7月18日(木):梅雨明けに向けた暑熱順化を③
このところは梅雨明けに向けた暑熱順化について記しています。
昨日は暑さに慣れるための暑熱順化で、スポーツ科学で研究されている効果的、かつ短期間できるアプローチのことを取り上げました。
具体的には暑熱環境下でのトレーニング、そして高地トレーニング(低酸素トレーニング)などがそれにあたります。
ただ、アスリートではない一般生活者が高地トレーニング(低酸素環境下でのトレーニング)や暑熱環境下でトレーニングをするのは大変なので、一般生活者ができそうな暑熱順化の形を模索することがポイントでしょう。
いずれの方法であっても汗をかいて血漿を増やすこと、血流を増やすこと、血管を拡張させること、これらを果たすことが暑熱順化への近道であるのは確かでしょうから、それができる代替材を考えてみたいと思います。
まず一般論として汗をかく、血流を良くする意味でいえば、やはり身体を動かすこと、つまりは運動をするのが入口にはなりますね。
それに加えてプラスαの要素でお勧めだと考えられるのは加圧トレーニングです。
加圧トレーニングとは専用のベルトを用いて一時的、かつ適切に血流を制限した状態で負荷をかけるトレーニングを指します。
加圧トレーニングには成長ホルモンの分泌をはじめ、多岐に渡る効果がありますが、とりわけ血管・血流への働きかけが特異的なメリットを有しています。
まずベルトを巻いて血管に対して圧をかけることで四肢の血管拡張・未流血管への血流促進が得られます。
少し補足をすると専用をベルトを使って太い動脈と静脈の両方が通る腕や脚のつけ根部分を加圧することで、心臓より上部は一時的に血流が減少した状態になリます。
それによって脳は危機を感じて血流を増やすよう心臓に指令を出し、その結果として血流量が増え、毛細血管の隅々まで血液が行き渡り血管が拡張する流れです。
また圧を加えた状態でトレーニングを行うことで交感神経への刺激増幅となり、適度な運動をした時と同様の興奮状態が生じ、活動性神経反応として心拍・血圧・呼吸・発汗・筋の緊張などを促進するので、発汗を増やすことにも寄与します。
そして加圧トレーニングを終えてベルトを緩め、除圧をした際にも静脈の制限されていた血流量が瞬間的に増幅するので血流が促進されます。
あわせて一酸化窒素(NO)の分泌により、血管内皮細胞の活性化が促進され、弾力性のある血管が蘇ることにつながります。
加圧トレーニングはこれら血管、血流への効果が大きいので、暑熱順化の準備にも応用できそうですね。
これなら高地トレーニングよりは容易で、フィットネスクラブへ通う方ならそれを実施しやすいでしょうし、自宅でセルフでできる加圧ウェアなども販売されているから、やろうと思えば誰でも試すことができるでしょう。
なお加圧トレーニングは実施可能な時間に限りもあるので発汗をして血漿を増やすには足りない面もあるでしょうから、そこを補う部分は入浴ですかね。
夏本番になる前に少し熱めの湯船につかり発汗を促すことはひとつです。
入浴後はクーラーのきいた涼しい部屋で、扇風機に当たりたい気分になりますが、それだとせっかく開いた汗腺がすぐに閉じてしまうから、そこを我慢してみるのも汗腺トレーニングの一環でしょうか。
こんな感じで「加圧トレーニング」×「入浴による汗腺トレーニング」といったアプローチも暑熱順化に一役買うんではないかと思う今日この頃です
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