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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論730」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第28号(2007.1.25発行)「不利はサービスでカバーする(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略

奥会津の人気旅館

これらのサービス以外にも、陶器づくり、そば打ち、湯めぐりなど、奥会津でなければ体験できないことをアレンジすることで、「わざわざ訪れて良かった」という満足度を高めることに成功したのです。

また、この旅館の後継者であり、実質的に運営の先頭に立つS氏は、「地域のお役にも立ちたい」と、利益を度外視した花ホテル講演会を、旅館内で継続実施しています。
昨年末に73回目に達した講演会は、遠方からも足を運ぶファンのいる人気事業。
つまり、「社会的貢献」というテイストが加わることで、同旅館の存在は、さらに大きくアピールされるようになりました。
そういう旅館の姿が、女流コミック作家・星野みめさんに知られ、この旅館をモデルにした漫画「花のやでございます」(上下巻・講談社)が発行されました。
「花ホテル滝のや」は立地と建物は非常に不利ですが、それを消費者に隠さず、サービスでカバーする精神を前面に出すことで、宿泊客をリピート客にすることに成功したのです。

手間が生む満足

いま、温泉旅館のトレンドは「露天風呂」から「源泉かけ流し」へと進んでいます。
それにあわせ、ニーズに合わせた設備に改造する旅館がたくさんあります。
ただ、流行を追い続けるには、かなりの経費を必要とするでしょう。
それに、設備を変えただけでは、ライバルと横並びになるというだけの話です。
でも、手間を惜しまないサービスづくりならどうでしょう。
設備は劣っても、それを補って余りある満足度の提供も、できるのではないかと思えます。

旅館は異業種でしょうが、奥会津の小さな旅館からも、学ぶべき点は結構ありそうです。
まずは現在のサービスの中身をしっかり見直してみませんか。

~ここまで~

世の中の流れは、記事の時代以上にコスパ、タイパなどの効率意識が高まり、サービス提供者側としても、それらの思考でビジネスを構築しようとする業界企業が多い気がします。

その結果、横並びのデジタル系設備投資がパンデミック以降も続き、益々、人的なサービスが形骸化しつつあると感じるのは、アバター近藤だけでしょうか。
元々、不動産事業や装置産業と揶揄されることも多かったフィットネス業界において、さらにその傾向が助長されている現状に大変な危機感を感じます。

ましてやその中で、2度3度会費を値上げするクラブも多く、パンデミック中の打撃に加えて、もはやそっぽを向かれる事態に陥る可能性すらあります。
当社は、記事のホテル同様、思考自体、一線を画すことで、この荒波を超えていこうと改めて思いました。

お読みいただきありがとうございました。

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