10月17日(月):カルチャー形成に重要な心理的安全性
最近は「Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋」で私が登壇予定のパネルディスカッションに付随したことを記していますが、本日も関連した話を少しばかり。
これまでは「大から小へ」とダウンサイジングをすることでスケールメリットとは対極の「スモールメリット」が得られること、物事の二面性に伴って何かが「ない」ということは一方で別なものが「ある」ことへの裏返しに触れました。
また一昨日はクラブの規模の大小による単純な優劣ではなく、もっと本質で普遍的な事柄は「お客様に目を向けること」だと記したと思います。
そして昨日は前述した「お客様に目を向けた適切な判断や運営をしていくには、良い企業文化、カルチャーを創っていくことであり、具体的には顧客志向やお客様の継続志向の価値観を組織内に浸透させていく点を説明しました。
そのためには経営トップのメッセージ、お客様の最前線にいるトレーナーの声に耳を傾け、現場の裁量・自由度を高めて、積極的なチャレンジができるような心理的安全性を担保することなどを挙げました。
これに絡んで本日は少しだけ心理的安全性について言及をしておきます。
昨今は組織において心理的安全性が大事である旨は様々なところで言われるようになり、その言葉自体は浸透してきたと思います。
一方で、その意味合いの理解の度合いは人によって違いがあるとも感じています。
そんなこともあって今回は心理的安全性の効用、特徴、誤解などに触れておきます。
まず企業組織の文脈での心理的安全性でいえば、「皆が気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしく仕事ができる文化」と言えるでしょうか。
組織内において対人関係のリスクを取る不安を最小限に抑えて、チームや組織のパフォーマンスを最大にできる状態です。
心理的安全性があることで得られる効用としては次のようなものが挙げられます。
・対話の量が増えて積極的なアイデアや行動が増える
・人間関係への影響を懸念せずに指摘し合える、ミスも迅速に報告して修正できる
・保身ではなく共通の目標を達成することに集中できる
・チームの学習行動が促進され、パフォーマンスも向上する
一方で心理的安全性にありがちな誤解を招かないために、次のような点への理解も必要です。
・心理的安全性は率直に建設的な発言ができる状態であり、意見へ反対しないことや無条件に支持を得られることではない
・心理的安全性は単に感じよく振る舞うことや、気楽さ・心地良さを指すものではない
・心理的安全性は目標達成基準を引き下げることではない
・「心理的安全性=高パフォーマンス」ではなく、そのための土台になるもの
その他、心理的安全性の特徴として以下のような点を把握しておくのも大事でしょう。
・心理的安全性はグループの特徴として表れ、対人関係の文化が組織内のグループごとに大きく異なる。強力な企業文化を持つ会社でも、部署によって心理的安全性が高かったり、低かったりする
・心理的安全性の度合いは個人との相互作用であり、個人の感じ方・認識によっても左右される
・心理的安全性は脆く持続しにくい性質があるため、それが保たれるように腐心する必要がある
ざっとこんなかんじでしょうか。
組織内の文化や関係性はクラブの空気感になっていくし、その空気感はお客様に伝わっていきます。
だからこそクラブの規模の大小に関わらず、良いクラブを創っていくには良い組織・良い文化を築いていくのが大事になると思っています。
●セミナータイトル
「トレーナー力を活かした小規模ジムの運営-活かしきれていない「個」・「小」・「地」を活かす、次代の経営」
●概要
コロナ禍により、逆転現象がみられている。かつては、資本力のある大企業、大型の施設、都心の駅前立地が、大きく成功するための要件とされていたところがあったが、今は、必ずしも資本力が乏しい個人であっても、トレーナーとしての本質的な能力を備え、たとえ都市近郊の住宅地や地方郊外のロードサイドに立地した小型の施設でも、地域密着ぶりを活かして経営を成り立たせることができるようになってきている。むしろ顧客の立場からみると、こうした「個」・「小」・「地」を活かしたジムのほうが、運動初心者とトレーナーの間にエンゲージメントが醸成されやすく、運動習慣化も達成しやすいという傾向もみてとれる。一トレーナーが、小規模でコンセプトがわかりやすいジムを開発、運営し、サクセスフルに成長していくためのキーポイントを探りたい。
・開催日時:11月11日(金)11時~12時30分
・会場:ポートメッセなごや
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Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋
ポートメッセ セミナーⅡ 【A-7】
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