」が定着した人気プログラムとなっており、「ボディパンプ」などのバーベル系プログラムや「ブートキャンプ」などの、強度が高いプログラムも人気が高い。
新しい動きでは、グループとパーソナルの中間に位置する「セミパーソナル」が伸びてきていることがある。

依然人気のヨガ

「ヨガ」の人気はまだ衰えを知らず、多くのクラブが「ヨガ専用スタジオ」「ホットヨガスタジオ」を付設して成功している。
ボストンのスポーツクラブLAでは、従来ヨガスタジオであったところが手狭になったことから、同じビル内の別のフロアにスペースを確保して、そこにスタジオを併設。
ヨガレッスンの際にシューズを置いておく下駄箱のようなスペースも設けられ、またパーソナルヨガのための部屋も数個増設された。
サンフランシスコベイクラブでも2年前にいち早くホットヨガにも対応する「マインド&ボディ」スタジオを隣のビルに増設。
ジムエリアから上手く階段で繋げて異空間を作っている。
これが多くの若年層メンバーを惹き付けている。
同クラブは高級クラブとして運営していたこともあり、数年前まで30歳以下のメンバーがわずか3~4%であったが、時代に合わせたリマーケティングにより、現在ではその層が24%を占めるに至っている。
ヤングエグゼクティブにターゲットするイクイノックスも、スタジオの1つは完全に「ヨガスタジオ」と位置付け、アジアンテイストのソフトなライトと、竹林を使った床を使用し、後方にはヨガマットやラグ、ブロックなどを1人分ずつきちんと収納できる棚が取り付けられている。

~ここまで~

パンデミック下の厳しい経営環境の中、当社が主に考えていたことは、既存顧客に対していかにプログラムを充実させるべくバージョンアップしていくかということでした。

以前にも何度か記しましたが、業界全般で違和感を感じた同環境下での変化の一つは、非接触を言い訳にしたバーチャルレッスンの導入です。
何故ならバーチャルレッスンをライセンス提供する企業は、海外系の数社に限られ、結果、自ら無差別化の方向へ舵を切る行為だと言えるからです。

もちろんプレコリオプログラムが全盛の現代において、もともとの同質化傾向は否めないものの、それでも同じプログラムで集客に差がでるのは、レッスンインストラクターの個性が掛け合わされるからだと思います。

つまり、これらの差別化要素を自ら捨て去る行為は、コスト削減が急務だったとは言え、優先順位を完全に誤った施策だとアバター近藤は考えております。

お読みいただきありがとうございました。

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